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2023年夏は新型コロナウイルス対策だけでなく、乳幼児のいる家庭は「ヘルパンギーナ」への警戒が必要です。

横浜市医療局の衛生研究所は今月(2023年)7月6日、ヘルパンギーナの患者報告数が定点あたり6.00人を上回ったことから2016(平成28)年7月以来となる「流行警報」を発令し、手洗いやうがいといった感染対策を呼びかけます。

横浜市でヘルパンギーナの流行警報が発令されるのは2016(平成28)年7月以来となる(横浜市感染症臨時情報「ヘルパンギーナ」より)

ヘルパンギーナは乳幼児を中心として夏季に流行する感染症で、2~4日の潜伏期間のあと、突然の発熱に続いてのどの痛みが出現。のどの奥に1ミリから2ミリの水ぶくれや炎症が出て、治るまでに通常で1週間程度を要するといいます。

横浜市によると、6月26日から7月2日までの間に小児科の定点医療機関(市内94カ所)から報告された患者数が警戒基準値を上回る「6.02人」に到達。

6月26日~7月2日(第26週)の18区別に見た状況、港北区は6人を切っているが「5.5人」となり、都筑区では「14人」に達している(横浜市感染症臨時情報「ヘルパンギーナ」より)

区別では港北区は「5.50人」と基準値以下でしたが、泉区(14.25人)や都筑区(14.00人)、南区(8.00人)、金沢区(9.20人)、鶴見区(8.00人)で基準を上回っている状況です。

患者の年齢構成は1歳(18.0%)が最も多く、次に2歳(17.9%)、3歳(16.0%)と続いており、0~5歳までで全体の87.3%を占めていました。

横浜市内における6月26日~7月2日(第26週)までのヘルパンギーナの発生状況。新型コロナ禍にあった2020年や21年の夏はほとんど発生していなかったが、昨年(2022年)の夏から徐々に増えつつあり、今夏は警戒基準値の「6人」を上回った(横浜市医療局衛生研究所「グラフで見る報告定点あたり疾患別患者数推移」より)

市は「今後さらなる流行拡大が予想されるために、注意が必要です」といい、感染経路は接触感染や経口感染、飛沫感染となっていることから、「予防のためには手洗い、うがいが大切です」と呼びかけています。

なお、横浜市以外でも川崎市が6月20日に警報基準値の「6.0人」を上回ったことから「流行発生警報」を発令しており、7月2日までの一週間で定点当たりの患者報告数が「7.46人」に達したといいます。

また、神奈川県衛生研究所によると県内234カ所の小児科医療機関からの報告では、6月19日から25日の週に全県で警報レベルの「6.16人」に達しているとのこと。

広範囲で流行が見られることから、0歳から5歳の乳幼児のいる家庭では今夏、特に注意する必要がありそうです。

(※)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です

【参考リンク】

横浜市感染症臨時情報「ヘルパンギーナ」(横浜市は2023年7月6日に流行警報を発令)

川崎市「ヘルパンギーナ流行発生警報発令!~ヘルパンギーナの患者が急増しています」(川崎では2023年6月20日に流行発生警報を発令)

神奈川県「ヘルパンギーナ情報(2)25週」(神奈川県衛生研究所、2023年7月4日発行、県内全域で流行中)

ヘルパンギーナ(夏風邪)とは(国立成育医療研究センター、症状や治療についてなど)