確実に一歩前進している姿を本拠地のファンに示しました。プロアイスホッケー「アジアリーグ」の横浜グリッツ(GRITS)は、今月(2021年)10月23日・24日に「KOSE新横浜スケートセンター」で行われた連戦には敗れたものの、初戦は無失点のまま今シーズン初の延長戦に持ち込む粘りを見せており、来月11月6日(土)・7日(日)の新横浜2連戦で待望の初勝利をつかみたいところです。
2週間前の10月9日・10日に新横浜で行われた試合では、12対4、6対1という大差で「H.C.栃木日光アイスバックス」に敗れた横浜グリッツ。リーグ戦開幕前の8月29日に行われたプレシーズンゲームでは、敵地でチーム創設初の勝利を挙げた相手に厳しい現実を見せつけられました。
「リンク上でのコミュニケーション不足から起きるミスが見られたので、2週間かけて前回の反省点を生かし、ベンチへ戻ってからも含めてコミュニケーションの強化を心がげてきた」と浅沼芳征監督は話します。
無失点で初の延長戦に持ち込む
10月23日(土)の「ひがし北海道クレインズ」との初戦は、2週間費やした懸命な練習の成果が現れたのか、第3ピリオドが終わっても失点を許さない堅守を見せました。
今シーズンからオルタネートキャプテン(副将)に就いているキーパーの黒岩義博選手は、「ロースコアゲームをしようとチームで話し合った。今週はかなりいい練習ができていて、良い試合ができる自信があった」といい、計30本打ち込まれたシュートに対して見事なセーブを連発。無失点で今シーズン初の延長戦に持ち込みました。
攻撃面では、相手より1人多いパワープレイ(PP)が4度あったものの得点を奪えず、特に第3ピリオド終了間際に巡ってきたPPで得点できなかったのは痛いところ。
キーパーを除き「3人対3人(3on3)」で行うサドンデス方式の延長戦は今シーズン初という不慣れな状況下で、延長1分13秒に失点し、惜しくも1対0で敗れてしまいました。
また、この試合では攻撃の要(かなめ)となっていたオルタネートキャプテンの池田涼希(あつき)選手(背番号97)がゴール前の攻防で負傷。右腓骨(ひこつ)の骨折で全治3カ月と診断され、少なくとも年内の試合出場ができなくなっています。
新加入の石井選手が得点したが…
翌10月24日(日)の2戦目は、第1ピリオド早々の失点にも、その5分後には前試合からチームに加入したばかりの石井秀人(しゅうと)選手(背番号20)のシュートで同点に追い付くなど、良い流れを見せていましたが、第2ピリオド以降は防戦一方の展開。自チームと比べて3倍の数となるシュートを相手に打ち込まれ、5対2で敗れました。
横浜グリッツでは、米国リーグに挑戦するFW(フォワード)の平野裕志朗選手(背番号9)と、DF(ディフェンス)の菅田路莞(かんだろい)選手(背番号16)がフィンランドリーグ移籍でチームを離れ、また海外経験の長いFWの宮崎遼選手(背番号26)は現役を引退し、チームスタッフに就任。
選手の動きが激しいなか、相模原市出身で幼少期は「新横浜ジュニアアイスホッケークラブ」に所属していた経験も持つ石井選手が加入後すぐに活躍を見せたことは、チームにとって明るい材料といえそうです。
山中市長やラミレスさんも応援
今回の2連戦では、初戦に横浜市の山中竹春市長が姿を見せ、「今日は初勝利、絶対取りましょう!Go Grits Go!(ゴー・グリッツ・ゴー)」と拳を突き上げての熱いメッセージを氷上で披露。
同日は横浜ベイスターズ前監督のアレックス・ラミレスさんも観戦に訪れ、横浜グリッツのユニフォームを着て声援をおくっていました。
また、2戦ともチーム公式チア「グリッツトパーズ(GRITS TOPAZ)」のキッズチアが応援を繰り広げ、2戦目には同じKOSE新横浜スケートセンターを拠点とする新横浜ジュニアアイスホッケークラブの子どもたちが試合前に「セレモニアル・パックドロップ(始球式)」を行うなど、さまざまな面から試合会場を盛り上げる様子が見られました。
次回は“最強”レッドイーグルス
次の新横浜での開催は、来月11月6日(土)と7日(日)に「レッドイーグルス北海道」との2連戦が予定されています。
レッドイーグルス北海道は、前シーズンまで「王子イーグルス」として活動していた強豪がプロ化して衣替えしたチームで、横浜グリッツにとっては創設初の開幕試合とシーズン最終試合で大敗を喫したうえ、目の前で胴上げシーンも見せつけられた因縁ともいえる相手。
レッドイーグルス北海道は今シーズンも首位を走っており、横浜グリッツがどこまで食らいついていけるのかが見どころとなりそうです。
きょう10月25日(月)10時から「楽天チケット」でチケットの一般販売が始まっており、同日12時以降はKOSE新横浜スケートセンターの「スケートショップ ウエスト」でも取り扱いが行われます。
なお、11月中は敵地での試合が多く、本拠地の新横浜で行われるのは、次のレッドイーグルス北海道との2連戦のみ。また、同チームと新横浜で対戦するのは初となります。
【関連記事】
・<横浜グリッツ>参入25試合目でつかんだ初勝利、敵地の東北で歓喜(2021年11月1日)※リンク追記
・反転攻勢につなげたい「グリッツ」、新横浜で10/23(土)・24(日)に連戦(2021年10月13日、前回の試合についても)
・<横浜グリッツ>120日ぶりの試合が最終カード、初年度は勝利つかめず(2021年3月29日、王子イーグルスの最終試合もグリッツが相手だった)
【参考リンク】
・11月6日(土)・7日(日)「ジャパンカップ2021『横浜GRITS対レッドイーグルス北海道』新横浜開催チケット情報」(横浜GRITS)
・横浜GRITSファンクラブ「The GULUGERS(ザ・グルーガーズ)」(入会で招待券も)
・アジアリーグの公式YoTubeチャンネル(全試合をライブ中継、横浜グリッツは次回10月30日・31日に八戸で東北フリーブレイズ戦を予定)