港北警察が表彰したのは、一人の信金マンが行った、思いやりある「的確な行動」でした。
「特殊詐欺被害」を未然に防いだことへの感謝状の授与が行われた城南信用金庫新横浜支店（12月9日16時頃）
先月（2019）年11月15日、地下鉄新横浜駅からすぐ、JR新横浜駅北口から徒歩約4分の城南信用金庫新横浜支店（新横浜2）に来店した、とあるシニア世代の夫婦。
「二人とも、通常の目的意識を持ち用事を済ませようとするお客様とは異なり、普段見られないような視線配りで、困っている様子だったんです」と、ロビーを見回した際、ふと“通常でないお客様の視線”に気づいたという、同支店副支店長の元久（もとひさ）裕介さん。
窓口に不慣れな人、また“どうしようか”と店頭で悩んでいる人に対して、「積極的に声かけを行うという、当金庫内でのルールがありまして」と、今回も、社内ルールに則って声を掛けたという元久さん。
話を聞くと、「とある区役所の、税務課職員」と名乗る電話先の相手から、「保険が解約できるので来てください」と、同支店に呼び出されたとのこと。
詐欺ストップで「お客様」を救った同支店副支店長の元久（もとひさ）裕介さん（右）、感謝状を贈呈した港北署生活安全課の櫻井光治さん
機転を利かし、区役所へ連絡を即座に入れると、「該当する職員はいない」との回答が。
「これは特殊詐欺に違いない」と確信した元久さんは、警察に即座に通報。今回の「詐欺」を、まさに“的確な対処”でストップさせることに成功します。
今回来店した夫婦は、偶然にも他の支店で同金庫を利用している顧客だったこともあり、「大切なお客様を守ることが出来てよかった」と、元久さん、同金庫の職員らは、安堵（あんど）の想いで胸をなで下ろしたといいます。
一昨日（2019年）12月9日、同支店で元久さんに感謝状を贈呈した港北警察署（大豆戸町）生活安全課の櫻井光治さんは、「城南信用金庫の皆さんは、日頃から高い防犯意識を持ち、今回も積極的に通報を入れていただいたこともあり、詐欺被害を防ぐことができたのだと思います」と、同金庫の防犯対応を高く評価。
「困った人を助ける」という城南信用金庫の社内ルールはもちろん、元久さんの「的確な対応」が被害を未然に防ぐことにつながった
櫻井さんは、「これからも、一人でも、一件でも、詐欺被害が発生しないよう、これまで以上に、各金融機関との連携体制も強化していきたい」との強い決意を語ります。
今月（2019年）12月8日現在、港北区内の特殊詐欺の被害件数は66件、被害額も約1億1800万円（認知件数・被害額）に上っているとのこと。
櫻井さんは、「カードすり替え型の詐欺が非常に多くなってきています。区内地域に集中しての“前兆電話”への警戒を、パトカーのアナウンスで呼び掛けたり、怪しい人物がいれば職務質問を行ったりと、警察としては全力を尽くし、詐欺犯罪防止に向けての取り組みを行っています」と、同署挙げての詐欺撲滅（ぼくめつ）に向けた活動に、これからもより力を入れていく考えです。
詐欺を決して許さない！「地域での声かけ」や、詐欺を防ぐための「対応力」こそが詐欺撲滅（ぼくめつ）につながると櫻井さん
一向に「ゴールが見えない」オレオレ詐欺などの特殊詐欺を防ぐためにも、ふと「思いやり」を持ち、細かな気遣いで来店客にも気を配る金融機関、そしてATMを保有するコンビニや商業施設の店員などの「日々の取り組み」、そして「的確な判断」こそが、これからも、詐欺の根絶に向けての一助となることは間違いないようです。
なお、明後日（2019年）12月13日（金）は、折しも2カ月に1度、今年最後の年金支給日。
その日の午前、同金庫の店頭では、同警察や港北防犯指導員会のボランティアらも来店し、「ATM利用詐欺被害防止ゼロの日」防犯キャンペーンを実施するという計画も練られるなど、同金庫では、日々の業務内での活動のみならず、地域近郊エリアでの防犯呼び掛けもより積極的に行っていく予定です。
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【参考リンク】
・店舗のご案内～新横浜支店 ※ページ右下より「営業店の取組み」紹介ページへのリンク有
・身近な詐欺情報（同）
