小学校の校舎に浮かび上がるプロジェクションマッピングで、「ふるさと祭り」復活への感謝の想いを伝えます。
横浜市立太尾小学校(大倉山7)は、きのう(2022年)8月27日(土)午後、最後に開催された2019年以来、3年ぶりとなる「第12回太尾小学校ふるさと祭り」を開催。
新型コロナウイルス感染症の影響から、低学年(1~3年生)と高学年(4~6年生)児童の入場を前半、後半と分けるなど、初の2部制でおこなったほか、参加者を児童と保護者、卒業生に限定しおこなわれました。
2009(平成21)年に初開催されて以来、新型コロナ禍により過去2年間の開催を断念してきた同祭り。
同小学校エリアにある11の自治会・町内会や放課後キッズクラブ、太尾第二学童保育クラブ(大倉山3)や、地元金融機関の横浜信用金庫大倉山支店(大倉山5)などもテント出店し、3年ぶりのイベント開催を盛り上げます。
例年とは異なり、「食べ物の販売は控えてゲームを企画し、熱中症対策から飲み物は販売しました」と、今年4月から同小学校学校運営協議会の会長に就任した大倉山地区連合町会副会長(太尾親和町会会長)の竹﨑理浩さん。
4年生から6年生まで26人の児童からなる実行委員会が話し合いを重ね、率先して運営を担ってきたといい、太尾小学校を核とした、まちづくりと防災教育を推進する「ふるさと太尾構想」(2015年策定)の理念に基づき、今回の祭りも実施に至ったと説明します。
「港北区全体が、私立中学校に通う児童も多い土地柄。ふるさと祭りに、多く卒業生たちが“ふるさと”と感じ、戻ってきてくれることが本当に嬉しいですね」と、ちょうどコロナ禍の2020年からPTA会長を務める中川譲さんも、“子どもたちのため”の祭りを復活できたこと、また自身にとっても、事実上初となる「地域とのコラボイベント」をようやく実施できたことを喜びます。
「プロジェクションマッピング」でラスト彩る
3年ぶりの「ふるさと祭り」開催への感謝の想いを伝えようと、6年生1クラスの児童36人が「プロジェクションマッピング」の制作に初めて挑戦。
約7分間の映像作品を投影、祭りが復活したことへの“感謝の想い”を「巨大スクリーン」と化した校舎に映した作品を通じて披露し、参加者の大きな拍手を浴びていました。
「総合的な学習の時間」におこなわれたプロジェクションマッピングの制作では、映像企画を手掛ける株式会社AOI Pro.(アオイプロ、東京都中央区)などと連携。
横浜市教育委員会が主催する職業体験・起業や企業との交流などについて学び、社会で生きていくための力を育むというキャリア教育「はまっ子未来カンパニープロジェクト」の取り組みとして実施されました。
学級担任を務める怒和(ぬわ)明子教諭は、「授業のゴールは来年(2023年)2月を予定していたのですが、今回の“ふるさと祭り”にあわせて作品を制作しました」と、祭りの復活を祝う映像作品として仕上げたことを説明します。
「サプライズセレモ二ー」として上映した今回の作品について、投影前にクラスの児童が「プロの技術を教えていただいた」、「たくさんのアプリの使い方を教えてもらった」と、制作秘話を披露。
作品は「海の魚たちの世界」からはじまり、地上に上がった妖怪たちが「ふるさと祭り」を楽しむシーンを華やかに演出。最後に「銀河鉄道に乗って中惑星にたどりつく」というストーリーとして仕上げたことについても紹介していました。
「これまでお世話になった人々や地域の皆様への感謝の想いを届けることができれば」と怒和教諭。
作品の中では「ふるさと祭り復活」の文字とともに大輪の花火が開くシーンや、提灯で彩る「ふっかつおめでとう」の文字、映像の最後には「来年また会おう」との文字も浮かび上がっていました。
「今の子どもたちがアプリなどITツールを使いこなす姿は、大人たちからすると本当に驚く技術に感じます」と、館雅之校長。
太尾小学校に「戻ってきた」、地域と子どもたちの新たなチャレンジは、“ふるさと太尾”での貴重な夏の想い出の一シーンとして、一人ひとりの心に深く刻まれることになりそうです。
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【参考リンク】
・横浜市立太尾小学校のサイト ※「ふるさと太尾構想」についてのリンクも