創建500年に向けて、「舞殿・山車(だし)小屋」が新たに誕生しました。
岸根高校(岸根町)の隣、篠原西小学校(篠原町)からも近く、新横浜駅から徒歩約12分の場所にある岸根杉山神社(岸根町377)では、同神社の歴史が始まった1525(大永5)年から、2024(令和6)年に創建500年を迎えることを記念し、「舞殿・山車小屋」を新築。
きょう(2019年)10月5日(土)9時から行われる「岸根まつり」(岸根杉山神社御祭礼)で、一般にも初公開・披露されることになりました。
1980(昭和55)年に建て替えで新築された「拝殿」の老朽化も進んでいたことから、併せ行われた修復工事とともに、その竣工(しゅんこう)を祝う竣工式と祝賀会が、今週10月1日に「創建500年記念事業実行委員会」により執り行われました。(祝賀会はソシア21=岸根町で開催)
新幹線の開業、新横浜の街の発展に伴い、「往時の人々が想像できない目覚ましい変化があり、発展して大勢の人々が居住し、氏神様である杉山神社の場所も歴史も知らない人も」(岸根町の公式サイト「岸根町うぇぶ」)多くいることから、神社について広く知ってもらいたいとの想いもあり、新しい「舞殿・山車小屋」を建設するに至ったといいます。
これまでは、祭礼やステージで使用する舞台を、毎年臨時で設置するスタイルで運営してきましたが、最近では協力者も高齢化し、専門的な技術を持つ人も、事故発生の危険度も高まっていたことから、2016(平成28)年の春に、「常設の舞殿を作ろう」という話が持ち上ったとのこと。
舞殿を新設することになってから、約50回もの関係者の会合を重ねてきたといい、地域住民や企業・団体などの寄付金額は約2000万円。実際の建設費用は、拝殿の修復や境内の整備をあわせると約3517万円もの高額なものに。
そういった背景もあり、実際に着工に漕ぎつけたのは今年6月になってからだったといい、「秋の祭礼に間に合わせようと、工期の上でも本当に大変な作業でした」と、岸根杉山神社奉賛会の会長で、創建500年記念事業実行委員会の後藤典重(のりしげ)さんは、今回の事業の進捗の苦労を振り返ります。
「舞殿・山車小屋」の新設にあたり、設計を担当した平沼建築研究室(旭区)代表で一級建築士の平沼照弘さんは、「長きにわたり新横浜に事務所を構えていたこともあり、岸根の皆さんは親しい方ばかり。住民自らが、ここまで神社の運営をしっかりと行っている例は少ないのではないか」と、地域に住まう一人ひとりが想いを寄せ、神社を運営していることを称賛します。
地元の業者として拝殿の修復工事も併せ担当している株式会社かしや建設工業(小机町)の野崎とおるさん、徳永知明さんは、「山車小屋の部分が、舞殿より2メートル下がっていることもあり、難しい工事でしたが、コンクリートの基礎もしっかりと作っているので、風水害などにもしっかりと耐えられると思います」と、“地域の人々の想い”を反映しての作業を行ってきたといいます。
「まだ完全に工事は終わっていないので、より手をかけて良い神社にしていけたら」と野崎さん、徳永さん。
同奉賛会は、同町の公式サイト「岸根町うぇぶ」でも細やかな歴史背景の記述や、寄付を呼び掛ける情報発信を行っており、岸根町町内会会長で、岸根WEB運営委員会の浜田正二さんは、自身もメンバーに加わる岸根囃子連(渡辺道春会長)によるお囃子を、新しい「舞殿」で披露できることを喜びます。
同サイトでは、隣接する岸根高校と「岸根町うぇぶ」でのコラボレーションも、先月(9月30日)から始まったばかり。
岸根の稀少な「歴史スポット」が、より世代を越えて地域に愛される施設へとパワーアップしていくことにより、またひとつ、新しい町の「伝統」が、地域に行き交う人々により育まれ、またより多くの人々の心に、その価値や想いがしっかりと刻み込まれていきそうです。
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【参考リンク】
・岸根町うぇぶ(岸根WEB運営委員会)
・岸根杉山神社創建500年記念事業(同)
・岸根杉山神社奉賛会(同)※由緒沿革、会などについての詳細を掲載
・令和の時代最初の岸根杉山神社のご祭礼が行われます(同)※タイムテーブル詳細
・岸高生の岸根町探訪帳(同)※岸根町うぇぶと岸根高校メディア研究部が初コラボ