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【沿線レポート】横浜駅のもっとも反町駅・東神奈川駅寄りに位置する神奈川区鶴屋町で43階建ての再開発ビル「ザ・ヨコハマフロント(THE YOKOHAMA FRONT)」が今年(2024年)3月までに完成し、来週6月20日(木)には商業施設やホテル、最上階の複合施設などがオープンします。

43階建て再開発ビル「ザ・ヨコハマフロント(THE YOKOHAMA FRONT)」の外観、写真右側手前が横浜駅西口の駅ビル「JR横浜タワー」(ザ・ヨコハマフロント提供)

ザ・ヨコハマフロントは、今から20年前の2004(平成16)年まで地上部を走っていた東急東横線の線路跡と、線路周辺にあった相鉄バスの拠点跡や中小ビル跡も合わせた6687平方メートル超の跡地に建てられた高層複合ビル。

敷地の所有者はおおむね4割東急グループ、4割相鉄グループで、残る2割周辺の中小ビルオーナーだといい、これらの権利者が「横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発組合」を組織し、ザ・ヨコハマフロントの建設を進めてきました。

多くのフロアは分譲マンション「ザ・ヨコハマフロントタワー」となっている(ザ・ヨコハマフロント提供資料)

ビル内の大半のフロア(5階・13階~41階)は販売価格1億円以上分譲マンション「ザ・ヨコハマフロントタワー(THE YOKOHAMA FRONT TOWER)」(459戸)として販売を終了。

一方、1・2・4階を商業施設、3階はクリニックモール、6階から12階までを相鉄グループの「相鉄ホテルズ ザ・スプラジール横浜」とし、最上階となる42階は会員制ワーキングラウンジやカフェ・バーなどの複合施設フラグヨコハマ(Vlag yokohama)」としています。

先行して5月1日にオープンしたクリニックモール(3階)に続き、来週6月20日(木)商業施設やホテル、最上階にある複合施設の開業が決まりました。

低層階は飲食店を中心に誘致

横浜駅西口とつながる歩行者デッキ部(写真右側)と1階の一般道部に出入口がある(6月11日)

ザ・ヨコハマフロントの商業施設部分とクリニックモールは、株式会社相鉄ビルマネジメント(西区南幸2)が運営を担当し、1・2階と4階に飲食店13テナントに加え、ブランド品買取店(2階)とヘアサロン(4階)を誘致。

1階と2階には、回転寿司の「スシロー」や「喫茶室ルノアール」といった著名チェーンを含め“路面店”をイメージしたカジュアルな飲食店が並びます。

1階と2階はカジュアルな飲食店を誘致し、多くが6月20日(木)にオープンする。なお4階にはホテルロビー・ラウンジ内にもカフェ・ベーカリーと飲食店がある(ザ・ヨコハマフロント提供資料)

4階はホテル「ザ・スプラジール横浜」の出入口と直結しており、鉄板焼き店とヘアサロンに加え、ホテル側には和食を中心とした「酢重(すじゅう)ダイニング」と、JR横浜タワー内でも営業しているベーカリーカフェ「THE CITY BAKERY(ザ・シティベーカリー)」が出店。

4階の「相鉄ホテルズ ザ・スプラジール横浜」内にはカフェ・ベーカリーも(6月11日)

これらの店舗のうち7月以降に開業を予定する飲食店4店とヘアサロンを除き、6月20日にフロア全体がオープンします。

なお、3階のクリニックモールは、6つの医院をはじめ、調剤薬局と小規模保育園があり、こちらは5月1日にオープンしました。

相鉄系ホテルは中長期滞在も対応

相鉄ホテルズの「ザ・スプラジール(THE SPLAISIR)」ブランドとしては国内初出店となった(6月11日)

株式会社相鉄ホテルマネジメント(西区北幸2)によるホテルザ・スプラジール横浜」は、同ブランドとしては国内初出店となりました。

4階に設けられた出入口は、書架に囲まれたロビーラウンジが印象的で、計221の客室(ダブル164室、ツイン57室)は、すべてにセパレートタイプの浴室を設けているのが特徴。

ザ・スプラジールのロビー・ラウンジは書斎のような雰囲気(6月11日)

また、11階と12階には中長期滞在者向けにキッチンや電子レンジ、洗濯機などの生活家電を備えた「サービスアパートメント」タイプの部屋も設置されています。

海が一望できる最上階の複合施設

最上階の「フラグヨコハマ(Vlag yokohama)」からは横浜港が一望できる(6月11日)

ビルの最上階となる42階は「フラグヨコハマ(Vlag yokohama)」と名付けられた複合施設とし、会員制ワーキングラウンジやカフェ・バー、法人登記も可能なプライベートオフィスに加え、最大135人を収容できるイベントスペース(貸しホール&スタジオ)も設けられました。

フラグヨコハマにはセミナーやイベントなどに使える貸しホール&スタジオがある(6月11日)

フラグヨコハマ内のカフェ・バー「mequ(メク)」は海側に位置し、7時から0時まで営業。会員外でも利用が可能(6月11日)

目の前に広がる横浜港の眺望が特徴的で、主にビジネス会員向けの施設ですが、「mequ(メク)」と名付けられたカフェ・バーは会員外の利用も可能です。

なお、6月20日(木)から30日(日)までの期間(23日・29日は休館)は「オープンデイ」と題し、事前予約すれば会員制のワークラウンジなどの見学が可能となっています。

東横線の線路跡に歩行者デッキ

フラグヨコハマの最上階から見た横浜駅西口、26階建ての駅ビル「JR横浜タワー」でさえ低いように見える(6月11日)

ザ・ヨコハマフロントは、横浜駅がある西区ではなく、神奈川区側の鶴屋町に位置しているのが特徴で、アクセス時は区境となっている帷子(かたびら)川分水路を超える必要があります。

一般道では、東急東横線・みなとみらい線ホームのもっとも渋谷寄りに位置する「きた西口」から同水路に掛かる鶴屋橋を経由して徒歩3分ほどの距離。

かつて東横線が走っていた線路沿いには歩行者デッキ「はまレールウォーク」が整備され、横浜駅西口の駅ビル「JR横浜タワー」から「ザ・ヨコハマフロント」を経由してもっとも反町寄りにある「JR横浜鶴屋町ビル」(シァル横浜アネックスなど)を結ぶ(ザ・ヨコハマフロント提供資料)

また、旧東横線の線路跡に沿って歩行者デッキはまレールウォーク」が整備され、横浜駅からは雨に濡れることなくアクセスできるようになりました。

はまレールウォークは、駅西口で2020年6月に完成した26階建ての駅ビル「JR横浜タワー」(ニュウマン[NEWoMan]横浜、シァル[CIAL]横浜など)直結しており、ザ・ヨコハマフロントを経て、もっとも反町駅・東神奈川駅寄りにある「JR横浜鶴屋町ビル」(食品スーパー文化堂などの店舗を備えた「シァル[CIAL]横浜アネックス」が入るビル)までつながっています。

なお、JR横浜鶴屋町ビルの先、台町入口交差点を横断すると、東横線の線路跡を整備した「東横フラワー緑道」があり、横浜駅西口から反町駅まで旧東横線跡に沿って歩行者用の道を歩くこともできます。

ザ・ヨコハマフロントの位置図、駅のある西区ではなく神奈川区に位置するが、東横線ホームの渋谷寄りに近い「きた西口」からは徒歩3分ほどの距離(横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発組合の2020年8月資料より)

今回の“相鉄・東急高層ビル”が完成したことで、横浜駅西口に多数の商業施設やビルを展開する相鉄グループが神奈川区側にも商業拠点を置くことになり、東急グループは屋上の複合施設フラグヨコハマの運営に関与することで渋谷以外にもベンチャー企業などの交流拠点を広げることになりました。

)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です

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相鉄・東急「クリエイティブラウンジ」、横浜駅近くの高層ビル最上階に(横浜日吉新聞、2024年1月22日)

横浜駅至近の“相鉄・東急タワービル”、下層階の商業エリアも両社で取得(2023年8月7日)

【参考リンク】

THE YOKOHAMA FRONT(ザ・ヨコハマフロント)(1~4階の商業施設・クリニックモールのガイド)

THE YOKOHAMA FRONT 42階「Vlag yokohama(フラグヨコハマ)」(最上階のクリエィティブラウンジ)

THE YOKOHAMA FRONT 4階・6階~12階「相鉄ホテルズ ザ・スプラジール横浜」(宿泊特化型のホテル)