＜横浜グリッツ＞ついに首位アニャンに韓国で逆転勝ち、連敗脱し新横浜へ

苦しかった今シーズンの初勝利は、韓国の地で首位チームを破ってもぎ取りました。

プロアイスホッケー「アジアリーグ」の横浜グリッツ（GRITS）は、今月（2023年）11月18日・19日に敵地の韓国・アニャン（安養）市で首位のHLアニャンと連戦し、2試合目に延長戦後のPSS（ペナルティショットシュートアウト）で勝利して開幕からの連敗を13で止めました。

今シーズン初めて韓国へ乗り込んだグリッツは初戦に2対7で大敗を喫し、迎えた翌日の2試合目も第1P（ピリオド）開始4分で先制点を奪われる苦しい展開。

ラウター選手（左）は今シーズン通算6得点目（写真は11月4日）

しかし、11月中だけでアニャンとは3回戦った経験から「システムを修正し、箇所を細かく指示した」（浅沼芳征監督）ことも奏功し、第1Pを1失点で乗り切ると、第2P早々の23分に自陣からのロングパスを敵陣で受けたアレックス・ラウター選手（#9、FW）が抜け出し、GK（ゴールキーパー）真正面付近からシュートを放って同点に追い付きます。

第2Pの36分に再びリードを奪われながらも1対2の展開を保ち、試合時間が残り8分を切った52分に敵陣深くで茂木慎之介選手（#87、FW）が粘り、ゴール前に出したパスを三浦大輝選手（#74、DF）がGK真正面から叩いて再び同点。

DF（ディフェンス）陣では、ティム・ヘンリックソン選手（#40、DF）の3試合出場停止もあって5人しか揃わないなか、菅田路莞（ろい）選手（#16、DF）が歯を損傷するというトラブルが発生しても、「FW（フォワード）陣のアグレッシブなサポートで難所を乗り越えた」（浅沼監督）といいます。

“本業”のディフェンスだけでなく攻撃面でも活躍し、最後はPSSも決めた三浦選手（写真は11月4日）

試合は同点のまま第3Pを終え、5分間のOVT（オーバータイム＝延長）でも決着がつかず、プレイヤーとGK（ゴールキーパー）の1対1でシュートを放つPSS（ペナルティショットシュートアウト）に持ち込まれました。

グリッツは1人目の池田涼希（あつき）選手（#97、FW）と3人目のラウター選手が決めて2対2とし、5人目として出た三浦選手が相手GKが左へ動いた瞬間に空いた右の足元を狙ってこれが決着弾。

グリッツはHLアニャンに昨年から通算して12試合目で初となる白星をつかむとともに、今シーズンの初勝利となりました。

65分間にわたって53本のシュートを浴びながらも2失点に抑え、PSSでも2回の成功しか許さなかったGK（ゴールキーパー）・古川駿選手（#34）の好守も光った（写真は11月4日）

浅沼監督は「精神的にもタフでしたが、1アシストを含めて2得点に絡んでいた三浦がきっちり決めてくれた。1勝まで苦しい時間が続きましたが、何より一歩前進できて良かった」と初勝利に安堵する一方、「一喜一憂せず、次のステップに向けて精進を続ける」と次戦に向けて気持ちを引き締めていました。

次は1週空けて来月12月2日（土）・3日（日）に本拠地のKOSE新横浜スケートセンターにレッドイーグルス北海道を迎えてのホームゲームとなります。

グリッツのチーム創設以来、一度も勝てていないレッドイーグルス戦ですが、HLアニャンの戦力に独特の雰囲気が加わってもっとも厳しいと言われる韓国のアウェー戦で逆転勝ちをもぎ取った勢いで、次の壁を乗り越えたいところです。

横浜グリッツ試合結果（11月18日・19日）

（※）左側の数字はゴール時間、選手名の前に記載の「＃数字」は背番号、「←」の前に記載の選手はアシストを記録、（+1）は相手より人数の多いPP（パワープレー）の得点、OVTはオーバータイム＝5分間の延長戦、PSSはペナルティショットシュートアウト（プレイヤーとPKとの1対1）、FW＝フォワード、DF＝ディフェンス、GK＝ゴールキーパー