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環状2号線によって街が分断された新横浜1丁目に歩道橋を設置することを求めた市民意見に対し、横浜市は環状2号線の歩道が狭くなるなどを理由に「設置することは困難」と回答しました。

岸根交差点の歩道橋から見た環状2号線、道路の左右両側が新横浜1丁目だが、駅近くまで約700メートルにわたって横断できる場所はない

「市民の声」に寄せられた意見に横浜市道路局が先月(2019年4月)12日付けで見解を示したもので、今月1日に公式サイト上で公開されました。

市民意見の要旨は「新横浜駅近くで環状2号線を渡る歩道橋が1か所しかなく、住民が道路を横断しているところをよく見かけます。車通りも多く、事故が起きてもおかしくありません。歩道橋を設置してください」という内容。

これに対し、横浜市道路局は、

  • 新たな歩道橋では、バリアフリー化の施設としてスロープやエレベーターも合わせて設置する必要がある
  • 歩道上にこれらの施設を設置すると、現況の歩道幅員が非常に狭くなり、歩行空間を確保することができない場合がある
  • この区間にはマンションや商業ビル等の建物が多く建っていることから、沿道の方々の協力を得て歩道橋を設置することは困難

として、歩道橋の設置はできないとの考えを示しました。

同じ新横浜1丁目でも右側の“新幹線高架側エリア”と左側の“小机寄りエリア”が環状2号線で「分断」されている状態(グーグルマップをもとに作成)※クリックで拡大

新横浜1丁目は、JR横浜線と交差する環状2号線の「新横浜陸橋」の下部で“新幹線高架側エリア”と“小机寄りエリア”がつながっていますが、その先は岸根交差点に設置された歩道橋まで約700メートルにわたって行き来できる場所がなく、街が2つに分断されている状態です。

横断可能な場所までは、歩くと最大で7~8分間はかかるため、危険を冒して環状2号線を横断しようとする人も少なくはありません。こうした横断を防止するためか、同区間の道路上の中央分離帯には多くで植栽が行われています。

新横浜2丁目(写真奥)と新横浜1丁目(手前)はJR横浜線で遮られており、鶴見川寄りに1カ所だけある狭い道路か、2カ所の線路下通路で潜り抜けるしかない(写真はアリーナ通りへつながる通路「大綱ガード」)

加えて、新横浜1丁目は、駅と多くのオフィスビルが並ぶ中心部の2丁目へも、JR横浜線の線路で遮られていて往来が不便です。

階段などでの上下移動が必要な環状2号線の新横浜陸橋以外には、“小机寄りエリア”の鶴見川寄りに線路をくぐる狭い道路「城里ガード」が1カ所と、歩行者と自転車用の通路が2カ所設けられているだけで、行き来が容易とはいえません。

新横浜陸橋の下部

JR横浜線を越える環状2号線の架道橋「新横浜陸橋」の下部で新横浜1丁目の“新幹線高架側エリア”(写真奥)と“小机寄りエリア”(写真手前)は往来できるが、その先は環状2号線に遮られ、岸根交差点の歩道橋まで行き来できる場所はない

新横浜1丁目は、今も増え続けるマンションを中心に新横浜のなかでもっとも居住者が多く、大手企業の本社も目立つエリア

それだけに、徒歩や自転車で新横浜の街を快適に移動できるような道路環境の再整備が望まれます。

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【参考リンク】

新横浜1丁目の位置(グーグルマップ)

横浜市市民の声「新横浜駅近くに歩道橋を設置してください」(2019年5月1日公開、一定期間を過ぎると消されます)