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グルメレポート 新横浜・菊名・大倉山【グルメレポート第27回:2017年8月21日「新横浜編14」】新横浜駅の駅ビル「キュービックプラザ」の別館となる飲食店街「ぐるめストリート」(新幹線高架下部分)で、駅舎寄りのもっとも目立つ場所に位置するのが「つばめグリル」。戦前の日本を代表した超特急列車「燕(つばめ)」の名を冠した同店は、1930(昭和5)年に新橋駅寄りの銀座で誕生したといいます。現在は新横浜をはじめ、品川や横浜、東京など首都圏の鉄道主要駅で店舗を見かける老舗洋食チェーンで、名物ハンバーグを味わってみました。

つばめグリルの店名のもととなった超特急列車「燕」は、1930(昭和5)年東京と神戸間で運転が始まり、大阪までの所要時間は8時間20分。現在の新幹線「のぞみ」と比較すると、かなり長い時間をかけて大阪までを結んでいたのですが、蒸気機関車が中心だった85年以上前としては画期的な速度。新幹線が開通するまでは日本を代表する列車として君臨していました。

現代の“超特急”が走る線路の下にある「つばめグリルキュービックプラザ新横浜店」

そんな日本の名列車にあやかったつばめグリルですが、同店近くの新橋駅には当初停車していたものの、その後は通過するようになってしまい、それを惜しむ地元の人の声によって「つばめ」の名が付けられたとの歴史があるといいます。目の前を通過していく当時の“超特急”の姿を後世に伝えるための命名だったわけです。

新幹線の駅さえなかった頃の品川や、のぞみが停まらなかった時代から新横浜へ出店していたのも、どこか“超特急列車”との因縁めいたものを感じます。

現在ではすべての“超特急”が停まるまでに発展した新横浜駅に置かれた「つばめグリルキュービックプラザ新横浜店」は、横浜アリーナ側の北口広場から見るともっとも目立つ場所に店があり、廉価なチェーン店の多いぐるめストリートでは、高級な部類に入る店といえます。

ハンバーグを包むアルミホイルを破ると、蒸気が一気に噴出してくる「つばめ風ハンブルグステーキ」

同店では、「ロールキャベツ」(単品・税別1000円)や「帆立貝のクリームコロッケ」(同1000円)といったメニューもありますが、やはり中心は、同チェーンが「ハンブルグステーキ」と呼ぶハンバーグ(同1110円~1320円)。なかでもアルミホイルに包んだままで提供される「つばめ風ハンブルグステーキ」(同1320円)が名物料理となっています。

包み焼きしたハンバーグにビーフシチューのソースをかけるという同チェーンならではの一品で、ナイフでアルミホイルを破ると、蒸気が一気に噴出してくるのもつばめグリルならではの演出。超特急「燕」のSLを想い起させるかのようです。

ビーフシチューのソースは、肉の旨みを邪魔しない深い味わいで、ハンバーグ本来の味を愉しんでほしいとの思いが込められている様子。ハンバーグを捏ねるパンパンという調理場からの音を聴きながら、味わうのも悪くありません。

トマト1個を丸ごと使い、中にチキンサラダを詰めた「トマトのファルシーサラダ」も名物

トマト1個を使い、中にチキンサラダを詰めた「トマトのファルシーサラダ」(税別710円)も同チェーンならではの独自メニューで、ハンバーグとともに味わいたいところです。

なお、平日11時から17時に限り、ライス(税別200円)やパン(同250円)とトマトのサラダ(ランチ仕様)が付いて税別1380円でつばめ風ハンブルグステーキが提供されるなど、8種類のランチメニュー(税別1000円~同1380円)も設定されています。

新幹線乗降前の食事や、平日の少しリッチなランチ時に、昭和時代の超特急に想いをはせながら、伝統の「ハンブルグステーキ」を味わってみてはいかがでしょうか。

  • 新横浜&周辺エリアのグルメレポートは記者が個人的に訪れているなかで、「ここは!」というお店についての情報を紹介するとともに、個人としての所感を述べていく不定期連載です。バックナンバーはこちら。なお、日吉・綱島・高田エリアの記事は「横浜日吉新聞」をご覧ください。

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【参考リンク】

つばめグリルの歴史(公式サイト)

つばめグリルキュービックプラザ新横浜店(ぐるなびのページ)

つばめグリルキュービックプラザ新横浜店(「食べログ」のページ)