新型コロナウイルスの感染拡大は、警察の防犯活動にも大きな影響を及ぼしています。
港北警察署(大豆戸町・太刀野一夫署長)は、新型コロナウイルスの感染拡大により、定期的に行っていた地域での防犯活動を「キャンペーン」や、地域の集会場などによる講話などのスタイルで行うことができないことから、港北区内にあるコンビニエンスストアなどを巡回、ポスターなどの掲示を依頼することでの、地域での「防犯活動」をこのほどスタートしました。
防犯を呼び掛ける同署生活安全課には、先月(3月)初旬の人事異動で原英伸課長が新たに着任したものの、「各地域に、着任のごあいさつにも回れない状況です」と、今回の新型コロナウイルスによる影響の大きさを日々痛切に感じていると嘆きます。
そこで同課が防犯を呼び掛ける手段として考えたのが、「地域のコンビニエンスストア」など、地域店舗への防犯PRへの協力呼びかけ。
「マスクや、衛生用品が不足しているためか、棚がガラガラに空いているケースも多くみられ、そこに何か、“今だからこそ”必要な防犯メッセージを掲示してもらえないかと考えました」と、同課の櫻井光治さん。
これまで、オレオレ詐欺などの特殊詐欺の解決に協力してくれたことがある店舗への訪問を、先週末(2020年4月3日)から新たにスタートしたといいます。
シニア世代を対象としたオレオレ詐欺・特殊詐欺への注意喚起はもちろん、新型コロナウイルス感染対策に乗じた詐欺未遂の報告も聞かれるといい、「犯人たちはあらゆる状況をも利用して騙(だま)そうとします。これまでとは異なる切り口にも注意してください」(櫻井さん)と、かつてない現在の情勢に乗じた犯人の手口に乗らないようにと呼び掛けます。
また、特に注意してもらいたいというのが、新型コロナウイルスの感染防止策で、長い時間在宅せざるを得なくなっている「子どもたちの安全」。
子どもたちを狙う犯罪対策として、「玄関や窓の施錠を徹底するのはもちろん、不用意に電話やインターホンに出ないようにすること、外出するときは防犯ブザーを携帯するといった対策が有効です」と櫻井さん。
なにかあった際、「逃げ込める場所」を事前に確認したり、緊急時に通報する相手を決めておいたりといった方策についても「いざという時にも対応できるよう、あらかじめ家族で話し合ってもらえれば」と、春先に増えるともいわれる不審者への対策も万全にしてもらいたいと語ります。
「不審者などを発見したら、港北警察まで速やかに連絡を。安心・安全に地域の皆さんが過ごしていけるよう、(新型コロナウイルスの影響を受ける)こういった時世だからこそ、防犯対策の必要性を訴えていきたい」と、原さん・櫻井さんは、港北区での一人ひとりの犯罪防止に向けた対策強化を広く呼び掛けています。
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