東急東横線の終電後、深夜1時過ぎに渋谷駅を出発し、日吉駅や綱島駅、大倉山駅を経て新横浜駅に至り、その後は「亀甲橋(かめのこばし=亀の甲橋・亀の子橋)」を経由して新羽駅近くの営業所までを結んでいる深夜急行バス「ミッドナイトアロー号」の運転本数が減少傾向にあります。
運行を担当する東急バス新羽営業所(新羽町)は、来月(2019年3月)1日から木曜日深夜(日付は金曜日)の運行本数を従来の2本から1本に減らすことを発表しました。また、乗場も駅西口のモヤイ像近くの「32番」から旧東急プラザ寄りの「36番」に変更となります。
ミッドナイトアロー号は、月曜日から金曜日までの平日に深夜1時20分発の1便を基本に、乗客が多くなる木・金曜日や祝日の前日には増便して運行してきましたが、2016年11月には最大3本あった金・祝前日の便を2本に削減。今年3月からは2本運転していた木曜日も1本に減らすことになりました。
関係者によると、近年は深夜までの宴会が少なくなったり、企業での「働き方改革」によって残業量の削減が行われたり、終電後に比較的安価で過ごせる「マンガ喫茶(インターネットカフェ)」などが増えたりしたこともあり、深夜急行バスの利用者は減る傾向にあるといいます。
今回の改正では、新横浜・新羽営業所行だけでなく、センター北・仲町台駅行や田園都市線方面の路線でも同様に減便となっています。
一方、東急東横線など港北区方面への乗客は、鉄道路線が運行を終えた後、タクシー以外の交通手段はミッドナイトアロー号が唯一で、特に池袋駅を0時51分、新宿駅を1時ちょうどに出発する山手線内回り最終電車と、大崎0時42分発の外回り最終にも接続しているため、都心での滞在時間を大きく伸ばすことが可能です。
渋谷駅前を1時20分に出発したミッドナイトアロー号は、都立大学駅北口や東横線小杉駅、元住吉などの東横線沿線に立ち寄りながら、日吉駅に2時14分、綱島街道沿いの綱島駅入口に2時19分、大倉山駅入口には2時23分に到着。
2時30分に着く新横浜駅から先は、運転手に申し出ることで、横浜生田線沿いの新羽町内や新羽駅近くなど、2時40分着予定の新羽営業所までの間なら、どこでも下車することができるようになっています。
運賃は渋谷駅から1600円(日吉駅)から2100円(新羽営業所)までと、都内中心部から区内まで1万円以上を要することもあるタクシーの深夜料金に比べると、きわめて安価です。
平成初期である1990年から運行を続け、東京都心で働く港北区民の深夜帰宅時には欠かせない存在となったミッドナイトアロー号。近年の乗客減少傾向は、運行継続面で懸念材料といえそうです。
【関連記事】
・渋谷発の新横浜・新羽行「深夜急行バス」が発車時間繰り下げ、水・金曜は減便(2016年10月20日)
【参考リンク】
・ミッドナイトアロー「ダイヤ改正・のりば変更のお知らせ」(PDF、東急バス)
・深夜急行バス「新横浜駅(新羽営業所)行き」の案内(東急バス)