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3月4日(土)・5日(日)に新横浜で行われる今シーズン最終戦を前に横浜グリッツのホームゲーム環境が進化を見せています。

プロアイスホッケー「アジアリーグ」の横浜グリッツ(GRITS)は、今月(2023年)2月18日・19日に本拠地のKOSE新横浜スケートセンターで東北フリーブレイズと連戦し、昨年9月18日以来となる本拠地勝利を挙げ、1勝1敗で5位を守りました。

逆転ゴールを決めたDF・川村選手(真中)(2月18日)

前節を2連勝して迎えた2月18日の試合は序盤から点を取り合う展開となり、2対2で迎えた第1ピリオド終了間際にDF(ディフェンス)の川村一希選手(#10)のシュートで逆転。第2ピリオドは一気に3点を奪って引き離し、7対5でチーム初の3連勝をおさめました。

初戦は7点を奪う猛攻でフリーブレイズに3連勝した(同)

翌19日の試合は先制点を奪われ、第3ピリオド51分に掴んだパワープレー(PP)のチャンスを生かして同点に追い付いたものの、延長戦突入まで残り30秒というなかで相手にPPを与え痛恨の失点。GK(ゴールキーパー)を引き上げて全員攻撃を仕掛けましたが、逆にパックを奪われて無人のゴールに掘り込まれ、1対3で敗れています。

今節の本拠地2連戦は1勝1敗となりましたが、通算9勝27敗で5位は維持。また、フリーブレイズとの対戦を通算6勝2敗で終え、初の勝ち越しとなりました。

公式チアの「トパーズ」は氷上でパフォーマンスも披露(同)

今回の2連戦から観客席で声を出しての応援が可能となり、グリッツがチャンスを迎えると、スタンドからおぉーというどよめきが広がり、公式チアの「トパーズ(TOPAZ)」はキッズチアとともに「レッッゴー、グリッツ、ヨコハマグリッツ!」と声を上げて会場を盛り上げました

2試合通してキッズチアが試合を盛り上げていた(同)

2020年秋にプロ参入したグリッツは、これまで常に新型コロナウイルス対策の制限下で試合を行ってきただけに、浅沼芳征監督も「チャンスの時にファンの方が押し上げてくれるような声援は、チームの後押しになっている。盛り上げていただけるのは有難い」と喜んでいました。

地元の技術を結集したグッズが完成

今回の2連戦でグッズ販売コーナーに初登場したのが「アップサイクルスティック」(3000円)と名付けられたオリジナルグッズです。

“メイドイン都筑区”の「アップサイクルスティック」が新登場(2月18日)

これは実際に選手が使っていたスティックを切断し、先端部分に模して加工したもので、都筑区内製造業者が協力して製作したといいます。

プロのアイスホッケー選手は試合や練習で強いシュートを打った際などにスティックが折れてしまうことがあり、グリッツでは折れたスティックをリサイクルする方法を模索。

2月18日の試合中にも選手のスティックが折れるシーンが見られた

横浜市と民間事業者による「ヨコハマSDGsデザインセンター」(西区高島1)と、都筑区内の中小製造業者が集まった「メイドインつづき」の参加企業が連携し、地元産のオリジナルグッズとして蘇らせました。

企画に携わった有限会社アバンテック(都筑区川和台)の蟹江千里さんは、「選手の思いが詰まった道具を再生するということなので、ファンの方に思い伝えられるようなものを考えた」といいます。

「アップサイクルスティック」は選手が使っていたスティックごとに再生されて販売(同)

一方、大きさや長さ、左利きや右利き用など選手によって1本ずつ形状が微妙に異なるうえ、カーボンファイバー(炭素繊維)製のスティックを切断したり加工したりするには苦労したといい、株式会社ミカワ精機(都筑区大熊町)の近藤芳正さんは「いかにスティックぽく見えるかにこだわって作りました。今後、アイスホッケーの全チームがリサイクルするような環境になるのが夢です」と話していました。

試合会場では「メイドインつづき」の企業が購入者向けに“打刻ワークショップ”も開催(同)

チーム・選手の思いと、地域の技術力が結集して生み出されたアップサイクルスティック。グリッツならではのエコなグッズとして注目を集めそうです。

横浜グリッツ試合結果(2月18日・19日)

■ チーム初の3連勝、残すは韓国・新横浜で4試合

2週前に西東京市で行われた前節の東北フリーブレイズとの2連戦では計12点を奪って連勝したグリッツ。

「順位争いをするためには、この(フリーブレイズとの)4連戦がいかに大切かは選手が分かっている」(浅沼監督)と、新横浜に場所を移して行われた今回の連戦も勢いそのままに得点を重ねます。

先制点を決めたFW・池田選手(#97)(2月18日)

初戦は開始4分でFW(フォワード)・池田涼希選手(#97)が「セットで連動して良い形で攻め込めたので、後は決めるだけだった」と先制点を奪うと、ゴールラッシュで第2P(ピリオド)終了時点で6得点。第3Pにも加点してフリーブレイズを引き離しました。

日本代表の欧州遠征からチームに復活し、いきなり1得点2アシストの活躍を見せたDF・簑島選手(#65)(同)

この4連戦中、日本代表のヨーロッパ遠征に招集され、現地で3試合を戦ったのちにチームへ再合流したDF・蓑島圭悟選手(#65)は、「(切り替えは)難しい部分もあるが、代表でやっていたホッケーではなく、グリッツのホッケーをやる」とベンチへ戻るたびに自分に言い聞かせてきたといい、18日の試合では1得点2アシストを記録しています。

一方、7点を奪って優位に進めていた試合も、終盤には相次ぐ反則もあって3失点し、終わってみれば7対5で逃げ切る展開。浅沼監督は「今日は“貯金”があったから5失点でも勝てたが、そうじゃない戦い方をしていかないと……」と反省を口にしていました。

2月18日の試合では第3P・54分にグリッツのFW・杉本華唯選手(#21)とフリーブレイズのFW・山本和輝選手(#21)がファイティングに発展し、両選手は翌日の試合に出場停止となった

翌日の2戦目は、前日の第3Pでの流れを引きずるかように重い展開となり、前シーズンまでグリッツに所属していたキム・ユンジェ選手(DF、#90)のゴールで先制点を奪われると、追い付けないまま第3Pに突入します。

51分に訪れたPPから得点を奪い、同点での延長戦に持ち込むまで残り40秒ほどというなかでPPを与え失点。残り28秒での全員攻撃も実らず、チーム初となる4連勝を逃しました

2試合連続で得点を決めたDF・ティモシー・シュープ選手(#77)(同)

次週は韓国でリーグ首位の「HLアニャン」と連戦し、次の3月4日(土)・5日(日)には新横浜で「ひがし北海道クレインズ」との連戦でシーズンを終えます

チーム内の目標である「2ケタ勝利」まであと1勝。そして初となる5位を死守するためにも、今シーズンのグリッツを象徴する残り4試合となります。

現在のメンバーで戦うのは残り4試合。今シーズン限りで引退を表明した選手もいるだけに悔いのない形でシーズンを終えたい(同)

2月18日(土):横浜GRITS 7 - 5 東北フリーブレイズ(新横浜)

)左側の数字はゴール時間、選手名の前に記載の数字や文中の#は背番号、カッコ内はアシスト、(+1)(+2)は相手より人数の多いパワープレー中の得点

【1P】横浜3-2東北

(シュート数:横浜13-7東北)

【2P】横浜3-0東北

(シュート数:横浜9-11東北)

【3P】横浜1-3東北

(シュート数:横浜13-11東北)

<GK=ゴールキーパー>

  • 横浜38.小野航平(セーブ24/失点5)
  • 東北55.畑享和(セーブ10/失点4)21:21※交代
  • 東北34.古川駿(セーブ18/失点3)36:08

※アジアリーグの記録ページはこちら

2月19日(日):横浜GRITS 1 - 3 東北フリーブレイズ(新横浜)

【1P】横浜0-1東北

(シュート数:横浜7-15東北)

  • 15:36 東北90.キム・ユンジェ(76.小原大輔/9.大宮良)

【2P】横浜0-0東北

(シュート数:横浜14-7東北)

【3P】横浜1-2東北

(シュート数:横浜9-15東北)

<GK=ゴールキーパー>

  • 横浜38.小野航平(セーブ34/失点2)
  • 東北34.古川駿(セーブ29/失点1)

※アジアリーグの記録ページはこちら

【関連記事

・【前回記事】<横浜グリッツ>久々の連勝で5位浮上、次戦は2月18・19日に新横浜開催(2023年2月6日)

【参考リンク】

・【今シーズン最終戦】3月4日(土)・5日(日)「ひがし北海道クレインズ」戦(新横浜)のチケット情報(横浜GRITS)

横浜GRITSの試合結果と情報(アジアリーグ)