全国大会出場校の放送部員による「アナウンス」で、詐欺撲滅を訴えます。
1969(昭和44)年設立、創立50周年を迎えた神奈川県立港北高校(大倉山7、坂田輝之校長)は、港北警察署(大豆戸町)とのコラボで、放送部員がオレオレ詐欺など「特殊詐欺」への注意を喚起するメッセ―ジをアナウンス録音。
今月(2019年)11月中にも同署の電話保留音として初採用されることになりました。
NHK杯全国高等学校放送コンテスト全国大会には5年連続、全国高等学校総合文化祭(文化庁・全国高等学校文化連盟ほか主催)にも4年連続で出場するなど、「全員が初心者ながら、全国大会優勝という高い目標を目指して日々の練習に取り組んで」(同校のサイトより)いるといいます。
今回録音に臨んだのは、3年生の茂木愛里(あいり)さん、2年生の池田倫奈(りんな)さん、藤代郁乃(あやの)さんの3人。
先週(2019年)10月29日の夕刻、同校の応接室に集まった3人や顧問の生田(いくた)久志さん、可児(かに)綾佳さんや、同警察の担当者らを前に、今、被害が多くなっているというキャッシュカード手交(しゅこう)型、オレオレ詐欺、還付金詐欺や架空請求詐欺の4つの詐欺への注意を喚起する文面を交代で読み上げ、同警察が用意した録音機(ボイスレコーダー)に音源として吹き込む作業を行いました。
「声が思ったように出なかったことがあり、夏休み期間に、生田先生から“感情を120%入れて叫んで”と猛特訓を受けたことが忘れられません」と、茂木さんは、大倉山の子育て施設が主催するイベントで、2年連続で司会を務めた地域のつながりもあったことなども交えながら、同部での日々を懐かしく振り返ります。
(他校の)放送部員だという姉からの影響で放送部の道を選んだという池田さんは、「全国でも(アナウンスの指導で)有名だった生田先生から指導を受けたいと、港北高校に入学しました。実際会ってみたら、すごい先生でした。(先生のすごさを)いつも実感しています」と、自身、今年のNHK杯全国大会で入選(準決勝進出)した背景にある生田さんの指導力を絶賛します。
テレビ番組で紹介されていた放送部の世界に憧れ、同部の扉を叩いたという藤代さんは、「放送部は“運動部”と言われるほどハード。まさかここまで練習が厳しいとは」と、全国大会に出場するための練習の日々厳しさを乗り越えての成果であると感じているといいます。
今年の「特殊詐欺」の発生状況は、港北署管内で42件(2019年9月末現在)、約6600万円と、対前年で被害額は約1億3400万円減ったものの、件数は7件も増加しています。
今回の音声の編集を担当する同警察署生活安全課の櫻井光治さんは、「特にキャッシュカードを預かる手口が非常に多くなっています。くれぐれも気を付けてもらえれば」と、今回の活動を広く知ってもらうことでの詐欺への注意を、広く地域で呼び掛けていく考えです。
【関連記事】
・なりすまし詐欺に要注意、9/13(金)に新横浜の信金で防犯キャンペーン(2019年9月12日)
・横浜銀行とJAバンク職員がお手柄、振り込め詐欺を阻止する「最終局面」金融機関の使命感(2017年10月10日)
・「かもめ~る」作戦で詐欺ストップなるか、新横浜などの15社がはがき寄付(2017年7月28日)
・オレオレや還付金詐欺の拡大阻止へ港北区内の市バスも協力、啓発ポスター掲出(2017年6月19日)
・街での声かけで振り込め詐欺を阻止、功労者は超高齢化社会で注目の地域ケアプラザ(2016年7月30日)
【参考リンク】
・部活動REPORT(同)※各部へのリンクや受賞についてなど
・思港会-神奈川県立港北高等学校 同窓会 ※横断幕の寄贈や、創立50周年記念式典・祝賀会の開催についてなど