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グルメレポート 新横浜・菊名・大倉山【グルメレポート第28回:2017年9月4日「新横浜編15」「菊名駅編4」】おおむね1000円前後はするイメージの強い「とんかつ」を500円程度からという衝撃的な価格で展開中の“格安とんかつチェーン”。現在は「かつや」で知られる新潟のホームセンターが親会社のアークランドサービスホールディングス系と、牛丼チェーンの松屋フーズ系による「松乃家(松のや)」が“二大巨頭”。港北区内では新横浜と菊名の両駅前に進出しています。果たして、“500円とんかつ”の実力は――。【追記:2018年現在「松之家」は価格が一部変更されています】

菊名東口の階段を下りていると視界に入ってくる「松乃家」(左手)

今や牛丼チェーン店はどこの駅前にもありますが、その「とんかつ」版といえるのが、「かつや」と「松乃家(松のや)」の両チェーン。

かつやが全国に345店(2016年12月末現在)で、それを追随する松屋グループが131店(2017年8月現在)と、牛丼店の10分の1にも満たない規模ですが、市場が飽和気味と言われる牛丼と比べて、とんかつは成長余地のある分野とみられ、店舗数は徐々に増えています。

店内はやはり“松屋感”も

港北区内に初めて上陸したのは松屋グループで、菊名駅東口でした。2012年2月に東口目の前といえる場所に「松乃家(まつのや)菊名店」がオープン。駅の階段を降りていると目に入る「ロースかつ定食500円」という横断幕に誘われ、入店した人も多いのではないでしょうか。

入口に置かれた大型食券券売機やドレッシング類の容器、25席ほどの細長い店内など、そこかしこに“松屋感”を醸し出しながらも、木目を基調とし、テーブル席が多い店内は新業態としての独自性も感じます。

松乃家の「ロースかつ定食」は500円玉1枚

目玉メニューの「ロースかつ定食」は税込みで500円(関西エリアでは税込530円)。横断幕に書かれている通り、500円玉1枚でとんかつが食せます。とんかつの量は90グラムで5切れほど。決して豪華ではないですが、キャベツも山盛りで松屋おなじみの味噌汁も付いてきます。

とんかつ専門店で食した時と比べると、2種類あるソースの味や肉質といった面でさすがに劣りますが、さくっと上がったロースカツ1枚がわずか500円で食せるのですから、十分に納得できる内容でした。

松乃家のロースかつ丼は税込み490円、味は濃い目でボリューム十分

なお、ロースかつ丼(みそ汁付)なら税込み490円でお釣りまで戻ってきますし、朝5時から11時までは税込400円で「得朝ロースかつ定食(70グラム)」も提供。

全国系の松屋グループならではの“限界価格”で、牛丼と同様に全国を席巻しようという意図も感じられます。

今後、松屋グループはとんかつ業態で、どれだけ店舗数を増やしていくのでしょうか。

「かつやキュービックプラザ新横浜店」は3月に「ぐるめストリート」でオープンしたばかり

一方、格安とんかつチェーンの元祖である「かつや」は、長年港北区にはなかったのですが、今年(2017年)3月27日に新横浜駅ビル別館の飲食店街「ぐるめストリート」に「かつやキュービックプラザ新横浜店」を出店しています。

“かつや”と書かれたオレンジ色の看板を見ると、吉野家かどこかの外食大手チェーン系にも見えてきますが、もともとは新潟に本拠を置く「ホームセンタームサシ」(アークランドサカモト運営)が外食事業として始めたもの。

「とんかつのファストフードチェーン」という新たな市場を作り出すべく、1998年に相模原市で1号店を出店したのが始まりだといいます。そのためか横浜市内(9店)や川崎市内(4店)といった都心部より、両市以外の神奈川県内に20店と比較的多く店があります。

「かつや」の代表メニューは「カツ丼」(税別490円・税込529円)、どこか和を感じるテイスト

かつやの格安代表メニューは、「ロースかつ定食」(税別690円・税込745円)よりも、「カツ丼(梅)」(税別490円・税込529円)で、半分程度の客がカツ丼を注文しているようにも感じます。店員間の符号でも単に「一丁!」と言えばカツ丼ということになっていることからも、人気ぶりがわかります。

その「かつやのカツ丼」は、固めた玉子にも味がしっかりと染みており、どこか「良質なそば店のカツ丼」といった和の味。そのためか食べやすく、後味もすっきり。若干くせになりそうで、さすがは格安かつチェーンを支える代表メニューといえます。

一方、ロースかつ定食は120グラムのロースかつと豚汁が付いて税込745円。同チェーン特製ソースの味も上々で、カツの厚さも肉質も十分に満足。街にあるとんかつ専門店とまではいかないものの、近づけている内容ではないでしょうか。

「ロースかつ定食」(税別690円・税込745円)は豚汁も付いてくる

キュービックプラザ新横浜店は、25席ほどと広くはないため、昼間は行列ができることも多いのですが、料理の提供スピードが5分前後と比較的早いのはさすが。松乃家は混雑時に10分程度を要することもあっただけに、先駆者として手際の良さを感じます。

なお、キュービックプラザ新横浜店では、開店間もないためか食事後には100円割引券が配られることも頻繁に見られます。今がお得かもしれません。

格安とんかつ店が出店しているのは、区内では今のところ新横浜と菊名の両駅前だけ。とんかつやカツ丼が食べたくなった時には駆け込んでみてください。菊名の松乃家は24時間、新横浜のかつやは10時から23時までと比較的長時間開いているのもありがたいところです。

  • 新横浜&周辺エリアのグルメレポートは記者が個人的に訪れているなかで、「ここは!」というお店についての情報を紹介するとともに、個人としての所感を述べていく不定期連載です。バックナンバーはこちら。なお、日吉・綱島・高田エリアの記事は「横浜日吉新聞」をご覧ください。

【関連記事】

新横浜駅で唯一の“独自駅弁”は良心的な「かつ重」、構内の目立たない場所で販売(2017年7月31日)

【参考リンク】

松屋フーズのとんかつ業態「松乃家」「松のや」(菊名東口に店舗)

松乃家菊名店(「食べログ」のページ)

とんかつ・かつ丼「かつや」(新横浜「ぐるめストリート」に店舗)

かつやキュービックプラザ新横浜店(「食べログ」のページ)