新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト
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今から60年以上前、新横浜の地で田畑を耕し、牛や豚とともに暮らしていた農家による貴重な記録です。

新横浜1丁目に隣接した新幹線高架沿いの岸根町にある「そばの陶芸館」では、今年(2022年)1月5日から「新横浜 帰らざる故郷」と題した写真展が行われており、周辺一帯に水田が広がっていた頃の風景に触れることができます。

「たった10枚の写真展~新横浜 帰らざる故郷」を企画した高橋稔さん。展示写真のなかには半世紀以上前に農家を継いで間もない頃の高橋さんの姿も

写真展を企画したのは、同地で手打ちそば店「そばの陶芸館」や「新横浜陶芸教室クラアート21」を運営する高橋稔さん。かつて高橋さんの家は、この地で古くから農家を営んでいました。

そんな環境が一変することになったのが、1960(昭和35)年のこと。東海道新幹線の線路が高橋さんの家を貫く計画が決まり、家屋と豚舎や牛舎など8つの建物が解体された後に、現在の高架橋が築かれています。

このほど、新幹線建設前の様子を写した白黒写真を自宅から見つけ出し、現在の技術でカラー化。“たった10枚の写真展”とのサブタイトルが付けられているように、展示されている写真は多くないものの、カラーならではのリアリティで60年前の新横浜を感じることができるのが特徴です。

高橋さんが運営する「そばの陶芸館」の付近では現在まで昔からの山林を残し続けている

蛇骨(じゃこつ)神社(現在は新横浜1丁目に高橋さんらが中心となり再建)の由来でもある“大蛇”を埋めたとされる一本杉や、水田が広がるなかを走るたった2両の茶色い横浜線の電車、新幹線高架橋の建設風景など、ビルが建ち並ぶ今の新横浜からは想像しづらい風景が写し取られています。

高度経済成長期から現在まで日本を代表する大動脈を支えるためには、故郷の原風景を“供出”せざるを得なかった農家の寂しさも10枚の写真や解説文から感じ取りたいところです。

「たった10枚の写真展~新横浜 帰らざる故郷」は、今月1月30日(日)までの11時から15時に「そばの陶芸館」で開催中、入場は無料です。

【関連記事】

ここは本当に新横浜? 1丁目エリアの“山小屋”手打ちそば・カレー店に驚き(2017年4月3日、写真展が行われている「そばの陶芸館」について)

【参考リンク】

新横浜陶芸教室クラアート21の公式サイト(下部に「そばの陶芸館」の案内も)

「とうよこ沿線物語 新横浜編」~1983(昭和58)年9月1日号(とうよこ沿線、新横浜駅の建設をめぐる“一大汚職事件”について)

写真が語る沿線~新横浜、変貌前夜(昭和36年~45年)(とうよこ沿線、古い新横浜の写真も)