【法人サポーター会員による提供記事です】店舗や企業などでスマートフォン(スマホ)向けの「アプリ」を作る際、米アップルのiPhone(アイフォン)など向けの「iOS(アイオーエス)」用と、米グーグルのAndroid(アンドロイド)スマホ向けの2種類をそれぞれ作っておく必要があり、開発費と保守管理の手間が余分にかかることになります。解決策の一つとして、新横浜1丁目の会社が提唱するのは、どちらにも対応できる「ハイブリッドアプリ」で作ることです。
パソコンの世界で、米マイクロソフトの「Windows」とアップルの「Mac(マック=Macintosh=マッキントッシュ)」ではソフトの互換性がほぼないように、スマホの世界でも同様にiOSとAndroidという2つが“別の世界”として存在しています。
世界的に見て日本はiPhoneの普及率が高いため、アプリを作る場合はiPhoneやiPad(アイパッド)で使える「iOS向け」は必須ですが、一方でAndroidスマホも3割以上のシェアを持つため、Androidを無視することは、30%以上の人がアプリを使えないことになってしまいます。
特に国外を見ると中国や韓国、ドイツなどでは価格の安さと機種の豊富さからAndroidスマホが広く普及している国も多いため、海外へ情報を発信するうえでは、アプリをAndroidにも対応しておきたいところです。
「最初の開発費を削減するうえで、iOSでもAndroidでも作動する『ハイブリッドアプリ』を作るのは一つの方法ではないでしょうか」とアドバイスするのは、新横浜1丁目に本社を置く合同会社きぼうソフト社長の香月貴義(かつきたかよし)さんです。
ハイブリッドアプリというのは、インターネットに接続する際に使う「Safari(サファリ)」などのブラウザ上で動くアプリで、インターネットに接続できるスマホさえあれば、iPhoneやiPad、Androidスマホのどちらでも動く仕様となっています。
「一つのハイブリッドアプリを開発すれば、ほぼすべてのスマホに対応できるのが特徴です」(香月さん)
たとえば、iPhoneやiPad用とAndroidスマホ用に2つのアプリを作った場合、OS(iOSやAndroidの基本部分)に変更やバージョンアップが行われた場合は、アプリ側でもそれぞれ対応が必要となりますが、「ハイブリッドアプリは、OSとは関係なく動いていますので、修正の必要はありません」(同)
メリットが目立つハイブリッドアプリですが、現時点では不完全な部分もまだ残っているといい、iOSやAndroid向けにそれぞれ最適化した専用のアプリと比べると、一部の機能が制限されることや、動きが若干遅く見えることもあるといいます。
「ただ、主要機能はおおむねハイブリッドアプリでも実現できるようになっていますので、高度な独自機能を求めずに『まずはアプリを作りたい』という方に適しています。また、社内向けの業務アプリでも内容次第で使えるかもしれません」(同)
専用アプリと比べて遅く見えることについては、「専用アプリとは違いWebサイトの技術で動いているからで、たとえばハイブリッドアプリと同じ技術で開発されている『YouTube(ユーチューブ)』のサイトを見て違和感がなければ、それほど気になるレベルではないかと思います」と香月さんは言います。
香月さんが経営するきぼうソフトでは、2017年11月から「Monaca(モナカ)」というハイブリッドアプリ開発に適した環境を導入しており、「新横浜エリアでは2社がMonacaのパートナーとなっていまして、うち1社が弊社です。常に開発の最新環境はチェックしていますので、ハイブリッドアプリに関しても適切なアドバイスができる体制を整えています」(同)。
個人経営や中小企業などで、アプリを作る場合は、初期の開発費とその後の保守メンテナンス費を考えるうえで、ハイブリッドアプリも一つの選択肢といえそうです。
【関連記事】
・新横浜で飛躍を目指す26歳社長の「きぼうソフト」、IT開発者を集める最先端の働き方(2018年5月22日)
【参考リンク】
・合同会社きぼうソフト(新横浜1)
(法人サポーター会員:合同会社きぼうソフト提供)