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【レポート】横浜駅新横浜駅からは少し行きづらかった関東圏の“横綱”といえる2つのリゾート&温泉観光地へ高速バスが直結しました。

横浜駅・新横浜駅と長野県の軽井沢を経由して群馬県の草津温泉を結ぶ高速バスの運行がきのう(2022年)11月1日から始まり、横浜駅では出発式が行われ、運行するバス3社の社長らとともに、草津温泉のキャラクターも駆けつけて路線の開業を祝いました。

開業式典でテープカットに臨む右から上田バス・舟見専務取締役、草津町役場・宮崎観光課課長、相鉄バス・菅谷取締役社長、東急バス・古川取締役社長(11月1日)

群馬県の北西部に位置する草津温泉は関東圏を代表する温泉地として知られますが、鉄道路線は直通しておらず、横浜駅や新横浜駅からは東京駅発の在来線特急と路線バスを使って最小でも3回の乗り換えを要します。

リゾート地として名高い軽井沢へも東京駅などで北陸新幹線(長野新幹線)へ乗り継ぎが必要。

自家用車では横浜市内から関越自動車道に至るまでの道のりが遠いうえ、軽井沢や草津温泉へは最寄りのインターチェンジから一般道でそれなりの時間がかかるのが現状で、雪の降る季節は山間部の曲がりくねった雪道を走る苦労があります。

上田バスの車両は側面を使って草津・軽井沢・横浜の街を大々的にアピール

今回の高速バスは、東急バス相鉄バス上田バスの各社が異なる時間帯に横浜駅と軽井沢駅・草津温泉間を1往復(計3往復)するもので、このうち上田バス便の1往復が新横浜駅に乗り入れを行うもの。

相鉄バスは初めて軽井沢駅・草津温泉に乗り入れる

【参考】東急バス傘下の東急トランセは渋谷駅などから軽井沢・草津温泉への高速バスを2017年から運行中(11月1日、草津温泉)

東急バスと上田バスは2017(平成29)年から渋谷駅などと軽井沢・草津温泉を結ぶ高速バスを運行しており、来年3月に「相鉄・東急直通線」の開業を予定していることもあって、相鉄バスに呼びかける形で横浜駅・新横浜駅からの路線新設が実現したといいます。

きのう11月1日、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ前にある「横浜駅西口第2ターミナル」では、相鉄バスの菅谷雅夫取締役社長や東急バスの古川卓取締役社長、上田バスの舟見哲也専務取締役らが参加して路線の開業式典を開催。

横浜駅西口での記念式典には東急バス「ノッテちゃん」、相鉄「そうにゃん」、草津温泉「ゆもみちゃん」も参加、この3キャラクターが一同に揃うのはめずらしいケース

草津町からは草津町役場観光課の宮崎健司課長や草津観光協会の福田俊介事務局長が参加したほか、キャラクター「ゆもみちゃん」も登場して開業イベントを盛り上げました。

代表してあいさつに立った相鉄バスの菅谷社長は「(メディアなどから)大きな反響があり、関心の高さに身の引き締まる思いです。路線の開設にあたっては草津町や東急バス、上田バスの関係者には大変お世話になりました」と話し、「3社とも安全運転で多くの皆さまを草津温泉にお連れします」と宣言。

新横浜駅へ立ち寄る第一便となる上田バスの運転手・深井さんに花束が渡された

「ゆもみちゃん」らに見送られて横浜駅西口を9時50分に出発した

新横浜駅へ立ち寄る最初の便で運転手をつとめる上田バスの深井強さんに花束が手渡され、軽井沢・草津温泉方面へ向けて9時50分に横浜駅西口を出発しました。

現状は1日3往復を運行し、1往復のみが新横浜駅に停車する形となっていますが、需要があれば停車便の増加も検討していくとのことです。

新横浜から5つの高速道を目まぐるしく走る

新横浜駅での“第一便”となった上田バス便は、10時15分前に駅前のバスターミナル「9番のりば」に到着しました。

新横浜駅前のバスターミナルには10時15分前に到着

新横浜駅を出ると、次は休憩場所の「上里サービスエリア」(埼玉県の最北端)まで停車しない

客を乗せると首都高速「横浜北線・北西線」の新横浜出入口に向かい、横浜北西線を通って東名高速道路へ至り、軽井沢までは、東名高速から圏央道関越自動車道上信越自動車道と、神奈川・東京(多摩エリア)・埼玉・群馬の4都県をまたいで高速道路を目まぐるしく走行していきます。

「横浜北線・北西線」の新横浜出入口から東名高速へ向かう

長野・群馬方面へ行くのに東名高速を走るのは不思議な感覚、土休日の町田付近などでの渋滞は若干不安なところ

海老名から「圏央道」を延々と走り、埼玉県の鶴ヶ島ジャンクションからは「関越自動車道」に入る

この日は予定の12時30分より早い時刻に「関越自動車道・上里サービスエリア」に到着、20分ほどの休憩。レストランに寄るのは難しそうですが、名物「姫豚」のサンドや「上里やきそば」なら購入できそう

群馬県に入ってすぐの藤岡ジャンクションから分岐して「上信越自動車道」へ、山が深くなりカーブも多くなってきた

さらに、軽井沢からもっとも近い「碓氷(うすい)軽井沢インターチェンジ」(群馬県安中市)以降は、すべて一般道を走って軽井沢駅や、草津温泉へと向かいます。

「碓氷軽井沢インターチェンジ」で高速を降りて一般道へ。軽井沢という名が入っていてもここはまだ群馬県。長野県側の軽井沢へは県道で山を越える必要がある。外はあいにくの雨模様に

軽井沢駅には13時45分ごろに到着、ここで乗客のほとんどが下車

運行初日は群馬・長野両県内で雨模様となりましたが、軽井沢駅から草津温泉までの一般道区間には紅葉が広がっており、この区間では車窓も楽しめそう。

軽井沢から草津温泉への山道は、雨さえ降っていなければ紅葉広がる車窓が見どころ

軽井沢はスキーやゴルフ、アウトレットでの買物など通年で楽しめるスポットが多く、草津温泉は紅葉や温泉、冬には雪の量が豊富なスキー場も近くにあり、これから観光で賑わうシーズンです。

草津温泉の中心部・バスターミナルには15時17分に到着

バスターミナルから徒歩5分ほどの「湯畑」へ行けば足湯も楽しめる

バスの終点は著名な温泉宿の「ホテル櫻井」、3社のバスはここで折り返している

ホテル櫻井のバス停には「横浜駅西口」や「新横浜駅」の行先も追加されていた

運行初日は予約して新横浜駅から乗車したのは1人(本記事の執筆者)だけでしたが、乗場を訪れた人のなかには「軽井沢にマンションを持っているので定期的に訪れており、今度は新幹線の代わりに使いたいと思い、どんなバスなのかを見にきた」と話す人もおり、新横浜の周辺地域でも需要は掘り起こせそう。まずは路線の認知度向上を期待したいところです。

11月1日の新横浜駅→軽井沢駅・草津温泉への走行経路(混雑状況などで経路は変更される場合あり)

新横浜駅10:15発→首都高速新横浜出入口→[横浜北西線]→横浜青葉IC(インターチェンジ)→[東名高速]→海老名JCT(ジャンクション)→[圏央道]→鶴ヶ島JCT(埼玉県鶴ヶ島市)→[関越自動車道]→上里サービスエリア(埼玉県上里町)12:30前に到着(15~20分程度休憩)→藤岡JCT(群馬県藤岡市)→[上信越自動車道]→碓氷(うすい)軽井沢インターチェンジ(群馬県安中市)→[一般道・県道松井田軽井沢線]→

軽井沢駅13:45着(長野県軽井沢町)→[市内一般道]→東急ハーヴェストクラブ旧軽井沢(13:49着、長野県軽井沢町※下車客がなく経由せず)→[一般道・国道146号線]→北軽井沢(14:30着、群馬県長野原町※下車客がなく通過)→[一般道・国道146号線・292号線]→

草津温泉バスターミナル15:17着(群馬県草津町、「湯畑」の近く)→草津温泉ホテル櫻井15:20着(バスターミナル近くの著名ホテル)

【関連記事】

新横浜に「軽井沢・草津温泉」行の高速バス、横浜駅発の新路線が乗り入れ(2022年10月18日)

【参考リンク】

横浜エリアから人気の観光地「軽井沢・北軽井沢・草津温泉」へ!高速乗合バス「横浜駅西口・新横浜・たまプラーザ~軽井沢・草津温泉」線~2022年11月1日(火)運行開始(東急バス)

「横浜駅西口・新横浜・たまプラーザ~軽井沢・草津温泉」の高速バス案内(相鉄バス)