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神奈川県初の「健康経営支援拠点」となる新横浜ウエルネスセンターがオープン。産業衛生専門医の黒木弘明さんが「スローガンで終わらない健康経営」講演を行った

神奈川県初の「健康経営支援拠点」となる新横浜ウエルネスセンターがオープン。産業衛生専門医の黒木弘明さんが「スローガンで終わらない健康経営」講演を行った

新横浜で健康経営チェックを行える拠点がオープンしました。横浜市経済局と新横浜2丁目に本社を置くバイオコミュニケーションズ株式会社は、神奈川県内で初めてとなる「健康経営」を支援する拠点として「新横浜ウエルネスセンター」を先週(2017年9月)7日(木)に開設。

オープニングセミナーと個別相談会健康管理・自己チェックの体験会が同日に行われ、特にセミナーには周辺企業から約40人の関係者が参加、同センターの船出に立ち合いました。

セミナーでは、バイオコミュニケーションズのソリューション事業部から大重由津子さんがあいさつ。

バイオコミュニケーションズ・ソリューション事業部の大重由津子さん。定期的にセミナーや健康管理・自己チェック体験会を行うので、ぜひ周辺企業の皆さんにお越しいただければとのこと

バイオコミュニケーションズ・ソリューション事業部の大重由津子さん。定期的にセミナーや健康管理・自己チェック体験会を行うので、ぜひ周辺企業の皆さんにお越しいただければとのこと

元々同社は大手企業を対象にした健康管理のシステム開発を手掛けてきただけに、「大企業のみなさんと中小企業の健康サポート体制の格差がここまで大きいとは思わなかった。大企業は自社で産業医や保健師を抱えているところもあり、社員の健康管理にも手厚いが、中小企業は単独でそういった体制を確保するのは難しい。これからは人がより大切になる時代、産業医のアカデミックな支援をふんだんに得られる体制を作り上げてきたので、みなさんの健康のお役に立てればうれしい」と、同社が1985年の設立後、30年以上にわたって培ってきたノウハウや産業医とのつながりを活かし、同センターの運営を行いたいと意気込みを語ります。

続けてあいさつした横浜市経済局(ライフイノベーション・特区推進担当理事)の平野仁さんは、「県内初の拠点設置となったことはうれしい。バイオコミュニケーションズが30年来の実績を活かし、企業の健康増進だけでなく、健康関連サービスを提供していますが、横浜市でもこの“健康経営”に取り組みはじめてからまだ2年たらず、試行錯誤だが精一杯努めていきたい。新横浜周辺の企業の皆さんにも盛りたててもらえれば。“健康経営”は社員のリクルートや生産性の向上にも役立つことから、(地域)全体の経済発展につながることを期待したい」と、この日出席した新横浜町内会の金子清隆会長をはじめとした新横浜周辺企業などの参加者に、今回の取り組みが地域経済にも良い影響を与えることを期待したいといいます。

横浜市経済局(ライフイノベーション・特区推進担当理事)の平野仁さん。“健康経営”は社員のリクルートや生産性の向上にも役立つと訴え

横浜市経済局(ライフイノベーション・特区推進担当理事)の平野仁さん。“健康経営”は社員のリクルートや生産性の向上にも役立つと訴え

オープニングセミナーのメインイベントは産業衛生専門医として活躍中の黒木弘明さん(産業医大ソリューションズ・エグゼクティブコンサルタント)が「スローガンで終わらない健康経営」という題目にて講演。これまで社員の健康は守るもの、また自己責任で管理されるものという考え方が一般的だったものの、定期健康診断の有所見率が2000年の44パーセントから2014年には53パーセントにまで上昇し、強い不安やストレスを感じる労働者の割合も、1982年の50パーセントから約60パーセント(いずれも厚生労働省調べ)になるなど、少子高齢化の社会情勢も反映し“疲弊する職場”も増え、「このまま健康は守れるのか」と、健康経営の重要性を訴えます。

特に、出勤はしているが、心身の不調によって生産性が落ちるといった“目に見えにくい損失”について、一人あたり年間約30万円も損失している(産業医大・森教授資料より引用とのこと)ことを「プレゼンティーズム」と解説。社員の健康は「悪くなって対応するもの」「守るもの」ではなく、「経営戦略の一つとして、投資して、獲得するもの」であり、職場の生産性の低下を防ぎ、業績アップや企業の利益につながり、加えて、人材の定着率やそれに伴う企業イメージの向上につながるとアピールしました。

少子高齢化社会での就職活動では「従業員の健康や働き方に配慮する会社」は高く評価されると黒木さん

少子高齢化社会での就職活動では「従業員の健康や働き方に配慮する会社」は高く評価されると黒木さん

学生の就職活動でも、「将来どのような企業に就職したいか」との問い(経産省へするケア産業課資料)に対し、「従業員の健康や働き方に配慮する会社」との回答が43.8パーセント(親の回答は49.6パーセント)に上るなど、企業の健康経営に対する考え方が人材獲得の部分でも大きな影響を与えており、参加者への「健康経営度の確認シート」などを利用したチェックも実施。「健康経営についての理解をより深めてもらいたい」と強く訴えました。

同センターでは、横浜市より補助を受けている無料セミナーについて、今後、最低でも2ヶ月に1回は実施したいとのことで、「11月と12月に計画中」(バイオコミュニケーションズ)。当面は常設ではないものの、月に2回程度の相談会や健康管理・自己チェックの体験会も行う意向です。

健康経営や健康管理の個別相談会、自己チェック体験会も定期的に開催していきたいと同センター。多く近隣企業の社員の健康増進に役立つかに注目が集まる

健康経営や健康管理の個別相談会、自己チェック体験会も定期的に開催していきたいと同センター。多く近隣企業の社員の健康増進に役立つかに注目が集まる

同社が30年来培ってきたというシステム管理の強みを活かした「有料での会員向けサービス」も並行して用意しており、より一層踏み込んだ従業員の健康管理や保健指導、医師のサポートサービス、メンタルヘルスケアへの対応など、新横浜近郊で働く人々のトータルでの健康経営サポートにも力を入れていく予定。

「自社の総務・人事担当者などに相談しづらい場合も、気軽に利用いただければ」と、同社では多く近隣企業や働く人からの問い合わせや利用を呼び掛けています。

県内だけでなく全国的にもレアなケース」(横浜市経済局の担当者)と言われる今回のセンター開設。人材確保がより難しくなるといわれるビジネス界で、どのように「人材不足」時代を乗り越えていくか。そんな観点からも、各企業の“健康経営”への対応は、今後より大きな注目を集めることになりそうです。

<健康管理・自己チェック>

健康機器や検体測定による健康状態の自己管理の体験会を9月7日(木)、8日(金)、11日(月)、12日(火)に実施(11時30分~14時30分まで、事前申込不要)

*検体測定は検査試薬費が別途必要とのこと

【2017年9月12日追記】

セミナー当日は体験できなかったので、改めてお邪魔してきました。ビルの5階のエレベーターを降り、右側へ。内線電話で担当者を呼び出しました

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減量指導計・ダイエットアナライザーに挑戦。身長などのデータや設問事項に答えると体脂肪率やBMI値を出してくれます

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体組成測定も機械の質問に答え、靴下を脱いではかりに上がり測定します

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横浜市からの貸与だという握力計。結果は散々な状況に・・・

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たばこなどを吸っていると数値が高くなるという一酸化炭素濃度測定。低い数値にホッ

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医療系や飲食店で働く人などにはとりわけ必須な手洗いチェッカー。爪のあたりの汚れが落ちていませんでした

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身体の柔らかさも測定できます(長座体前屈測定)。見本を見せてくださいました

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次回の体験会は10月中旬に予定しているとのこと。健康へのアプローチをどのようにしていったら良いのか。これからの体験会やイベントなどの開催にもより大きな注目が集まりそうです

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【関連記事】

企業の「健康経営」を支援する県内初施設、鳥山大橋たもとのビル7階に開設(2017年8月11日)

【参考リンク】

県内初!健康経営支援拠点「新横浜ウエルネスセンター」オープン(横浜市経済局)

バイオコミュニケーションズ株式会社(新横浜ウエルネスセンターの運営会社)※体験会開催はYSビル5階