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地下の新横浜駅で“完成式典”を行い、関係者を乗せて新綱島駅まで列車を走らせました。

JRTT鉄道・運輸機構相鉄(相模鉄道)、東急電鉄の三者はきのう(2023年)3月5日、相鉄・東急の新横浜駅構内で「しゅん功開業式典」を開き、参加した政治・行政と地元の関係者らが試運転列車に乗り込み、新綱島駅までの区間を往復しました。

新横浜駅構内で開かれた「しゅん功開業式典」には招待者86人が参加した(3月5日)

3月18日(土)に相鉄・東急新横浜線(相鉄・東急直通線)の開業を控え、工事の完了を記念して開かれた式典では、主催者を代表してJRTT鉄道・運輸機構河内隆理事長が登壇。

JRTT鉄道・運輸機構の河内理事長

河内理事長は、新たに開業する新横浜駅(相鉄・東急)と新綱島駅(東急)について「厳しい施工状況のもとでの建設となったが、鉄道構造物として最新の技術を採用するなど創意工夫を重ね、無事に工事を完了することができた」と報告し、「地元の皆さま方に末永く愛される存在となってほしい」と述べました。

相鉄の千原社長

続いて相鉄(相模鉄道)の千原広司社長は、先に開業した相鉄・JR直通線について「東京都心へのダイレクトな輸送が可能」とし、相鉄・東急直通線は「東京都心内部や埼玉に至る広域なネットワーク性の高い路線」と説明。「双方の完成により都心部への路線経路の選択肢が増加し、交通利便性が大きく向上する」と力を込めます。

東急電鉄の福田社長

東急電鉄福田誠一社長は、「さかのぼると1985(昭和60)年の『運輸政策審議会答申』の第7号に位置付けられて以来、大変長い年月を重ねて開業を迎えることができた」と振り返り、「7社局14路線をつなぎ、総延長250キロという広域かつ多方面へのたぐいまれな鉄道ネットワークが形成される」と話しました。

「日本社会を前に進める大きな力」

斉藤国土交通大臣

来賓として式典に駆けつけた斉藤鉄夫国土交通大臣は、「広大な鉄道ネットワークが形成され、特に大動脈である東海道新幹線の新横浜駅に乗り換えなしでアクセスが可能となり、沿線の利便性は飛躍的に向上する」と開業による効果を説明。

菅(すが)前総理

また、計画当初から携わってきたという菅義偉(すがよしひで)前総理は、「さまざまな紆余曲折があったが、今日を迎えることができ、感慨深い」と話し、「横浜の持続的な発展にも大きな力を発揮し、日本の社会を前に進める大きな力になりうる」と期待を込めました。

黒岩神奈川県知事

神奈川県の黒岩祐治知事は「歴史的な日に歴史的な場所に立ち会えることは光栄だ」と力説し、相鉄と東急沿線から新横浜駅へのアクセス性が高まることなどから「企業目線ではなく、住民目線に立った偉大な事業だったと思う」と絶賛。

山中横浜市長

横浜市の山中竹春市長は「実に10年を超える事業期間を経て、いよいよ開業まで二週間以内に迫ってきた」とあいさつし、都心からのアクセスルートが整備されることで、4年後の2027年に相鉄沿線の旧「上瀬谷通信施設」地区(瀬谷区)で予定されている国際園芸博覧会「GREEN × EXPO(グリーン×エキスポ)2027」に注力していく姿勢を表明していました。

新横浜~新綱島、東急で最長の駅間

86人が参加した新横浜駅構内での式典後は、ホームから試運転の列車に乗車し、新綱島駅までの区間を往復。

試運転列車の車内で談笑する山中横浜市長(左端)ら参加者(3月5日、JRTT鉄道・運輸機構提供)

新横浜駅と新綱島駅の間は、営業距離が3.6キロに設定されており、これは現時点で最長の日吉駅と綱島駅間(2.2キロ)を抜き、東急電鉄でもっとも長い駅間になるといいます。

式典参加者を乗せた列車は、新横浜駅を出るとすぐに「新横浜トンネル」(3304メートル)に入り、時おり見えるトンネル内を照らす青い照明以外は車窓らしい車窓は見られませんでしたが、わずか3分超で新綱島駅に到着。

新綱島駅では改札口正面に設置された「桃」をイメージしたデザインウォールを見学(JRTT鉄道・運輸機構提供)

同区間を移動するには、現在は菊名駅でJR線と東急東横線を乗り継ぐ必要があるだけに、港北区民にも利便性は高まりそうです。

新横浜でイベント開催時は臨時列車も

新横浜駅ホームで行われた出発式の様子。同駅では東急電鉄が運転面(運行管理)と北改札口(大豆戸町側)の営業面(駅業務)を兼ねた「駅長」を置き、相鉄は南改札口(羽沢側)の営業面を担当する駅長になるとのこと(JRTT鉄道・運輸機構提供)

東急新横浜線のダイヤについては、東急電鉄によると3月18日(土)の開業時点では日中1時間に6本という運行本数に設定したものの、利用動向によっては改正時に増発も検討するといいます。

また、横浜アリーナなど新横浜でイベントが行われる際は臨時列車を運行する計画としており、運行ダイヤにはあらかじめ組み込んであるとのこと。開業日からしばらくの間は乗客が多くなることが予想されるため、臨時列車も運行したい考えです。

)新横浜駅から新綱島駅までの試運転列車からの「車窓(新横浜トンネル内)」については、下記のYouTubeに公開した5分ほどの動画もご覧ください。

【関連記事】

3月18日(土)の開業が迫る「新綱島駅」、地元以外では初の内部公開(横浜日吉新聞、2023年3月6日、新綱島駅での見学会の様子など)

東急電鉄が早速「新横浜線」で臨時列車、3月18日以降の土休日などに(横浜日吉新聞、2023年3月13日)リンク追記

地下の相鉄・東急「新横浜駅」をバーチャル見学、ドローン撮影の映像公開中(2023年3月3日)

【参考リンク】

東急「新横浜線」の特設サイト(東急電鉄)

相鉄・東急「新横浜線」の特設サイト(相鉄)