参入から4シーズン、26試合目にして“王者”から勝ちをつかみました。
プロアイスホッケー「アジアリーグ」の横浜グリッツ(GRITS)は、今月(2023年)12月2日・3日に「KOSE新横浜スケートセンター」でリーグ2位のレッドイーグルス北海道と連戦し、2戦目に4対2で勝利しました。
ホーム新横浜では今シーズン初の勝ちとなり、レッドイーグルス北海道からの白星はリーグ参入4季目で初めてとなります。
グリッツがアジアリーグに参入した2020年10月、初めてのカードとなったのがレッドイーグルス北海道にチーム名を変える直前の「王子イーグルス」戦でした。
16人の創設メンバーで敵地の苫小牧へ乗り込んだものの2連戦で計20点を奪われ、1点を取るのがやっとという展開で大敗。その後のシーズンでは僅差となる試合が出てきたものの勝ちは掴めず、今回の連戦前時点で通算24連敗中の難敵です。
12月3日の初戦を0対2の僅差で落として迎えた4日の2戦目。グリッツは直近となる2週前の試合で首位HLアニャンを延長の末に破っており、レッドイーグルスとの初戦も接戦に持ち込めたことで「良い流れをつくっていたので、勝つチャンスはあると見込んで臨んだ」と浅沼芳征監督。
前日は相手より12本多いシュートを放ちながらも得点を奪えなかったグリッツがこの日は第1P(ピリオド)8分に菅田路莞(かんだろい)選手(#16、DF)の初ゴールで先制し、続く11分に訪れたPP(パワープレー)ではルーキーの権平優斗選手(#26、FW)による初得点も生まれ、2点を先制します。
第2Pにはレッドイーグルスの猛攻を受け、31分に1点を返されますが、二度のPK(ペナルティキリング=1人少ない状態)を守り抜き、2対1と1点のリードを保って第3Pに突入。
52分には鈴木ロイ選手(#61、FW)からのパスをゴール前で受けた権平選手がゴール真正面から流し込んで追加点を奪い、2点差にリードを広げます。
試合終了まで3分を切ったなかで1点を返されるも、すぐさま茂木(もてぎ)慎之介選手(#87、FW)のシュートで再び引き離し、そのまま4対2で勝利しました。
「(今シーズンの)勝利数としては2つ目で小さなものだが、これからの流れを作るためには大きな勝利。リーグ参入以来初めてとなるレッドイーグルスからの勝ちは選手たちの自信や励みになる」と浅沼監督。
この試合で2得点の権平選手は、「初戦は再三のチャンスを生かすことができず悔しい思いをした。(HLアニャンとレッドイーグルスの)2強に勝利を重ねることができたのは、チームとしても個人としても自信につながる」と振り返り、「(8日に初戦を迎える)全日本選手権に向けて良い流れに乗れている」と5日後に迫る次の戦いを見据えました。
9年ぶりにKOSE新横浜スケートセンターをメイン会場として開かれる「第91回全日本アイスホッケー選手権大会」でグリッツは12月8日(金)の2回戦から登場し、「北海道ワイルズ対香川アイスフェローズ」の勝者と対戦します。
地元である新横浜が会場となっているだけに、「みんなの合言葉は決勝まで進んで優勝しようと。HLアニャンとレッドイーグルスに勝った経験をしっかり生かしたい」(浅沼監督)と初の優勝を目標にプロ・社会人・大学の12チームが出場するトーナメント戦に挑みます。
横浜グリッツ試合結果(12月2日・3日)
(※)左側の数字はゴール時間、選手名の前に記載の「#数字」は背番号、「←」の前に記載の選手はアシストを記録、(+1)は相手より人数の多いPP(パワープレー)の得点、FW=フォワード、DF=ディフェンス、GK=ゴールキーパー
●横浜グリッツ 0-2 レッドイーグルス北海道○(12月2日/新横浜)
<1P:横浜0-2北海道/シュート数:横浜13-14北海道>
- 01:27 北海道#10三田村康平(FW)←#29ハリデー慈英(DF)←#6山田虎太朗(DF)
- 06:00 北海道#91柴田嗣斗(FW)←#9髙木健太(FW)←#29ハリデー慈英(DF)
<2P:横浜0-0北海道/シュート数:横浜13-8北海道>
<3P:横浜0-0北海道/シュート数:横浜12-4北海道>
<GK>
- 横浜:#38小野航平(セーブ24/失点2)
- 北海道:#39成澤優太(セーブ38/失点0)
※試合詳細ページはこちら(アジアリーグ)
○横浜グリッツ 4-2 レッドイーグルス北海道●(12月3日/新横浜)
<1P:横浜2-0北海道/シュート数:横浜11-9北海道>
- 08:12 横浜#16菅田路莞(DF)←#97池田涼希(FW)←#21杉本華唯(FW)
- 11:18 横浜#26権平優斗(FW)←#97池田涼希(FW)←#87茂木慎之介(FW)(+1)
<2P:横浜0-1北海道/シュート数:横浜7-17北海道>
- 31:58 北海道#15入倉大雅(FW)←#19中島彰吾(FW)←#23武部太輝(DF)
<3P:横浜2-1北海道/シュート数:横浜10-19北海道>
- 52:26 横浜#26権平優斗(FW)←#61鈴木ロイ(FW)←#9アレックス・ラウター(FW)
- 57:39 北海道#8高橋聖二(FW)←#97中屋敷侑史(FW)←#34橋本僚(DF)
- 58:56 横浜#87茂木慎之介(FW)←#5泉翔馬(FW)←#11角舘信恒(FW)
<GK>
- 横浜:#34古川駿(セーブ43/失点2)
- 北海道:#39成澤優太(セーブ24/失点4)
※試合詳細ページはこちら(アジアリーグ)
【関連記事】
・<新横浜の全日本選手権>12月9日(土)に準決勝、横浜グリッツは悔しい敗退(2023年12月9日、良い流れに乗れず初戦で敗れてしまった)※リンク追記
・<横浜グリッツ>ついに首位アニャンに韓国で逆転勝ち、連敗脱し新横浜へ(2023年11月20日)
・【参入初年の記事】<横浜グリッツ>120日ぶりの試合が最終カード、初年度は勝利つかめず(2021年3月29日、当時の王子イーグルスにまったく歯が立たなかった)
【参考リンク】
・横浜GRITS「第91回全日本アイスホッケー選手権大会(A)トーナメント表 発表のお知らせ」(横浜グリッツは12月8日に北海道ワイルズ・香川アイスフェローズの勝者と戦うことになる)
・【試合のハイライト映像】横浜GRITS vs レッドイーグルス北海道(2023年12月3日)(アジアリーグアイスホッケーJAPAN公式YouTube)