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これまでで最も悪い「20番目」という不利なスタート位置から怒涛の走りとチームの見事な戦略で、ついに順位を1ケタ台に乗せています。

今年(2023年)4月から自動車レース「スーパーGT(SUPER GT)」に参戦しているアネスト岩田株式会社(新吉田町)の「アネスト岩田レーシング」(武田克己総監督)は、9月17日・18日に宮城県村田町の「スポーツランドSUGO(すごう)」で開かれた第6戦で25台中7位に入り、過去最高位を更新しました。

20番手のスタートから8番手で決勝レースを終えた「ANEST IWATA Racing with Arnage(アネスト岩田レーシング・ウィズ・アルナージュ)」の50号車(アネスト岩田レーシング提供)

8月下旬に鈴鹿サーキットで行われた第5戦で25台中10位となり、今回のレースで上位入賞の期待がかかっていたアネスト岩田レーシング。

ところが初日の予選では、直前に雨が降ったことからレインタイヤを選択して臨んだものの、雨が止んで路面が乾燥を始め、タイヤのグリップが弱くなり苦戦。予選の結果により、翌日のスタートは25台中20番手という厳しい位置に追いやられて決勝レースを迎えました。

タイヤ交換やドライバー交代などチームの戦略と決断が結果を大きく左右することに(アネスト岩田レーシング提供)

決勝レースでは、徐々にペースを上げつつあるなか、半分にも満たない26周目でドライバーの交代を決断。左側2つのタイヤ交換と給油を終えてレースに復帰したところで、他の車にトラブルが発生し、一時中断に見舞われます。

再開後、徐行での走行が行われている間にチームは二度目のタイヤ交換を決断。順位を大きく下げる可能性もあるピット時間のロスと引き換えに、タイヤを新しくして走行タイムを上げようという作戦に出ました。

中盤以降は新たなタイヤで次々と順位を上げていった(アネスト岩田レーシング提供)

「チームのみんながめちゃくちゃ悩んでいるのが無線でわかりましたが、何かやらないと前へはいけない」(2番手ドライバーをつとめたイゴール・大村・フラガ選手)と悩み抜いた戦略が奏功し、フレッシュなタイヤをはいたマシンでフラガ選手のペースはみるみる上昇

福島県と秋田県にあるアネスト岩田の工場から駆け付けた100人の応援団が見守るなか、アネスト岩田レーシングの50号車は中盤以降に順位を上げ続け、78周を走り終わってみれば上から8番目の位置。

レース後、先発ドライバーをつとめた古谷悠河(ふるたにゆうが)選手(右)と笑顔で握手するフラガ選手(アネスト岩田レーシング提供)

レース後の車検で上位の車に失格が出たため、最終順位は過去最高位を更新する7位という結果になりました。

武田総監督は「シリーズポイントが獲れる10位以内に入るだけでも大変だとは思っていたんですが、2戦連続でポイントを獲得し、しかも今回はチームとして最高位の7位入賞ですから大戦果」と喜びつつも、「右側タイヤの交換をもう1周早く決断していたらひょっとしたら表彰台も見えたのではないか」ともコメント。

ドライバーの小山美姫(みき)選手(右)とともに戦況を見守る武田総監督(左後)(アネスト岩田レーシング提供)

次のオートポリス(第7戦が開かれる大分県のレース場)もうちとしては可能性があるコース特性なので、楽しみは先にとっておくことにします」と自信を見せていました。

次回のレース(第7戦)は10月14日(土)・15日(日)大分県日田市「オートポリス」(450キロ)で行われ、今シーズンの最終戦は11月4日(土)・5日(日)に栃木県茂木町の「モビリティリゾートもてぎ」(300キロ)で開かれます。

アネスト岩田レーシングにとって初挑戦のスーパーGTも残すは2戦。20チーム以上の強敵がひしめく「GT300クラス」で満足できる結果を残したいところです。

4月に始まったシーズンも残るは2戦となる(アネスト岩田レーシング提供)

ANEST IWATA Racing RC F GT3(50号車)の戦績

▼4月15日・16日:Round1「岡山国際サーキット」(300km)

予選:7位/27台中(予選1回目A組4位)
決勝12位/27台中(1周差)(詳細

▼5月3日・4日:Round2「富士スピードウェイ」(450km)

予選:17位/26台中(予選1回目B組9位=予選2回目へ進めず)
決勝14位/26台中(2周差)(詳細

▼6月3日・4日:Round3「鈴鹿サーキット」(450km)

予選:15位/27台中(予選1回目B組1位)
決勝17位/27台中(1分14秒910差)(詳細

▼8月5日・6日:Round4「富士スピードウェイ」(450km)

予選:8位/27台中(予選1回目A組3位)
決勝19位/27台中(1周差)(詳細

▼8月26日・27日:Round5「鈴鹿サーキット」(450km)

予選:5位/25台中(予選1回目A組5位)
決勝10位/25台中(1周差)(詳細

▼9月17日・18日:Round6「スポーツランドSUGO」(300km)

予選:20位/25台中(予選1回目A組10位=予選2回目へ進めず)
決勝7位/25台中(1周差)(詳細

▼今後の日程

【関連記事】

・【前回記事】<アネスト岩田レーシング>創設以来の最上位「10位」で入賞、秋の3戦に期待(2023年9月6日)

・【参入時の記事】新吉田のアネスト岩田、自動車レース「Super GT」挑戦で未来を切り拓く(2023年2月14日)

【参考リンク】

アネスト岩田レーシング(ANEST IWATA Racing)のX(旧Twitter)(最新情報など)

「ANEST IWATA Racing with Arnage(アネスト岩田レーシング・ウィズ・アルナージュ)」の紹介ページ(SUPER GT VIDEO Online)