新横浜のオフィス空室率がついに5%を突破しました。賃貸オフィス仲介大手の三鬼(みき)商事株式会社(東京都中央区)は、先月(2021年)7月分の横浜市内4地区のオフィス平均空室率を発表し、新横浜地区は前月より1.71ポイント上昇して5.55%に達し、4年前の2017(平成29)年8月(5.30%)以来の5%台となりました。
三鬼商事の調査によると、新横浜のオフィス空室率は一昨年(2019年)12月に1.67%を記録するなど、賃貸オフィスに空きがほとんど見つからない状態でしたが、昨年(2020年)春に始まった新型コロナウイルス禍によって空室がじわじわ増加。
昨年5月に空室率が2.12%となり、今年(2021年)2月には3.22%に達し、その後も上がり続けて7月に5.55%まで上昇したものです。
オフィス賃貸事業の関係者によると、今回の空室率は新横浜で富士通グループ企業の撤退が相次いだことが影響しているといい、株式会社リコーの新横浜事業所(ユニゾ新横浜ビル、6月末閉鎖)の撤退分はまだ含まれていないといいます。
「5%台というのは賃貸オフィスの空室率として平均的であり、決して悪い数値ではない」(同)というものの、「今後、リコーの撤退分を含めれば、新横浜の空室率はさらに高くなるだろう」(同)との見方を示しました。
一方、新横浜の中心部にビルを持つオーナーの一人は、「リーマンショック後の2009年から10年頃には新横浜の空室率が20%近くに達したこともあった」と振り返り、「1990年代の後半もビル新築が相次いで高い空室率だったが、10年に一度くらいはこういう“悪い波”に見舞われてしまうのかもしれない」と話します。
そのうえで、「新型コロナ禍の影響は計り知れないが、新横浜は相鉄・東急直通線の新駅開業が控えるなど街のインフラ整備が進んでいるので、そんなに悲観はしていない」と前を向いていました。
なお、横浜市内4地区(関内/横浜駅/新横浜/みなとみらい)の平均空室率は4.34%で、前月比0.35ポイント上昇となり、4地区のなかでは新横浜の5.55%がもっとも高い空室率となっています。
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