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「観梅(かんばい)会」は中止でも、大倉山の梅の花は美しく咲き誇ります。

2009(平成21)年の着任以来、梅林に魅了されてきたという林宏美さん。最もおすすめだという「八重旭(やえあさひ)」の花の丸い形を指でポーズし笑顔も(2月8日)

2009(平成21)年の着任以来、梅林に魅了されてきたという林宏美さん。最もおすすめだという「八重旭(やえあさひ)」の花の丸い形を指でポーズし笑顔も(2月8日)

東急東横線大倉山駅から記念館坂を上り徒歩約7分の丘陵地にある大倉山公園(大倉山2)は、46種類、約220本もの梅の木を、約1万1000平方メートル(約1.1ヘクタール)もの広さのエリアで楽しめる観光スポットとなっています。

一昨年前からはじまった新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、昨年(2021年)と今年(2022年)は、この時期の恒例となっていた「大倉山観梅会」が2年連続で開催中止に。

それでも春の到来にあわせ花開く梅の花を愛でようと、この季節には多くの人々が来園

大倉山公園の一角に位置する大倉精神文化研究所(大倉山2)の研究員の林宏美さんも、2009(平成21)年4月に着任して以来、この「大倉山梅林」を歩き、毎年花開く梅の花の美しさに魅了されてきたといいます。

林研究員が勧める「梅の木5選」(写真:2月8日撮影)

林宏美さんが10数年来、大倉山公園で愛でる梅の花について、秀逸と感じる5種類の木を選び、それぞれの魅力を熱く語ります。

(1) 八重旭(やえあさひ)

花弁が多く、小さなボンボンやボールのように丸みを帯びてとてもかわいらしい姿を見せてくれます。花がまとまって咲くところも見どころです。早咲きの梅で、咲いているのを見ると「春が来たな」と感じます。

(2) 楠玉(くすだま)

花のがくに近いところが紅色で、花はピンク、花びらの先端が白っぽい色合いで、まさに「くす玉」のような華やかさ、かわいらしさを感じられるのが特徴です。

(3) 八重寒紅(やえかんこう)

最も早い時期に咲き始めるので、咲いているのを見ると「大倉山に春が近づいているな」と感じます。今年は、今(2月8日)がちょうど見頃となっています。

(4) 月影(つきかげ)

がくが優しい黄緑色で、咲いた白い花が緑がかって見えるところが目を引きます。

(5) 思いのまま

一つの木に、紅の花と白い花が両方咲くところが見どころです。

梅の開花が遅れた場合、「桜の開花が早いと、時期が重なり両方楽しめたこともありました」と林さん。

大倉山公園内には「梅林マップ」も。梅の木には名前が記された札もありわかりやすい。この日(2月8日)もカメラを片手に多くの人々が訪れていた

大倉山公園内には「梅林マップ」も。梅の木には名前が記された札もありわかりやすい。この日(2月8日)もカメラを片手に多くの人々が訪れていた

開花が遅めの今年でも、少しずつ来園者が増えているといい、「今回選んだもののほかにも、まだまだ魅力的な梅の花がたくさんあります。少しずつ花開く梅の開花を“楽しみ”ながら散策してもらえれば」と、“梅の花”を愛でる喜びを地域の人々とも共有できればと日々感じているといいます。

90周年迎える大倉精神文化研究所、創設者のマンガを無料配布中

大倉山梅林の散策時に訪れたいのが、林宏美さんが勤務する大倉精神文化研究所

大倉精神文化研究所には附属図書館を設置。貸出や資料の閲覧対応もおこなっている

大倉精神文化研究所には附属図書館を設置。貸出や資料の閲覧対応もおこなっている

1932(昭和7)年に設立され今年4月で90周年を迎える同研究所には、創設者の大倉邦彦氏(1882-1971)が開設した附属図書館を設置。

貸出や資料閲覧にも対応しているほか、昨年7月からは、新たに「やさしく読める心の本コーナー」も新規開設しています。

港北区や横浜市など郷土を知ることができる書籍コーナーや、2014(平成26)年度から3年間の港北区との協力で誕生した「港北昔ばなし紙芝居」コーナーも。

創設者の大倉邦彦氏を描いたマンガ作品も現在希望者に無料配布している

創設者の大倉邦彦氏を描いたマンガ作品も現在希望者に無料配布している

昨年7月に発行した「マンガで学ぶ 大倉邦彦物語~社会のために尽くした実践躬行(じっせんきゅうこう)の人」も無料配布中とのことで、「ぜひ梅林散策の際にご来館いただければ」(林宏美さん)と、同研究所への立ち寄り来訪を呼び掛けています。

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【歴史まち歩き】太尾から大倉山へ、まもなく90年を迎える駅と史跡を巡る(2021年11月10日)林宏美さんによる執筆の「歴史散策」エッセイ

【参考リンク】

大倉山公園(横浜市港北区のサイト)

大倉山公園梅林の歴史(横浜市港北区)

こうほく梅の写真コンテスト(同)

公益財団法人 大倉精神文化研究所のサイト

オープンデイ~まちの先生PR展~(大倉山記念館)※2022年2月13日、開催可否などは大倉山記念館へお問い合わせください