新横浜の駅前でおなじみの老舗オフィスビルを相鉄グループが取得しました。
相鉄傘下で不動産開発事業を展開する相鉄アーバンクリエイツ(西区南幸)は、新横浜2丁目の環状2号線沿いに建つ「富士火災横浜ビル」を先月(2023年)5月31日付けで取得したと発表。相鉄グループとしては新横浜で初のオフィスビルとなります。
富士火災横浜ビルは、大阪市に本社を置いていた富士火災海上保険(富士火災、当時)が横浜の拠点として、今から約38年前の1985(昭和60)年7月に新築した地下2階・地上8階建て(延床面積9671平方メートル=2925坪)の事務所・店舗向け賃貸ビル。
新横浜駅からペデストリアンデッキを歩くと真正面に見える「富士火災」のマークが目立つ存在でしたが、2018(平成30)年1月に米国の保険大手であるAIG損害保険(当時はAIU損害保険)に吸収合併されると、その後は「AIG損保」のマークに変更されていました。
一方、ビル自体は2009(平成21)年から富士火災傘下だったビル管理会社が所有しており、ビル名も現在まで富士火災当時のものが変わらずに使われています。
相鉄グループは、横浜駅を中心とした相鉄線沿線に商業・オフィスビル物件を所有していますが、今年3月18日に相鉄新横浜線が開業して沿線に加わった新横浜エリアでも物件を取得することになったものだといいます。
運営管理(プロパティマネジメント)業務は相鉄ビルマネジメントが担当。相鉄グループによると現時点ではビル名を変更する予定はないとのことです。
富士火災横浜ビルは、AIG損保が横浜支店を置くほか、近年は富士通グループの子会社が本社を置き、地下では和食店も営業していましたが、富士通子会社は本体との合併により移転し、和食店も閉店。
現在はスポーツジムやクリニック、シェアオフィスなどが入居し、羽沢横浜国大駅前に建設中の大型マンション「リビオタワー」は同ビル内にモデルルームを設けています。
相鉄グループが駅以外では初の拠点を新横浜に築いたことで、今後のまちづくりでどのように関わっていくのかに注目が集まりそうです。
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【参考リンク】
・新横浜エリアでオフィスビルを取得【相鉄アーバンクリエイツ・相鉄ビルマネジメント】(相鉄、2023年6月6日)