【沿線レポート】2023年は近代遺産・軍港としての「横須賀」が持つ価値を再確認できる好機となりそうです。
横須賀市内に点在する歴史・文化スポットをつなぐ観光バスや移動手段(モビリティ)が今月(2023年)6月下旬以降に順次整備され、横浜市など近隣からも観光周遊が手軽に楽しめるようになります。
横浜市金沢区に隣接する横須賀市は、現役の“軍港”である横須賀港をはじめ、明治期から2003(平成15)年まで続いた浦賀ドックや、久里浜のペリー上陸関連の史跡、東京湾の要塞跡が残る無人島・猿島など開国から近代につながる歴史・文化遺産が市内に点在。また、観音崎や「くりはま花の国」といった自然観光スポットも広く知られます。
それぞれは一定の知名度を持っていますが、市内にどんなスポットがあるのかの全体像が捉えづらく、交通機関も充実しているとは言えないことから、周遊が難しいという課題がありました。
そこで横須賀市では、「よこすかルートミュージアム」と題してこれらのスポットを一つのルートでつなごうという取り組みを2021年から本格化。
「近代化遺産」「横須賀近代化ゆかりの人物」「自然・歴史」といったテーマごとに周遊ルートをまとめ、市内全体を大きな“ミュージアム”として捉えてもらえるような活動を積極的に展開しています。
今年は周遊に適した移動手段を拡充したもので、東京圏の観光バスで知られる「はとバス」による市内周遊ツアーや、タクシー配車の割引、スポーツタイプの電動アシスト自転車の活用などを計画。
はとバスの横須賀市内発着ツアーは、6月24日(土)から9月10日(日)までJR横須賀駅と京急汐入駅の発着で運行され、船による「軍港めぐり」や普段は非公開の「浦賀ドック」の見学など約6時間にわたるバスツアーとなっており、運休日を除きをほぼ毎日実施の予定です。
また、今月6月12日からはタクシー配車アプリ「Uber Taxi(ウーバータクシー)」で1人4回まで横須賀市内での乗車料金を毎回300円割引するキャンペーンを今年12月末まで実施。
7月中旬以降には新横浜に本社を置く株式会社サンオータスがスポーツタイプの電動アシスト自転車「E-BIKE(イーバイク)」を使った移動手段の拡充を計画しています。
このほか、10月以降には海上交通による期間限定ツアーや、市内を走る京浜急行バスによる特別乗車券の設定、観光タクシーによる5コースの造成なども予定。
こうした移動手段やツアーが拡充することで、横須賀の歴史や観光スポットを巡るきっかけとなりそうです。
なお、ルートミュージアムには入っていませんが、横須賀市内にはプロ野球「横浜DeNAベイスターズ」の総合練習場や、今年から稼働したJリーグ「横浜F・マリノス」の練習拠点「F・マリノススポーツパーク~トリコロールベース久里浜」が置かれています。
横浜を本拠地とするスポーツチームが活躍するために欠かせない場所となっており、横浜市民にとってはこちらも重要な“観光スポット”といえます。
【関連記事】
・F・マリノスの「練習拠点」は久里浜に、グラウンド2面やクラブハウス整備(2023年1月12日)
【参考リンク】
・横須賀市観光情報「ルートミュージアムを便利にめぐる6つのヒント」(ツアー・移動手段の案内など)
・はとバス「【JR横須賀駅・京急汐入駅発着】YOKOSUKA軍港めぐりと浦賀ドック」のツアー案内ページ(2023年6月24日~9月10日開催予定、運休日あり)
・横須賀市内のUber Taxi乗車が毎回300円お得に!Uberが「よこすかルートミュージアム周遊促進事業」に参加(Uber Japan、2023年6月12日~31日実施)