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篠原地区センター小机スポーツ会館の「指定管理者」が4月から変わります。港北区では、地区センター5カ所(日吉・新田・綱島・菊名・篠原)と菊名コミュニティハウス、港北スポーツセンター、綱島公園こどもログハウス、老人福祉センター「菊名寿楽荘」、小机スポーツ会館の計10施設で指定管理者の更新時期を迎え、新たに選定が行われました。

港北区が管轄する公共施設23カ所に「指定管理者制度」が導入され、うち22カ所は公募で選んでいる。なお、表のほか横浜市が管轄する大倉山公園(記念館)や新横浜公園、横浜市スポーツ医科学センター、横浜市総合保健医療センター、横浜ラポール、師岡町梅の丘公園、岸根公園、菊名池公園プール、綱島公園プール、各市営住宅などにも導入されている(2021年4月1日時点、横浜市の資料を一部加工)

指定管理者は、地区センターや地域ケアプラザをはじめとした市民向け公的施設運営を地域団体(法人)や民間企業が担う制度。港北区内の各施設では2006(平成18)年4月から順次導入され、5年(1期)ごとに指定管理者を公募する仕組みになっています。

今回選定が行われた10施設は、昨年(2021年)3月末指定管理期間が終了する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で選定作業に支障が出るなどしたため、期間が1年間延長されていました。

10施設のなかで2法人以上が応募して競争となったのは日吉地区センター篠原地区センター港北スポーツセンターの3施設。

日吉地区センター(日吉本町1)は現指定管理者と民間企業1社、篠原地区センター(篠原東2)は現指定管理者と民間企業2社、港北スポーツセンター(大豆戸町)は現指定管理者と公益財団法人1法人が応募していました。

水道道に近い篠原東2丁目にある「篠原地区センター」は、篠原地域ケアプラザと併設している

篠原地区センターでは、現指定管理者のアクティオ株式会社(東京都目黒区)に加え、一般財団法人こうほく区民施設協会(菊名6)と、株式会社アクト・テクニカルサポート(東京都港区)の3法人が応募。

有識者や地域団体の代表者など5人からなる「指定管理者選定委員会」(委員長・長田進慶應義塾大学教授)が3法人からの提案内容を検討しました。

篠原地区センターの公募には3法人が応募し、選定委員の投票により僅差での決定となった(「横浜市港北区地区センター指定管理者選定委員会 選定結果報告書」より)

10項目(825点満点)について各委員が採点した結果、こうほく区民施設協会が656点、アクティオは649点、アクト・テクニカルサポートが611点となり、僅差で現管理者が選ばれず、新たな法人に指定管理者が変わることになりました。

選定委員会は、こうほく区民施設協会について「地元団体である強みを生かし、地域全体を細かく分析した詳細かつ具体的な提案内容」とし、アクティオに関しては「豊富な施設管理実績や企画力の高さを生かした細やかな提案内容ではあったものの、結果として、地元団体の評価を上回ることができず、一歩及ばなかった」と講評しています。

第三京浜道路の高架下、鶴見川に近い小机町にある「小机スポーツ会館」は5年ごとに指定管理者が変わる形となった

小机スポーツ会館は現指定管理者のこうほく区民施設協会が応募せず、シンコースポーツ株式会社(東京都中央区)のみが応募し、次期指定管理者として選ばれました。

同会館では、2006(平成18)年4月に指定管理者制度が導入されて以降、5年(1期)ごとに指定管理者が変わることになります

一方、港北スポーツセンター綱島公園こどもログハウス(綱島台)、菊名寿楽荘(菊名3)はそれぞれ別の選定委員会が選定を担当。

環状2号線に近い大豆戸町にある「港北スポーツセンター」

港北スポーツセンターの公募には、現指定管理者の「シンコースポーツ・東急プロパティマネジメント共同事業体」と、2006年から2016(平成28)年まで同施設の指定管理者をつとめた経験を持つ公益財団法人横浜市スポーツ協会(中区尾上町)が応募。

5人の委員による選定委員会(委員長・齊藤隆志日本体育大学教授)が550点満点で採点した結果、シンコースポーツ・東急プロパティマネジメント共同事業体が443点を得た一方、横浜市スポーツ協会は407点にとどまり、現指定管理者が続いて次期も選ばれました。

次期の指定管理期間は、今年4月1日から2027年3月31日までの5年間。今回、選定が行われた10施設の次期指定管理者は次の通りです。

)カッコ内は応募した法人数

  • 日吉地区センター(現管理者含む2法人):一般財団法人こうほく区民施設協会(菊名6、小島清代表理事)※現在と変更なし
  • 菊名地区センター(現管理者のみ応募):一般財団法人こうほく区民施設協会(菊名6、小島清代表理事)※現在と変更なし
  • 新田地区センター(現管理者のみ応募):一般財団法人こうほく区民施設協会(菊名6、小島清代表理事)※現在と変更なし
  • 綱島地区センター(現管理者のみ応募):一般財団法人こうほく区民施設協会(菊名6、小島清代表理事)※現在と変更なし
  • 篠原地区センター(現管理者含む3法人):一般財団法人こうほく区民施設協会(菊名6、小島清代表理事)【新管理者に変更】
  • 菊名コミュニティハウス(現管理者のみ応募):一般財団法人こうほく区民施設協会(菊名6、小島清代表理事)※現在と変更なし
  • 小机スポーツ会館(新たな法人のみ応募):シンコースポーツ株式会社(東京都中央区、石崎健太代表取締役社長)【新管理者に変更】
  • 横浜市港北スポーツセンター(現管理者含む2法人):シンコースポーツ・東急プロパティマネジメント共同事業体(代表団体・シンコースポーツ株式会社)※現在と変更なし
  • 綱島公園こどもログハウス(現管理者のみ応募):一般財団法人こうほく区民施設協会(菊名6、小島清代表理事)※現在と変更なし
  • 老人福祉センター横浜市菊名寿楽荘(現管理者のみ応募):公益財団法人横浜市老人クラブ連合会(神奈川区立町、島田次雄理事長)※現在と変更なし


<参考:指定管理者をつとめる法人について>


一般財団法人こうほく区民施設協会は、地区センターなどの管理運営権限が市から区へ移されたことを機に、1995(平成7)年から18区それぞれに設けられた「区民利用施設協会」を前身とする法人。現在も区内の自治会・町内会の役員などが理事長や理事をつとめているのはその名残り。


もともと地区センターなど市の地域施設は、地元の自治会や町内会などによる「運営委員会」に運営が委託されていたものの、地域への負担が大きく、その軽減や運営コストの削減を図る目的から、市は運営委員会に携わっていた地域住民を中心に、実務者として市職員OBを紹介するなどして全区に「区民利用施設協会」を組織。地区センターなどの運営を区ごとの同協会
に一括して委託してきました。

一方、2003(平成15)年から横浜市でも「指定管理者制度」が導入されたことで、民間企業・法人も公共施設の指定管理者に応募ができるようになり、「区民利用施設協会」も法人化するなど新たな組織に変更。いち法人として、指定管理者の公募に応募しています。


シンコースポーツ株式会社は、プールや体育施設といった公共スポーツ関連施設の受託管理事業を全国で展開する企業。港北区内では、2016(平成28)年から東急ファシリティサービス(当時、現東急プロパティマネジメント株式会社)と共同事業体を組んで「港北スポーツセンター」の指定管理者に選ばれています。また、2020年4月からは岸根町の「神奈川県立武道館」の指定管理者もつとめます。


公益財団法人横浜市老人クラブ連合会は、市内18区の老人クラブ連合会からなる連合組織で、1963(昭和38)年に設立され、1966(昭和41)年に法人化。「菊名寿楽荘」では指定管理者制度が導入された2006(平成18)年から継続して指定管理者を担っています。

【参考リンク】

港北区「地区センター」等指定管理者(第4期)の公募について(港北区)

横浜市「港北スポーツセンター」指定管理者(第4期)の公募について(港北区)

横浜市「綱島公園こどもログハウス」指定管理者(第4期)の公募について(港北区)

老人福祉センター横浜市「菊名寿楽荘」指定管理者(第4期)の公募について(港北区)

港北区内施設の指定管理者について(各施設の指定管理者一覧)