初参入の2023年はすべてのレースを完走し、ポイントが獲得できたことは来季につながる成果といえそうです。
今シーズンから自動車レース「スーパーGT(SUPER GT)」に参入したアネスト岩田株式会社(新吉田町)の「アネスト岩田レーシング」(武田克己総監督)は、今月(2023年)11月5日に最終戦を終え、17位というチーム成績を残しました。
栃木県茂木町(もてぎまち)の「モビリティリゾートもてぎ」(300キロ)で開かれたシーズン最終戦でアネスト岩田レーシングは、13台で争われた予選A組(9位以下は脱落)を7位で突破。A・B組を勝ち抜いた16台による予選2回目では1回目を上回るタイムを叩き出したものの順位は15位にとどまり、翌11月5日の決勝では15番目のスタート位置となりました。
「このレースウィークは、クルマのパフォーマンスが足りず、自分たちには正面からライバルと闘うだけのペースがないとわかっていた」(イゴール・大村・フラガ選手)と決勝レースでは、スタートドライバーのフラガ選手が最大限までハンドルを握って周回を重ねながら順位を上げていく作戦を選択。
他の車が次々とピットに入って給油・タイヤ交換やドライバー交代を行うなかでもフラガ選手は走り続け、ピット時間をロスしていないことから32周目には見かけ上の順位が2位にまで上がります。
ただ、想定よりもペースは上がらなかったといい、タイヤのグリップ力も落ちてきたことから34周目でピットに入ってタイヤを交換し、古谷悠河(ふるたにゆうが)選手に交代。コースに戻った時点で15番手となっていました。
残り周回が10周ほどになったころにコースの一部では局地的な雨に見舞われ、「ドライタイヤでは濡れた路面で滑るし、レインタイヤでは乾いた路面でタイヤが傷んでしまうという難しいコンディション」(古谷選手)に陥ります。
チームは思い切ってレインタイヤに交換して18番手からペースアップを狙いましたが、今度は雨が止んで路面が乾き出し、最終的にはトップから1周遅れの17位でレースを終えました。
この結果、アネスト岩田レーシングが全8戦で獲得した「チームポイント(1位~3周遅れまでの完走時に付与)」は27となり、27チーム中17位。また、フラガ・古谷組の「ドライバーランキング」(1~10位のみ付与)は5ポイントで26ドライバー中23位でした。
初のシーズンを振り返り武田総監督は、「今は予選でQ2(予選2回目)進出が当たり前ですし、決勝レースでも常にトップ10が狙える状況に成長したと感じます」と手ごたえを語ります。
大雨のような天候に見舞われた4月の第1戦から今回の最終戦まで、すべてのレースで完走してポイントを獲得。第5戦では10位、続く第6戦に7位で入賞したこととあわせ、2年目の来季につながる成果といえそうです。
来シーズンのスーパーGTは、来年(2024年)4月13日・14日の「岡山国際サーキット」での第1戦から幕を開け、11月2日・3日の「モビリティリゾートもてぎ(栃木県)」での第8戦まで全国6カ所で全8レースが予定されています。
アネスト岩田レーシングでは、来年2月にもイベントを開いて来季への参戦体制を発表したい考えです。
ANEST IWATA Racing RC F GT3(50号車)の2023年戦績
(※)サクセスウェイトは前レースで上位10位まで入ったチームにはハンディとして次のレースで一定数の重り(ウエイト)を積まなければならない。ただし最終戦(第8戦)では全車がゼロとなる
■2023年チームランキング
- ANEST IWATA Racing RC F GT3:27ポイント(17位/27チーム中)(詳細)
※1位~完走(3周遅れまで)の場合、最大で25ポイントから最小1ポイントまでが付与される
■2023年ドライバーランキング
- I.オオムラ・フラガ/古谷悠河:5ポイント(23位/26ドライバー中)(詳細)
※1位~10位に入賞の場合、最大で21ポイントから最小1ポイントまでが付与される
▼11月4日・5日:Round8「モビリティリゾートもてぎ(栃木)」(300km)
- 決勝:17位/25台中(1周差)(詳細)
- 予選:15位/25台中(予選1回目A組7位)
▼10月14日・15日:Round7「オートポリス(大分)」(450km)
- 決勝:11位/25台中(2周差)(詳細)
- 予選:15位/25台中(予選1回目A組5位)
※サクセスウェイト:8kg
▼9月17日・18日:Round6「スポーツランドSUGO(宮城)」(300km)
- 決勝:7位/25台中(1周差)(詳細)
- 予選:20位/25台中(予選1回目A組10位=予選2回目へ進めず)
※サクセスウェイト:3kg
▼8月26日・27日:Round5「鈴鹿サーキット」(450km)
- 決勝:10位/25台中(1周差)(詳細)
- 予選:5位/25台中(予選1回目A組5位)
▼8月5日・6日:Round4「富士スピードウェイ」(450km)
- 決勝:19位/27台中(1周差)(詳細)
- 予選:8位/27台中(予選1回目A組3位)
▼6月3日・4日:Round3「鈴鹿サーキット」(450km)
- 決勝:17位/27台中(1分14秒910差)(詳細)
- 予選:15位/27台中(予選1回目B組1位)
▼5月3日・4日:Round2「富士スピードウェイ」(450km)
- 決勝:14位/26台中(2周差)(詳細)
- 予選:17位/26台中(予選1回目B組9位=予選2回目へ進めず)
▼4月15日・16日:Round1「岡山国際サーキット」(300km)
- 決勝:12位/27台中(1周差)(詳細)
- 予選:7位/27台中(予選1回目A組4位)
【関連記事】
・【過去記事】<アネスト岩田レーシング>チーム最高の7位に、予選不調も本戦で大逆転(2023年9月28日、1ケタ台の順位も記録)
・【参入時の記事】新吉田のアネスト岩田、自動車レース「Super GT」挑戦で未来を切り拓く(2023年2月14日)
【参考リンク】
・アネスト岩田レーシング(ANEST IWATA Racing)の公式サイト(レースレポートも)