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年度末までに東横線座席指定車両を導入する計画です。

東急電鉄は先週(2023年)5月11日に総額431億円規模の設備投資計画を発表し、2023年度も駅や車両といったサービス面の拡充、安全対策など鉄道インフラの維持・更新を引き続き積極的に行っていく考えです。

法(のり)面補強による対策の例(東急電鉄のニュースリリースより)

このうち、自然災害対策やテロなどに備えたセキュリティ強化といった安全対策面に339億円を投資し、法面補強による土砂災害対策や、大雨時の各設備や駅構内への浸水を防ぐための工事、耐震補強工事などを実施。

また、2020年7月から車内に設置している車内防犯カメラは状況をリアルタイムで把握できるよう高機能化を進めるといいます。

車内の防犯カメラは2020年7月から蛍光灯部分(写真上部)に設置されている(2020年7月撮影)

駅ではホームと車両の段差・隙間縮小の推進、トイレの新設工事や複数駅でのリニューアル工事などを行っていく方針です。

一方、サービス面では昨年から東横線への導入方針を明らかにしていた有料の座席指定サービスQシート(Q SEAT)」は今年度中に開始する計画。

Qシートはすでに大井町線の大井町駅から田園都市線の長津田駅間で2018年12月から導入されており、一部列車に2人掛けの「クロスシート」となっている車両を1両連結し、1乗車あたり500円(当初は400円)を別途支払うことで確実に着席することができるというもの。

すでにQシート車両は東横線に投入されており、2人掛けシートを窓に背を向けるロングシートの形に変えて運行している。写真の羽沢横浜国大駅のように東横線との相互直通運転する路線でも走る(2023年4月)

東横線では10両編成のうち2両を座席指定のQシートとする予定です。

なお、東横線では2017(平成29)年3月から土曜日や休日などに全車指定席の観光列車Sトレイン(S-TRAIN)」(みなとみらい線~横浜~渋谷~西武秩父)も運行しており、駅の自動券売機でも指定券が購入できるようになっています。

このほか、多様な乗車サービスを迅速に提供することを目指し、QRコード・クレジットカードのタッチ決済を活用した乗車サービスに関する実証実験を今年夏から始める計画です。

東急電鉄の設備投資額は、2019年度に619億円の規模でしたが、新型コロナウイルス禍の影響で2020年度は250億円に減少。翌2021年度から435億円まで回復し、昨年度は444億円、今年度は前年度並みの431億円となりました。

【関連記事】

・【前年記事】東急が設備投資計画、ホーム「隙間」縮小や有料着席サービス拡充も(横浜日吉新聞、2022年5月16日)

<東急2023年3月期>交通事業が黒字回復、輸送人員は電鉄10%増、バス7%増(横浜日吉新聞、2023年5月15日)

【参考リンク】

東急電鉄「中期事業戦略」(2021年度からの3カ年計画)