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能面の「獅子口」をイメージしたという特徴ある前面デザインの12000系(ニュースリリースより)

JR線内でも“相鉄”を強烈に印象付ける車両デザインとなりました。

相模鉄道(相鉄)は2019年度下期(2019年10月から2020年3月まで)に開通予定の「相鉄・JR直通線」(西谷~羽沢横浜国大~東海道貨物線~武蔵小杉・都心方面)用の新型車両12000系(1万2000系)60両(6編成)を新たに2019年度中に製造し、一部は来年春から営業運転を始める計画です。

12000系は先に発表した「相鉄・東急直通線用」の20000系(2万系)と同様に、車両前面を立体的でインパクトのある形とし、塗装は相鉄独自の「ヨコハマネイビーブルー」と呼ばれる濃紺色で統一。一目で相鉄を印象付けるデザインとしているのが特徴です。

同社はブランドイメージ向上の一環として、ヨコハマネイビーブルーを積極的に活用しており、従来からある車両にも一部導入しています。

東急直通線用の新型車両と同様に車内は窓に背を向けて座る「ロングシート」のみとなる(ニュースリリースより)

JR直通線に投入される12000系は10両編成で、車内の座席はすべて窓に背を向けて座る「ロングシート」のみとし、座席には立ち座りを容易にするユニバーサルデザインシートと呼ばれる座面を小さくしたシートも導入。また、ベビーカー・車椅子用のフリースペースも全車両に設け、Wi-Fiの提供も予定します。

車両の製造は、金沢区に本社を置き、かつて東急電鉄子会社の東急車輛製造で、現在はJR東日本の子会社となっている総合車両製作所で行うとのことです。

JR線や東急線へ乗り入れるにあたって同社は、利用者に“待ってでも乗りたい”と思ってもらえるような車両の開発を志向しており、新たな車両を通じて乗り入れ先となるJRや東急沿線でも認知度や好感度の向上を図りたい考えです。

相鉄・JR直通線との相互乗り入れが取り沙汰されている「埼京線」には、2013年から横浜線と同形式の「E233系」が10両編成で導入された

なお、相鉄直通線を建設する鉄道運輸機構が2016年12月に発表した資料によると、ホームドアを設置する必要上から「運用車両が特定された」としており、乗り入れる車両はすでに決定したことを明かしています。

JR東日本側では、グリーン車を含めた11両を基本編成とする横須賀線で2020年度に新型車両を製造する動きはありますが、現状では編成の違いから相鉄直通線への乗り入れる可能性は薄いとみられ、相互乗り入れが取り沙汰されている埼京線(大崎~池袋~大宮)では、すでに「E233系」と呼ばれる10両編成の車両が2013年から導入されています。

相鉄・JR直通線について
  • 整備区間:相鉄本線西谷駅~JR東海道貨物線「横浜羽沢駅」付近(約2.7キロ)(※)横浜羽沢駅(羽沢横浜国大駅)から「東海道貨物線」を経由して横須賀線方面へ
  • 開業予定時期:平成31年度下期(2019年10月~2020年3月末)
  • 整備主体:鉄道・運輸機構
  • 営業主体:相模鉄道
  • 運行区間:海老名駅・湘南台駅~西谷駅~羽沢横浜国大駅~新宿方面
  • 運行頻度:朝ラッシュ時間帯:1時間あたり4本程度/その他の時間帯:1時間あたり2~3本程度
    (鉄道・運輸機構の公式サイトより)

【関連記事】

<相鉄>初の“東急乗り入れ仕様”に苦心と自信、目黒・東横線方面向け新型車両への思い(横浜日吉新聞、2018年1月18日、東急直通用の車両は先に完成)

JR武蔵小杉駅を通る電車に変化、2020年から「横須賀線」や「相鉄直通線」に新型車(横浜日吉新聞、2018年9月12日、一部区間で並走する横須賀線でも新型車両導入の動き)

<レポート>早ければ1年後に開業の「羽沢横浜国大駅」、再開発は“東急直通”時に照準(2018年10月1日、最新の状況)

【参考リンク】

相鉄・JR直通線用新型車両「12000系」を来年春に導入PDF、相模鉄道株式会社)

都心とつながる(都心直通プロジェクト)(相鉄)