例えハンディキャップがあったとしても楽しめる「サッカー」。その魅力を子どもたちに伝える初めてのチャレンジが行われました。
一般社団法人F・マリノススポーツクラブ(新横浜2、宮本功代表理事)は、先週(2021)年7月10日(土)の夕方、横浜市営地下鉄ブルーライン新羽駅から徒歩約7分のイオン横浜新吉田店(新吉田東8)屋上にある「マリノストリコロールパーク新吉田」で、小学生以下の知的・発達障がい児を対象とした初のサッカー教室「ふぁんタイム」を開催。
港北区内などから約40人の小学生が参加、サッカーの楽しさを4人のコーチから直接学べる約1時間余りの時間を共有していました。
同施設は、横浜F・マリノス(横浜マリノス株式会社・新横浜2、黒澤良二社長)直営の施設として2018(平成30)年2月にイオン屋上の旧駐車場スペースを活用して作られたもの。
「ふぁんタイム」の「ふぁん」は、英語の「fun」(楽しさ、面白さ)といった意味から名付けたといい、「サッカーをする、スポーツをするその時間を楽しんでもらいたいという想いで企画しました」と、同法人で地域連携を担当する牧野内隆さん。
F・マリノスでは、中学生以上のメンバーで構成されるJリーグ初の知的障がい者サッカーチーム「横浜F・マリノス フトゥーロ」(※フトゥーロはスペイン語で「未来」の意味)を2004(平成16)年から立ち上げ、運営してきたこともあり、「小学生以下の知的・発達障がい児を対象とした企画も行いたいと思ってきました」(牧野内さん)と、今回の企画の実現に至るまでの経緯を説明します。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、特に知的・発達障がい児とその親が「ステイホーム」をするケースが多くみられるといい、「屋外で、子どもたちがのびのびと遊ぶ機会が減っていると感じてきました」と、同社ホームタウン・ふれあい事業部の芝崎啓(ひろむ)コーチは、ハンディを抱えた児童や保護者の運動不足や、ついふさぎ込んでしまいがちな子どもたちの「心」についても心配してきたとの思いを語ります。
参加費は1000円(税込)だという同教室では、まずはボールに慣れることからプログラムがスタート。
足で蹴(け)るのではなく、ボールをコートに落としてキャッチするという考え方からはじまり、、次は少し高く、ラストには、ボールをもっと高く跳(は)ねさせてキャッチするという流れで進行。
子どもたちは、「難しい」と言いながらも、すぐにボールに慣れた様子が多くみられていました。
「今日はサッカーという“形”にならなくても、まずは、思いきりコートを走り回り、身体を動かすことを楽しんでもらえれば」と芝崎さん。
芝崎さんが軽やかな進行とジョークを交えて説明することで、子どもたちをサッカーやスポーツの楽しさに誘う様子もみられました。
最後は、いよいよ“足で蹴(け)る”ドリブルなどを教わったのち、4つのチームに分かれて念願のシュートに挑戦。
思いきりボールを蹴ってシュートが決まると、芝崎さんはその都度、激励。子どもたちの歓声がコート上に高らかに響きわたっていました。
今回大倉山から参加した区内の小学生は、「シュートとドリブルが楽しかった」と、初めての教室で体験した内容を振り返ります。
高田地区から参加した児童の保護者は、「(発達の障害もあり)サッカーを行うことは、いままでは無理だと感じてきましたが、今回、この教室で、同世代の子どもたちと楽しそうにサッカーに挑戦する姿をみて感激しました」との感想を語っていました。
牧野内さんは、「今後も、スポーツの中では、比較的気軽に行いやすいサッカーの“魅力”を、体験することで感じてもらい、最終的には、スポーツの楽しさをあらゆる人に伝えていきたい。今回のような企画への参加を通じて、地域での交流の輪も広げてもらえれば」と、今後も同様の企画やその先の“未来”についても検討していく考えです。
【関連記事】
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【参考リンク】
・マリノストリコロールパーク新吉田の公式サイト(横浜マリノス株式会社)
・横浜F・マリノス フトゥーロ(同)※横浜ラポール・横浜市スポーツ協会と協力して運営