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東急新横浜線(相鉄・東急直通線=2023年3月までに開業予定)の新駅開業を約3年後に控え、ビジネス街としての新横浜に期待する動きが強まりつつあります。来月(2020年)2月に小規模レンタルオフィスが相次ぎ新設される予定です。

長谷工コミュニティが2月1日にオープンする「ビステーション新横浜」の公式サイト

貸会議室大手TKP系の「リージャス(Regus)」が新横浜で2カ所目となるレンタルオフィスを2月から新設することを明らかにしたことに続き、長谷工コーポレーション傘下のマンション管理会社である長谷工コミュニティ(東京都港区)も新横浜への参入を発表しました。

長谷工コミュニティは、「つなぐ、学ぶ、共有する」をコンセプトとするレンタルオフィス「ビステーション」を2016年12月から東京・新橋駅前ビルなどで展開しており、新横浜が3カ所目

「ビステーション新横浜」の会議室完成予想図(ニュースリリースより)

ビステーションでは、1~4人程度の少人数向けの個室型レンタルオフィスだけでなく、「コワーキングスペース」と呼ばれる開放型の業務スペースを併設しているのが特徴で、交流会やセミナーなどを通じて利用者間の交流も促しています。

2月1日にオープンする「ビステーション新横浜」は、1~6人向けの個室26室(月額会費税別4万7000円から)に加え、9室のコワーキングスペースを設置。

ビステーション新横浜には開放型の「コワーキングスペース」も設けられる(ニュースリリースの完成予想図より)

コワーキングスペースでは、営業時間内は自由に利用ができる会員(月額会費税別1万円)だけでなく、時間単位で利用が可能な「ドロップインプラン」も設定する予定だといいます。

長谷工コミュニティは、東急新横浜線の開業によって新横浜が「新しい人の流れ・新しいコミュニティ・新たなビジネスチャンスが生まれる将来性あるエリア」であることから進出を決めたといい、「静岡・名古屋・関西方面の企業の出先機関として、さらにはフリーランスの方まで幅広いニーズにお応えできる空間」(同)にするとのこと。

いちょう通りの「横浜アリーナ前交差点」近くで2019年11月に完成した10階建てのマンション「アルファスペース新横浜」(左2つ目のビル)。左隣にすき家横浜アリーナ前店、右隣にはファミリーマート新横浜3丁目店が並ぶ(12月18日撮影)

新設する場所は「いちょう通り(新横浜元石川線)」沿いにあったヤマト運輸の宅急便センター跡に建てられた10階建ての新築マンション「アルファスペース新横浜」の2階から4階で、同ビルの両隣にはファミリーマート新横浜3丁目店や、すき家横浜アリーナ前店が並びます。新横浜駅の横浜アリーナ方面出入口から徒歩7分程度の距離。

新横浜では、2009年に「アテンド・オン・タワー(Attend on Tower)」(18階建て)や「野村不動産新横浜ビル」(7階建て)が建てられて以降、大型オフィスビルの供給が無い状態にあります。

オフィスビル仲介大手・三鬼商事の調べによると、2019年11月時点で新横浜エリアの空室率は1.74%と低水準で、平均賃料は坪あたり1万521円と上昇傾向。賃料は横浜市内中心部の関内エリアとほぼ同じ水準で、空室率も横浜ビジネス地区の平均(2.05%)よりも低い状態にあるため、必ずしも新横浜でオフィスを気軽に借りられる環境とはいえません。

2019年11月時点の三鬼商事「オフィスマーケットデータ横浜」によると、新横浜エリアの空室率は低く、平均賃料は上昇傾向にある

新横浜で新設が相次ぐ小規模なレンタルオフィスは、オフィスビルの一部フロアを丸ごと借り切って小さく区切り、机やインターネット環境をあらかじめ備えて受付や会議室は共有化する形とし、安価な賃料で短期間でも借りられるようにしているのが特徴で、シェアオフィスとも呼ばれます。

敷金などで高額となりがちな賃貸時の初期費用が少なくて済むこともあり、首都圏外に本社を置く企業が小規模拠点として利用したり、起業間もないベンチャー企業が業務場所としたりといった活用方法が目立ちます。

東海道新幹線の特急料金を含めて片道1380円を支払えば東京駅から新横浜駅まで20分弱で移動が可能

特に新横浜は交通の利便性に強みがあり、東海道新幹線で新横浜駅から名古屋や関西方面への移動が容易なことに加え、交通の要衝である品川駅や東京駅へも新幹線を使った短時間アクセスが可能。

また、1時間に2本の割合で新横浜駅と羽田空港を結ぶ高速バスが運転され、高速道路「横浜北線(きたせん)」が2017年に開通したことによって、最短30分ほどで移動ができるようになっています。

さらに東急新横浜線の開業後は、新駅からIT企業の一大拠点となっている渋谷へも東急電鉄で乗り換え無く移動できる交通機関が加わるため、“都心への前線拠点”として今後もオフィス需要が下がることは無さそうです。

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【参考リンク】

ビステーション新横浜の公式サイト(2月1日オープン予定)