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新横浜の「オフィス空室率」が9.82%まで上昇しました。賃貸オフィス仲介大手の三鬼(みき)商事株式会社(東京都中央区)は先月(2022年)5月分の横浜市内4地区(関内/横浜駅/新横浜/みなとみらい)のオフィス平均空室率を発表し、新横浜では2016(平成28)年4月以来となる9%台に達しています。

新横浜のオフィスにおける平均空室率は、先月4月分は6.22%だったため一気に3.60ポイント上がることになりました。

昨年6月まではあった「RICOH(リコー)」のマークが取り外され、ビル名も変わった20階建ての旧「ユニゾ新横浜ビル」(6月13日)

三鬼商事によると、これは昨年6月まで「リコー新横浜事業所」として使われていた新横浜3丁目の大型ビルでテナント募集が始まったことを機に空室として計上したため、平均空室率が急上昇する形になったといいます。

環状2号線を挟んで横浜アリーナの正面付近に位置するこの大型ビルは、当時の常和(じょうわ)興産株式会社(現ユニゾ不動産)が1970年代後半から所有していた3700平方メートルの敷地を使い、1993(平成5)年7月に建てた地下3階・地上20階建てという規模。当初からビルのほとんどがリコーの新横浜事業所として使われていました。

最初のビル名称は「常和新横浜ビル」でしたが、所有者の社名変更により「ユニゾ新横浜ビル」に変わり、昨年(2021年)4月には外資系ファンドの「PAGインベストメント・マネジメント」が推定160億円で取得したことを三菱UFJ信託銀行の「不動産マーケットリサーチレポート」(2021年9月15日号)が伝えています。なお、三菱UFJ信託銀行は同ビルの信託に関わっていたことがあります。

低層階でリニューアル工事が行われている「EPIC TOWER SHIN YOKOHAMA(エピックタワー新横浜)」(6月13日)

昨年6月末のリコー新横浜事業所の閉鎖後に始まったリニューアル工事中は「新横浜ビジネスタワー」という名称も使われていましたが、現在は「EPIC TOWER SHIN YOKOHAMA(エピックタワー新横浜)」との名でテナントを募集中です。

現時点(2022年6月14日)でインターネット上に掲載されているテナント募集を見ると、1階から19階までフロアごと(約141坪~約364坪)に募集が行われ、最上階となる20階のフロアは掲載されていません。賃料は「相談」や「問い合わせ」とし、入居可能時期は8月と記載しています。

賃貸オフィス市場の関係者は、「新横浜のオフィス入居状況は、良いとは言えないが悪いわけでもない。エピックタワーは20階建てと大規模なビルだが、新横浜にある他の大型オフィスビルと比べても極端に大きくはなく、賃料などの条件次第で埋めることはできるのではないか」と話していました。

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【参考リンク】

オフィスマーケットデータ「横浜ビジネス地区/2022年5月時点」(三鬼商事)