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街の情報を「デジタル」で伝えたい――地域の新たなチャレンジが樽町からスタートしています。

横浜市樽町地域ケアプラザ(樽町1)と樽町連合町内会は、今年(2023年)3月27日から、同ケアプラザ内に「デジタル掲示板」を初設置。

樽町地域ケアプラザの藤塚政敏所長と樽町連合町内会会長の小泉さん。2者の共同で「デジタル掲示板」を設置、今後の管理や運用をおこなっていく(4月26日)

樽町地域ケアプラザの藤塚政敏所長と樽町連合町内会会長の小泉さん。2者の共同で「デジタル掲示板」を設置、今後の管理や運用をおこなっていく(4月26日)

通常、地域の「紙」の掲示板に掲載される情報を、元々あったデジタル画像で活用、共同で運用する方法を採用し、最新情報をスライド映写するスタイルで公開しています。

システムとして販売されている「デジタルサイネージ」ではなく、画像を表示できる「スマートテレビ」を購入することで「本体価格を4万円程度に抑えることができました」と、同連合町内会会長の小泉亨(とおる)さん

インターネット大手通販会社の「写真機能」を活用したもので、「別途5000円ほどで購入した専用端末を差し込むと、インターネット上で世界中どこにいても画像を指定することができます」と、地域ケアプラザと町内会側それぞれが最新の情報を選択し掲示できるメリットを説明します。

「樽町デジタル掲示板」と命名、樽町地域ケアプラザの入口付近に設置されている

「樽町デジタル掲示板」と命名、樽町地域ケアプラザの入口付近に設置されている

3月7日に試験的に設置スタートした際には、翌8日に行われた横浜市立樽町中学校(樽町4)の卒業式の写真を流す試みも行ったとのこと。

樽町や隣接地域での設置を目指すなか、師岡コミュニティハウス(師岡町)での来月6月からの設置が正式決定。親と子のつどいの広場「ひだまり」(樽町1)での運用も同月中に予定しています。

すでに「イベントでの活用についても要望や意見が上がってきており、手応えを感じます」と小泉さん。

今後、より「リアルタイム」な地域情報をデジタル技術を駆使し広めていくことができるのかにも、エリア内外からの大きな注目が集まることになりそうです。

LINE掲示板も好調、情報のデジタル化が進行中

「樽町地域ケアプラザ」の担当エリアは樽町のほか、師岡町、大曽根、そして綱島(分室あり)と広範囲・多くの人口をカバーしている

「樽町地域ケアプラザ」の担当エリアは樽町のほか、師岡町、大曽根、そして綱島(分室あり)と広範囲・多くの人口をカバーしている

樽町エリアは、鶴見川以南の綱島と大倉山駅の間一帯に広がる樽町1丁目から4丁目までのエリア。

世帯数は8658世帯、人口は1万7491人(2023年4月末現在)と、近年のマンション建設ラッシュや、綱島駅・大倉山駅周辺やトレッサ横浜(師岡町)へのアクセスが良好なこどなどもあり、ファミリー世帯を中心に、近年、人口も増加傾向にあります。

小泉亨さんは、2010(平成22)年にマンションで立ち上げたパークシティ綱島自治会会長(樽町3)としての役割を務めながら、2012(平成24)年度から、紙の広報誌「樽町イベント掲示板・思いあいのまち樽町」を半年に1回(コロナ禍以降は年1回)発行。

「紙」の情報はおおむねデジタルに移行すると予測している

「紙」の情報はおおむねデジタルに移行すると予測している

イベントの状況や詳細をよりリアルに伝えることにより、より多くの地域住民の地域参加を促すため、インターネット版「思いあいのまち樽町」を2016(平成28)年7月に開設しています。

樽町連合町内会や、社会福祉協議会などによる情報グループ約10名が企画・運営、記事執筆などを行う「要(かなめ)役」として活躍するほか、2020年度からは同連合町内会長に就任。

会議や会合でのペーパーレス化ほか、地域ぐるみでの「情報IT化」に積極的に取り組んできました。

LINE活用に効果も、デジタル掲示板は増設へ

最近、特に力を入れてきたのがインターネットアプリ「LINE(ライン)」の活用。

横浜市港北区樽町地域のホームページ「思いあいのまち樽町」ではLINE公式アカウントも活用し精力的に情報発信をおこなっている

横浜市港北区樽町地域のホームページ「思いあいのまち樽町」ではLINE公式アカウントも活用し精力的に情報発信をおこなっている

公式LINEアカウント「たるまちLINE掲示板」を2021年3月に新規開設、700人を超えたという「友だち」登録者に、リアルタイムでの情報配信を行い、「LINEの登録数は、この1年で約200人増えました」と小泉さん。

4月17日に配信した「支援学校に通う児童の付き添いボランティア募集も配信して数日後にはエントリーをいただきました」とのことで、最近では若い世代ばかりでなく、中高年層にもLINEが浸透

外部講師を招いてのLINE講座を実施するなど、「紙」では間に合わない、ITをフル活用した速やかな情報発信に注力してきました。

親と子のつどいの広場「ひだまり」でも6月中から「樽町デジタル掲示板」の運用を開始する予定(2022年8月撮影)

親と子のつどいの広場「ひだまり」でも6月中から「樽町デジタル掲示板」の運用を開始する予定(2022年8月撮影)

LINEは回覧板、デジタル掲示板はリアルの掲示板の代替という位置付けでの活用となります」(同)と、LINEを導入する際なども、明確な理念と目標をもって今回のような、リアルでの「デジタル掲示板」設置の取り組みを行う計画に含んでいました。

自治会町内会の加入者の減少傾向や、担い手不足などから全国的には街の掲示板を自治体が設置するケースも多く見られることから、「住民が自ら」街の掲示板のデジタル化に取り組むチャレンジに大きな期待感が寄せられそうです。

なお、「デジタル掲示板」の設置箇所の増設に伴い、オペレーションやメンテナンス、ITスキルのある担い手を確保することで、事業がより持続可能なものとして継続していくことが望まれます。

)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です

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【港北つなぎ塾・ジャンル紹介】自治会・町内会・地域団体~小泉亨さん(樽町連合町内会)(2020年1月15日)

樽町の子育てマップが刷新、10周年迎えた「ひだまり」で配布中(横浜日吉新聞、2022年9月21日)

【参考リンク】

2020年の開催報告~(A)自治会・町内会・地域団体グループの発表~担い手と情報発信のあり方(港北つなぎ塾)

横浜市港北区樽町地域のホームページ「思いあいのまち樽町」にようこそ!

樽町地域ケアプラザのサイト(横浜共生会)

師岡コミュニティハウスのサイト(一般財団法人こうほく区民施設協会)