新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト

グルメレポート 新横浜・菊名・大倉山【グルメレポート第25回:2017年7月31日「新横浜編12」】新横浜駅の「駅弁」と聞いてどんな弁当が思い浮かぶでしょうか。新幹線の駅構内には改札内外を含め多数の弁当販売店が置かれていますが、新横浜駅オリジナルの駅弁は見当たりません。そんななか、実は1カ所だけ、目立たないながらも安くて旨い“メイド・イン新横浜”の独自弁当を作り続けている店があります。

7月後半の土曜日、新横浜駅構内にある駅弁店を全て調べてみると、20種類近くの弁当を販売していることが確認できました。その大半がJR東海傘下の「ジェイアール東海パッセンジャーズ」が製造販売する弁当で、ここに横浜を代表する崎陽軒の「シウマイ弁当」(税込830円)などが一部割り込む形となっていました。

改札内外に弁当販売店は数多くあるが、取り扱い商品はほとんど同じでJR東海系の弁当が大半を占めている

JR東海系の駅弁は、東京・品川・新横浜・名古屋・新大阪の各駅と車内販売で共通して売られているものが多く、地域性が薄められているのが特徴です。

たとえば、横浜オリジナル感もある「焼売炒飯弁當」(税込920円)の場合、とある販売店のPOPには「これで決まり!横浜おすすめ」などと書かれていましたが、この弁当は品川駅や東京駅でも売られています。一方で東京名物を感じさせる「深川めし」(同980円)は新横浜駅も販売対象。同社の駅弁販売戦略において、新横浜駅は、品川や東京の一部に含められてしまっているようです。

崎陽軒は新横浜駅に近い都筑区川向町に横浜工場を持っており、“地元感”は満載ですが、シウマイ弁当や「横濱チャーハン」(税込630円)などの同社弁当は首都圏のどこでも買えますし、「いなり寿司」(同510円)や「ハマの朝ごはん弁当」(同630円)のように神奈川限定品もありますが、駅構内の販売店ではなかなかお目にかかれません。

やっと見つけた「メイド・イン新横浜」の駅弁

横浜を代表する新幹線駅なのに、新横浜駅だけで売られている駅弁はないものだろうか――。構内の店をくまなく探してみたら、ありました!

新幹線東改札口(横浜アリーナ側出口)近くにある観光案内所の裏手、少し目立たない場所に持ち帰り飲食品店が5店ほど並んでいるエリアがあります。その右端(アリーナ側)で営業する「横濱たちばな亭」では、カツを使った各種弁当を製造販売しています。

同店は、横浜赤レンガ倉庫内にあるオムライスが自慢の洋食店として知られますが、新横浜駅構内ではカツを使った弁当専門店として営業。かつてはキュービックプラザ内の3階にオムライスの店舗も持っていました。

観光案内所裏手の少々目立たない場所にある「横濱たちばな亭」

厳密に言えば、この場所は駅ビルの「キュービックプラザ2階」という位置付けのため、駅弁ではなく“デパ弁(デパート内でのみ販売している弁当)”という分類になりそうですが、駅構内で上下移動やドアもなく出入りできる点で、駅弁店と言ってもまったく問題なさそうな立地です。

メインの「かつ重弁当」は税別で530円。駅構内で売られている駅弁は800円から1000円が当たり前、という環境下では良心的な価格設定です。単なる持ち帰り店ではなく、駅弁として食されることを意識しているためか、冷めても“カツ重”を食した感が薄れないような味付けになっていますし、しっかりとしたフタの付いた容器は持ち運びにも最適。工場生産ではなく、店内の厨房で調理する“メイド・イン新横浜”である点も嬉しいところです。

税別530円の「かつ重弁当」。数時間持ち運んでも美味しくいただけました

もう少し食べたい、という時には「かつ重弁当(大)」(税別730円)も用意されているほか、カツをそのまま味わいたいという場合は「ロースかつ弁当」(同750円)や「ヒレかつ弁当」(同800円)もあり、こちらには別添えで特製ソースとキャベツが付いてきます。

目立たない場所にあるためか、新横浜の駅弁としては“知る人ぞ知る”存在。新横浜駅以外では売っておらず、複数回食したその満足感からして、新横浜を代表する独自駅弁としても自信を持っておすすめできます。

出張時に新幹線へ乗る際や、日産スタジアムでのスポーツ観戦、またはオフィスでの昼食にも最適な“新横浜かつ重弁当”は、価格も安価で、毎日9時から22時まで無休で店を開けていますので、試してみる価値はありそうです。

  • 新横浜&周辺エリアのグルメレポートは記者が個人的に訪れているなかで、「ここは!」というお店についての情報を紹介するとともに、個人としての所感を述べていく不定期連載です。バックナンバーはこちら。なお、日吉・綱島・高田エリアの記事は「横浜日吉新聞」をご覧ください。

【関連記事】

電車を待つスキマ時間を有効活用、新横浜の改札内に生粋「立ち食いそば」店(2017年3月13日、横浜線のホーム内に立ち食いそば店)

<新横浜駅>新幹線改札内で唯一のカフェ刷新、5/31(水)から新ブランド1号店に(2017年5月20日、新幹線改札内で唯一の飲食店)

<新横浜駅>大きな荷物で困った時は「観光案内所」が味方に、預かりや配送もOK(2017年7月5日、観光案内所の裏手で販売)

【参考リンク】

横濱たちばな亭の紹介(キュービックプラザ新横浜)

横濱たちばな亭キュービックプラザ新横浜店 (「食べログ」のページ)

東京・品川・新横浜駅の駅弁一覧(JR東海分、ジェイアール東海パッセンジャーズ)

崎陽軒の弁当一覧(シウマイ弁当以外は、新横浜駅構内では販売していない場合もあり)