12年に一度の機会は、残り一週間となりました。岸根町や小机町、篠原町の3寺院をはじめ、神奈川区や都筑区、保土ヶ谷区など周辺の12寺院で今月(2022年)4月1日から始まった「武南(ぶなん)十二薬師霊場」は4月30日(土)までが開帳期間となっています。
古代に「武蔵国(むさしのくに)」と呼ばれた地域の南部を意味する“武南(ぶなん)”の地にある寺院をめぐる武南十二薬師霊場は、「薬師如来(やくしにょらい)」を本尊とする寺院で、普段は見ることが難しい仏像を拝観できる機会。
書籍「わがまち港北2」によると、江戸時代後期の1779(安永8)年に「貴雲寺」(岸根町)の第9世・泰山和尚(おしょう)が発願して始まり、1782(天明2)年の寅年(とらどし)に最初の開帳が行われたのが最初といわれています。
そのため、岸根町の「貴雲寺」が1番札所(ふだしょ)となっており、2番から4番札所は羽沢、上星川、上菅田町とかつての「城郷(しろさとむら)村」の寺院が続き、5番と6番が小机町に比較的近い都筑区池辺(いこのべ)町と川向町の2寺。
新川向橋のたもとにある6番の「長昌院」から橋を渡った港北区小机の「金剛寺」が7番、続いて篠原町表谷地区にある「長福寺」が8番となり、9番から12番が神奈川区の寺院となっています。
12寺院での開帳は4月30日(土)までの9時から16時30分。期間終了が近づいていますので、今週末やゴールデンウイークの前半となる29日(金・祝)・30日(土)などに巡ってみてはいかがでしょうか。
武南(ぶなん)十二薬師霊場の一覧
開帳期間:2022年4月1日(金)~30日(土)
※寺院名から公式サイトに、「MAP」からグーグルマップへそれぞれリンクしています
- 1番札所:貴雲寺(岸根町614:MAP=岸根交差点に近い「岸根」バス停前)
- 2番札所:東泉寺(羽沢町1635:MAP=「東泉寺前」バス停近く)
- 3番札所:東光寺(薬王山)(保土ヶ谷区上星川2丁目34-1:MAP=「杉山神社前(保土ヶ谷区)」バス停近く)
- 4番札所:福生寺(保土ヶ谷区上菅田町744:MAP=「寺下橋」バス停近く)
- 5番札所:長王寺(都筑区池辺町2827:MAP=「池辺」バス停が最寄り)
- 6番札所:長昌院(都筑区川向町151:MAP=「新川向橋」バス停近く)
- 7番札所:金剛寺(小机町952:MAP=小机駅から徒歩7分、「小机辻」バス停近く)
- 8番札所:長福寺(篠原町2754=表谷地区:MAP=菊名駅西口から徒歩10分、新横浜駅篠原口から徒歩12分)
- 9番札所:薬王寺(神奈川区七島町6:MAP=京急・子安駅から徒歩7分、「大口通」バス停近く)
- 10番札所:能満寺(神奈川区東神奈川2丁目32-1:MAP=東神奈川駅から徒歩6分)
- 11番札所:東光寺(平尾山)(神奈川区東神奈川2丁目37-6:MAP=京急東神奈川駅近く)
- 12番札所:三宝寺(神奈川区台町7-1:MAP=京急・神奈川駅から徒歩5分、東急・反町駅から徒歩8分)
(※)このほか周辺では緑区や都筑区、青葉区、町田市などの25寺院による「武相寅年薬師如来霊場」も4月9日(土)から5月8日(日)まで開帳が行われています
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・<2022年4月>寅年だけ12年に一度の「霊場巡り」、港北区内は11寺院で開帳(2022年3月30日、他の霊場巡りは期間が終了)
・【歴史まち歩き】鎌倉殿や名僧ゆかりの史跡も、小机・鳥山・岸根の古刹と文化財(2022年4月13日、貴雲寺や金剛寺についても)
【参考リンク】
・シリーズわがまち港北「武南(ぶなん)十二薬師霊場」の紹介(連載第137回「12年に一度の霊場巡り~その6」より」)※前回2010(平成22)年開帳時の内容です