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グリッツの創設時から支えてきた2選手を初の二ケタ勝利で送り出せるでしょうか。

プロアイスホッケー「アジアリーグ」の横浜グリッツ(GRITS)は今週(2023年)3月4日(土)・5日(日)、本拠地のKOSE新横浜スケートセンターに「ひがし北海道クレインズ」を迎え、今シーズン最後となる2連戦を行います。

敵陣へ攻め上がる氏橋選手(右)と菊池選手(左)(2月18日、新横浜)

2020年の創設時からチームを支えてきたDF(ディフェンス)の菊池秀治選手(#8)とFW(フォワード)の氏橋(うじはし)祐太選手(#91)が今シーズン限りでの引退を表明しており、両選手にとって最後の連戦となります。

初代キャプテンをつとめた菊池選手

これまで400試合超の出場経験を持つ菊池選手は、「開幕先導役は『菊池秀治』しかいない」と浅沼芳征監督が評するように、参入初年度にキャプテンをつとめ、アジアリーグ経験の少ない選手が多かったチームで精神的な柱となってきました。

初シーズンはまったく勝てなかったが懸命にチームを支えた。右が菊池選手、左は氏橋選手(2021年3月、苫小牧)

一度はプロ選手を引退し、企業人として働きながら再びプロ生活に復帰した菊池選手。新型コロナウイルス禍に翻弄され続け、他のチームに歯が立たなかった初シーズンにチームの先頭に立って引っ張っています。

ゴールを決めて祝福される菊池選手(2021年12月、新横浜)

また、初年度はDF(守備)の陣容が揃わないなか氷上で奮闘し続け、創設初のホーム戦では乱闘状態となったチームメイトのもとへいち早く駆け付けて流血しながら守ろうとした姿があり、新横浜スケートセンターに詰めかけた観客から大きな拍手がおくられました。

氏橋選手は社会人から32歳でプロへ

氏橋選手は、慶應義塾高校(港北区日吉)を経て慶應義塾大学に進学。卒業後は企業に勤めながら社会人リーグでプレーを続け、グリッツの創設とともに32歳でプロ選手としてデビューしています。

長身のFWとしてグリッツの攻撃陣を担った氏橋選手(1月21日、新横浜)

学生時代から氏橋選手を知る浅沼監督は「どの場面でも全力で献身的なプレースタイルは学生時代から全く変わらないけど、それを確実に進化させトッププロの世界でも通用させた」と振り返ります。

今シーズンは昨年9月18日に新横浜で行われたクレインズ戦で決勝点を決める勝負強さを見せており、シーズン最終かつ引退試合となる今回のクレインズ2連戦でも活躍が期待されます。

シーズン最後の2試合は、2人の引退だけでなく、2ケタ勝利と最下位脱出がかかるだけに笑顔で終えられるような結果を出したい(2月18日、新横浜)

現在9勝29敗のグリッツは、創設初となる2ケタ勝利最下位からの脱出がかかっており、引退する両選手とともに勝ちをつかみ取って有終の美を飾りたいところです。


引退する2選手のプロフィールと通算成績

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■ DF・菊池秀治(#8)

キャプテン時代の菊池選手(2020年10月)

1986(昭和61)年生まれ、36歳、東京都中央区出身。西武ホワイトベアーズ、埼玉栄高校、法政大学でプレーし、2009(平成21)年に新設された東北フリーブレイズに入団。アジアリーグのチャイナドラゴン(廃部)を経て、2017(平成29)年にプロ引退。企業勤務の傍ら、横浜GRITSの創設とともにプロ選手に復帰。

<成績>

  • 2022-23年(横浜GRITS):38試合出場・0ゴール・1アシスト
  • 2021-22年(横浜GRITS):28試合出場・1ゴール・0アシスト
  • 2020-21年(横浜GRITS):15試合出場・0ゴール・1アシスト
  • 2014-17年(東北フリーブレイズ):通算137試合出場・3ゴール・11アシスト
  • 2011-14年(チャイナドラゴン):通算117試合出場・2ゴール・18アシスト
  • 2009-11年(東北フリーブレイズ):通算66試合出場・1ゴール・7アシスト

■ FW・氏橋祐太(#91)

アウエー戦での氏橋選手(2021年3月)

1988(昭和63)年生まれ、34歳、アルゼンチン・ブエノスアイレス出身。小学生時代にウクライナ・キーウのクラブチーム、中学時代は東京の明治神宮Jrでプレー。慶應義塾高校、慶應義塾大学を経て就職後は社会人リーグでアイスホッケーを継続。企業勤務の傍ら、横浜GRITSの創設とともにプロ選手としてデビュー。

<成績>

  • 2022-23年(横浜GRITS):38試合出場・1ゴール・3アシスト
  • 2021-22年(横浜GRITS):24試合出場・1ゴール・6アシスト
  • 2020-21年(横浜GRITS):16試合出場・1ゴール・2アシスト

)成績は2月26日終了時点、2020-21年と2021-22年は新型コロナウイルス禍の影響で「ジャパンカップ」として開催


横浜グリッツ試合結果(2月25日・26日)

■ 首位アニャンを苦しめるも連敗

敵地に乗り込みリーグ首位のHLアニャンと連戦したグリッツは、“韓国のレジェンド”と言われるキム・ギソン選手(FW、#1)にハットトリックを決められるなど初戦は1対6で完敗。

2戦目は第3PにFW・石井選手(#20)のゴールで1点差まで食い下がった(写真は2022年10月)

2戦目は開始早々に先制点を奪い、中盤まで互角に試合を進めるも第2P(ピリオド)に3点を奪われ1対3で第3Pに突入。48分に掴んだパワープレーのチャンスを生かして1点差に迫るも、終了間際に引き離されて2対5で敗戦。アニャンへの初勝利は来シーズン以降に持ち越しとなりました。

2月25日(土):HLアニャン 6 - 1 横浜GRITS(韓国・アニャン)

)左側の数字はゴール時間、選手名の前に記載の数字や文中の#は背番号、カッコ内はアシスト、(+1)は相手より人数の多いパワープレー中の得点

【1P】アニャン1-0横浜

(シュート数:アニャン18-7横浜)

  • 06:38 アニャン1.キム・ギソン(19.キム・サンウク/29.イ・ジョンミン)(+1)

【2P】アニャン2-0横浜

(シュート数:アニャン15-6横浜)

  • 28:53 アニャン61.イ・ドンク
  • 34:23 アニャン1.キム・ギソン(19.キム・サンウク/6.オ・インギョ)(+1)

【3P】アニャン3-1横浜

(シュート数:アニャン17-12横浜)

<GK=ゴールキーパー>

  • アニャン86.マット・ダルトン(セーブ24/失点1)
  • 横浜38.小野航平(セーブ44/失点6)

アジアリーグの記録ページはこちら

2月26日(日):HLアニャン 5 - 2 横浜GRITS(韓国・アニャン)

【1P】アニャン0-1横浜

(シュート数:アニャン12-14横浜)

【2P】アニャン3-0横浜

(シュート数:アニャン19-5横浜)

  • 25:50 アニャン1.キム・ギソン(19.キム・サンウク/24.ジ・ヒョソク)
  • 29:38 アニャン11.イ・ジュヒョン(97.ソン・ジョンフン/72.キム・ゴンウ)
  • 30:25 アニャン19.キム・サンウク(1.キム・ギソン/61.イ・ドンク)

【3P】アニャン2-1横浜

(シュート数:アニャン9-14横浜)

<GK=ゴールキーパー>

  • アニャン86.マット・ダルトン(セーブ31/失点2)
  • 横浜45.黒岩義博(セーブ35/失点4)

アジアリーグの記録ページはこちら

【関連記事】

<横浜グリッツの引退2選手>仕事とプロ生活、チームを先導し続けた3シーズン(2023年3月10日、引退した菊池選手と氏橋選手の試合後会見)リンク追記

・【前回記事】<横浜グリッツ>ホーム勝利で目標の10勝へ前進、チア応援やグッズも進化(2023年2月21日)

【参考リンク】

・【今シーズン最終戦】3月4日(土)・5日(日)「ひがし北海道クレインズ」戦(新横浜)のチケット情報(横浜GRITS)

横浜GRITS「8番 DF 菊池秀治選手 今シーズンをもって引退」(プロフィールなど)

横浜GRITS「91番 FW 氏橋祐太選手 今シーズンをもって引退」(プロフィールなど)