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現時点では新宿方面以外への運行の予定はないが、開業後の利用状況を見極める――。今年(2019年)11月30日に開業する「相鉄・JR直通線」のJR側の行先について、JR東日本が見解を示しました。横浜市などの県内自治体で構成する「神奈川県鉄道輸送力増強促進会議」の要望書に回答したものです。

11月30日の「相鉄・JR直通線」開業時点では、品川や東京方面へは行かず、新宿方面へのみ運行する(相鉄とJR東日本のニュースリリースより)

同促進会議は2018(平成30)年度の鉄道会社に対する要望書のなかで、相鉄・JR直通線の品川・東京方面への乗り入れについて、「一層の利便性向上とともに、沿線地域の活性化や、事故や災害時における代替経路の確保などの効果が期待できますので、検討されるよう要望いたします」としました。

これに対しJR東日本は、「神奈川東部方面線(相鉄・JR直通線)の運行体系については、既認定の速達性向上計画に定められている通り、新宿方面への運行を基本として、関係事業者間で調整を進めております。弊社ではこの方針に基づき、運行が予定されている線区に関して弊社独自で運行本数の増加に対応するための改良工事等を進めているところです」と説明。

そのうえで、「現時点では新宿方面以外への運行の予定はございませんが、開業後のご利用状況を見極めてまいります」と回答。開業時点では、品川や東京方面への乗り入れは行わないものの、開業後の利用者数によっては検討することに含みを持たせました。

鶴見駅停車や海老名発の「特急」も要望

「相鉄・JR直通線」用の新型車両や開業日を発表する相鉄の滝澤秀之社長(左)とJR東日本横浜支社の廣川隆支社長(3月28日、相鉄かしわ台車両センター=海老名市)

また、東海道本線や横須賀線、相鉄・JR直通線などの「中距離電車」を鶴見駅へ停車を求める同促進会議の要望に対してJR東日本は、「駅構内にホーム新設スペースがないことから大規模な施設改修が伴うことや、貨物輸送への影響が大きいことなどから関係自治体のご協力が不可欠である長期的な検討課題と考えております」と前年同様の見解を示しました。

一方、相模鉄道(相鉄)に対し、海老名駅から東京都心部方面への特急電車の運転を求めたことについて相鉄は、「直通線の効果を最大限に発揮することを念頭においた輸送計画を策定してまいります」と前向きな回答を行い、前年にはあった「検討材料とさせていただきます」との一文が無くなっていました

【関連記事】

<横浜市>「相鉄・JR直通線」の品川方面乗り入れと鶴見駅への停車は諦めず(2019年2月27日)

相鉄・JR直通線は1日46往復、相鉄は新型車、JRは「埼京線」車両で運行(2019年7月17日、運行本数や車両、停車駅が決定)

【参考リンク】

神奈川県鉄道輸送力増強促進会議「平成30年度の要望及び鉄道事業者からの回答」(神奈川県)

都心直通プロジェクト(相鉄・JR直通線の詳細やキャンペーン情報など)