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新横浜周辺の居住者や通勤・通学者なら思わず笑みがこぼれそうな「アートパネル」が完成しました。

新横浜駅・新幹線高架下の飲食店ゾーン「ぐるめストリート」は、2012(平成24)年10月のオープンから10周年を記念したアルミ製のアートパネルを製作し、きのう(2022年)12月8日から同施設内の壁面で公開を始めています。

ぐるめストリート内にこのほどオープンした「牛カツ京都勝牛」「廻転寿司まぐろ問屋」「こめらくお茶漬け」の3店長も駆け付けてアートパネルの除幕式が行われた(12月8日)

このアートパネルは、「10周年の記念になる何かを残したい」(ぐるめストリートを運営する新横浜ステーション開発・藤川紳社長)と同社社員らが考案したもの。

引退した東海道新幹線700系車体再生アルミを使った横183センチ、縦92センチのパネルを使い、イラストレーターのイクタケマコトさんがイラストを描き込んで仕上げました。

新横浜×新幹線」と題したこの作品は新横浜駅が開業した1964(昭和39)年にちなみ、164個の新横浜にまつわる人やものが描かれており、中世の伝説から現在まで地域の歴史を踏まえた“絵巻”のような構成となっているのが特徴です。

作者のイクタケマコトさん(右)と完成したアートパネルを眺める新横浜ステーション開発の藤川紳社長(左)、藤川社長は“社長さん”と名付けられたイラストのモデルとして作品内にも登場している

今はなき初期の新幹線車両0系」と最新型の「N(エヌ)700S(エス)」を中心に新横浜周辺の街並みと人がぎっしりと描かれ、一つひとつを細かく見ていくと、それぞれが地域に関係しています。

たとえば、作品内に見える「源頼朝(よりとも)」は岸根町付近に存在した琵琶(びわ)橋に立ち寄った伝説を表し、牛車や農地で開発前の新横浜をイメージさせ、鶴見川の近くにはかつて存在した「鴨(かも)場」が描かれ、港北区南部伝統の「わら蛇」もさりげなく登場。

作品全体に降り注ぐカラフルな紙吹雪は、2002年のサッカー「日韓ワールドカップ」決勝戦(日産スタジアム)の表彰式セレモニーで舞った「折り鶴」がイメージされているといい、新横浜で行われた重要なイベントも表現しています。

アートパネルのイラストを使った下敷き(アートシート)も作成され、「ぐるめストリート」内の店舗でも配られるという

また、篠原八幡神社から大倉山の梅、北新横浜駅、羽沢のキャベツ畑、さらには新横浜や小机からよく見える富士山まで、新横浜周辺の名所案内的な要素も見どころ。

そして、キュービックプラザのある新横浜駅の駅ビルをはじめ、プリンスホテルや横浜アリーナ、日産スタジアム、新横浜公園といった著名スポットだけでなく、新横浜に建つ各ビルの姿まで細かく表現されている点にも驚かされるはずです。

実はこの作品を描いたイクタケさんは、イラストレーターとして本格的に活動するまでは横浜市内で小学校の教員をつとめ、新吉田小学校(新吉田東6)にも赴任したことがあるといいます。

作者のイクタケさんは港北区の歴史や文化と特徴を細かく調査し、半年間かけて作品を完成させた

結婚相手とは港北区内で出会っており、「イラストレーターとして生きていくかどうかを妻と話し合って決断したのもプリンスホテルのロビーでした。まさに新横浜が出発点です。この作品は格別な思いで製作しました」(イクタケさん)

港北区とも縁の深いイクタケさんの描くイラストは、小学校の教科書や教育関連の書籍でも多く採用されるなど、子どもから大人まで親しみやすく、特に子どもと一緒に眺めるのに適しています。

「ぐるめストリート(キュービックプラザ新横浜)」では、今回のアートパネル完成を記念し、作品のなかから答えを見つけ出すクイズキャンペーンを12月25日(日)まで行っており、大人にはちょっと難しいかもしれないクイズに挑戦しながら作品を味わうのも楽しそうです。

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【参考リンク】

「ぐるめストリート」の店内案内図(アートパネルは、新規オープンした「こめらく」と「廻転寿司まぐろ問屋」の間、新設されたトイレ前にある)

イクタケマコトの公式サイト(アートパネルの作者、横浜を拠点に活動するイラストレーター)