小学校にご当地ヒーローと県警音楽隊が登場、マーチングバンドの共演も――先週(2020年)1月24日午前、小机町の横浜上麻生道路にも近い小机小学校(鈴木康史校長)の体育館で、約600人もの全校生徒が、交通ルールや交通安全について学ぶ「交通安全教室」を実施。
ご当地ヒーローとして知られる「横浜見聞伝スタージャン」のスター・ジャンや、神奈川県警察音楽隊(県警音楽隊)を招いての「芸術鑑賞教室」として行われ、ラストには同音楽隊と同小マーチングバンドとの初共演も行われるなど、授業は大いに盛り上がりました。
授業の冒頭部では、港北警察署交通課の堀井健(たけし)さんから、昨年(2019年)に、港北区内で3人の交通死亡事故が起きたこと、1年間で20人も小学生がケガをしたことなどを報告。

児童に配布した「みんなのサイクルルールブックよこはま」を各家庭で見てもらえたらと港北署交通課の堀井さん
中には自転車に乗っていて亡くなった人もいたとのことで、「児童が自転車に乗っていて、青信号でわたったにもかかわらず、車側の原因により事故に至ったケースもありました。横断歩道では、例え青信号であっても、しっかりと周りの車などを確認してからわたるように」との指導を行いました。
続いて、菊名を本拠地として市内で活動するスター・ジャンと、ヒロインのヒカリ役・松林早紀さんが登場。自転車のマナーを守らない悪役・ブラックスターをやっつけるというストーリーの劇を通じて、傘を差しての運転や、音楽を聴いての運転、さらには携帯やスマホを操作しての運転の危険性を訴えました。
さらに、日本の吹奏楽発祥の地だというこの「横浜」の地で発足、音楽を通じて県民と警察を結ぶ「音のかけ橋」として、また県民の皆様が安全で安心して暮らせる地域社会を実現するため、県内各地において幅広い演奏活動を行っているという、県警音楽隊の約20人が子どもたちの前に登場。
子どもたちに人気の「ドレミの歌」や、となりのトトロなど「ジブリ(アニメ)ソング」、「アナと雪の女王」や「パプリカ」といった楽曲を迫力と優しさに満ちた演奏で約30分にわたり披露、子どもたちがつい口ずさみ、また“熱狂”に包まれるシーンを演出していました。
演奏の合間には、『自転車安全利用五則』と言われる5つのルール「車道が原則、歩道は例外」、「車道は左側を通行」、「歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行」、「安全ルールを守る」、そして「子どもはヘルメットを着用」といった内容の詳細を唱えるなど、とりわけ“自転車”乗車に際しての交通安全対策についての呼び掛けも実施。
ラストには、同小学校のマーチングバンド部員34人と県警音楽隊との「夢の共演」も実現。区内の日大高校(箕輪町2)に通ったことでも知られる故・坂本九さん(1985年=昭和60年の日航機墜落事故で死亡)の人気曲「見上げてごらん夜の星を」を演奏、特別授業のフィナーレを和やかな雰囲気で締めくくりました。
特に、2020年に入り、神奈川県内での交通事故での死者数は19人(1月29日現在)と、前年よりも6人も上回るなど、全国でも最悪のペースとなっているといい、「歩行中の死亡事故7件は夜間に発生しています。歩行者は反射材を付けるなどして自身の存在のアピールを、また車を運転する人はライトのハイビーム、ロービームこまめに切り替えて、歩行者の早期発見に努めてもらえれば」(堀井さん)と、一件でも交通事故を減らすための対策強化を呼び掛けています。
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【参考リンク】
・児童を交通事故から守ろう!(神奈川県警察本部)
・神奈川県警察音楽隊(同)
・港北区内の交通事故発生概況(2019年12月末、港北警察署)※港北区内では対前年比で死者数のみ増加となった