デジタル社会の今だからこそ、地域に伝わる和の伝統芸能の継承を――第7回を数える「港北区民俗芸能のつどい」が、今月(2019年6月)16日(日)12時30分より(12時開場、16時30分終演予定)、港北公会堂(大豆戸町)で行われます。
横浜市港北区内で、古くから地域に根差し伝承されてきた演劇、舞踊、音楽などの「民俗芸能」を継承している団体や個人の相互交流や発表機会を提供し、区内の民俗芸能の存続と発展に寄与する目的で設立された「港北区民俗芸能保存会」が2012年9月に誕生。
「約10年ほど前から、区内の伝統芸能を行っている団体を探し始め、区内の神社の氏子会、町内会自治会、学校、有識者などを巻き込んで、この会を立ち上げることができました」と、同保存会事務局長で、岸根囃子連(岸根町)で活動を行う浜田正二さん。
明治時代の中頃から100年以上の歴史を継いできたという、横浜興禅寺雅楽会(高田町)の会長で、同保存会副会長の金子慈渕さんも、「もともと、この保存会を立ち上げる前から、それぞれの団体は知り合い同士が多い状況でした」と、同会の設立がスムーズに成されたという当時の過程を振り返ります。
翌2013年5月から、毎年1回開催されてきた「民俗芸能のつどい」イベントの参加者数も、初年度から3年目までは最大でも300人程度だったものの、第4回・5回は各350人、昨年(2018年)開催の第6回は400人もの来場があるなど、「和」の文化を重んじる時代の流れもあるのか、より大きな注目を集めるイベントとして成長を続けています。
「港北芸術祭」の一環としても開催されるこの催しには、港北区内から8つの団体・グループが参加。ゲストに、昨年12月に行われた「第29回神奈川県高等学校郷土芸能発表会」で第1位に輝いた、桐蔭学園高校和太鼓部(青葉区)を迎えての演奏も行います。
プログラムの合間に、参加無料の和太鼓体験コーナーも企画するなど、子どもたちや若年層にもより民俗芸能に親しんでもらうための「仕掛けづくり」を行う同イベント。
今年のイベントは、新たに内閣府によるbeyond(ビヨンド)2020プログラム(日本文化の魅力を発信するとともに、共生社会、国際化に繋がる活動)にも認証されており、当日のプログラムに英語表記も予定するなど、地域のみならず、港北区や日本を訪れる世界中の人々に向けてのアピールも行っていく予定です。
「地域に親しまれ、長い歴史・風土の中で育まれてきた伝統芸能を、これからの未来につないでいくためにも、ぜひこの発表会にご来場いただき、お近くの団体に参加・ご支援いただけたら」と、岸根囃子連(岸根町)に所属し、同保存会会長を務める伊藤武夫さん。
地域での活動が劇的な少子高齢化による「共働き」「定年延長」などで難しくなるなか、地域の伝統芸能の発表機会からの、後世に向けての「継承」の試みに、各方面からのより一層の激励が集まっていきそうです。
なお、同イベント会場への入場は無料、一部座席を除き全席自由(先着順)、事前予約は不要です。
<参加団体・グループ一覧>
・鳥山町囃子保存会
・横浜興禅寺雅楽会
・菊名囃子連
・新羽はやし連
・綱島囃子保存会
・小机城址太鼓
・大曽根夢太鼓 どどん鼓
・岸根囃子連
【参考リンク】
・第7回 港北区民俗芸能のつどい(文化庁~Culture NIPPON・beyond2020プログラムのサイト)