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相鉄・東急直通線の開業はこれから1年2カ月先の来年(2023年)3月となりました。「2022年度下期」という開業時期が示されていた「相鉄・東急直通線(相鉄新横浜線/東急新横浜線)」について、JRTT鉄道・運輸機構(横浜市中区)などは来年3月に開業を予定していることを発表しました。

新横浜線へ乗り入れる予定の相鉄の車両(2021年6月)

現状についてJRTT鉄道・運輸機構は、「トンネルや新横浜駅・新綱島駅の土木工事が概(おおむ)ね完了し、主に軌道・電気・駅舎建築及び機械設備工事を行っているところ」と報告。

そのうえで、「これらの工事完了後、鉄道・運輸機構で実施する鉄道施設の検査、相模鉄道と東急電鉄による乗務員の訓練運転、および国土交通省による完成検査などを実施していく予定」としています。

一方、開業日は「別途お知らせいたします」として今回は示されませんでした。

新横浜線への出入口は日吉駅の付近に設けられている(2022年1月21日)

かつて相鉄・東急直通線は「2019年4月」という開業目標が示されていましたが、2016(平成28)年8月になって「2022年下期」に延期された経緯があります。

新綱島駅付近で想定よりも深かった軟弱地盤への対応に時間を要したうえ、同駅周辺でトンネル工事用設備の用地確保も遅延。日吉元石川線沿いでは地中を通る雨水管の位置が想定よりも深く、「綱島トンネル」(箕輪町3丁目付近~新綱島駅、1100メートル)の勾配を深くするなどの設計変更も生じました。

トンネル掘削前後にはさまざまな苦難があった、地下を通る雨水管がトンネル建設の支障となったことも(2016年公表のJRTT鉄道・運輸機構の資料より)

また、「新横浜トンネル」(新綱島駅~新横浜駅、3304メートル)は大倉山の住宅街直下を通るという計画となっていたことから周辺住民が反発。計画変更を求めて訴訟を起こすなどの動きもありました。

新横浜トンネルの掘削工事が始まってからは、2020年6月に地上部の環状2号線上で陥没事故が相次いで発生。同年7月には綱島トンネル真上の箕輪町内で道路路面が盛り上がる現象も起きています。

困難の多かったトンネル掘削などの土木工事は昨年(2021年)5月ごろまでに終え、現在は線路や電気、駅舎などの工事が行われている段階です。

地元の反応「難しい工事に見えた」

新綱島駅の綱島トンネル合流地点の工事状況(JRTT鉄道・運輸機構提供)

綱島地区連合自治会で会長をつとめる佐藤誠三さんは「地域で工事現場の見学もしたが、難しい工事のように見えた。(開業時期が来年3月となるのは)道路陥没の影響もあったのだろう。新綱島駅周辺のまちづくりも少し遅れているので、来年3月の開業というのはちょうど良い時期という見方もある」と話します。

一方、新横浜町内会で会長をつとめる金子清隆さんは、「新横浜では2017年に首都高『横浜北線』の出入口(所在地は新羽町)が開業し、次に“要”となる鉄道が来年3月に開業すれば交通インフラがさらに拡充される。各地から新横浜へのアクセスが良くなるので、街にも活気が出そうだ」と開業時期が決まったことを喜びます。

新横浜駅の工事状況、ホームは2面、線路は3本ある(JRTT鉄道・運輸機構提供)

日吉駅前の日吉商店街協同組合で理事をつとめる重田清さんは、「実際に開業してみないとどうなるのか分からないが、相鉄線の乗り入れによって日吉駅の乗降客が増えることでの商店街の活性化に期待したい」と話していました。

なお、東急新横浜線は新横浜駅と日吉駅間で日中は1時間あたり6本朝のラッシュ時は14本を運行する計画となっており、このうち相鉄新横浜線から乗り入れる列車は日中が4本、朝のラッシュ時は10本。日中は1時間あたり2本程度の新横浜始発着の列車が設けられる見通しです。

また、新横浜線の列車は日吉駅から目黒線や東横線へ乗り入れ、その先の東京メトロ南北線や副都心線、都営三田線、東武東上線、埼玉高速鉄道へ相互直通運転する計画となっています。

)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です

【関連記事】

<相鉄・東急直通線>新横浜から都心直結、メトロや都営三田線へ乗り入れ(2022年1月28日)リンク追記

相鉄・東急「新横浜駅」のホーム天井は木目調、完成予想図を動画で公開(2021年12月31日)

新綱島駅「ホーム」は鶴見川を意識したデザイン、改札階で桃の歴史も表現(横浜日吉新聞、2021年12月31日)

【参考リンク】

相鉄・東急直通線の工事等の状況及び開業予定時期についてPDF、鉄道建設・運輸施設整備支援機構など、2022年1月27日)

2023年3月(予定)相鉄新横浜線・東急新横浜線開業!鉄道がもっと便利になります~神奈川県央地域及び横浜市西部から東京・埼玉に至る広域的な鉄道ネットワークの形成(東急電鉄など、2022年1月27日)