【グルメレポート第17回:2017年4月10日「新横浜編8」】今年(2017年)3月に6つの新たな店が加わった新横浜駅の駅ビル「キュービックプラザ」別館となる飲食店街「ぐるめストリート」(新幹線高架下部分)。このうち2店が著名なラーメンチェーンでした。早速食してみると、全国のラーメン好きの“聖地”ともいえる新横浜の駅直結だからこそ、日々食べても飽きがこない定評のある店を選んだことが分かってきます。
6店のなかでもっとも早く3月7日にオープンしたのがつけめんの「舎鈴(しゃりん)」。2005年に品川区大崎で「六厘舎(ろくりんしゃ)本店」を創業したことに始まる同チェーンは、 つけめんの六厘舎と舎鈴など4ブランドと、ラーメン店4ブランドを多店舗展開しています。
濃厚つけめんで大ヒットした六厘舎ですが、「毎日は重すぎて食べられない」という声に応えて始めたのが舎鈴だといいます。「毎日食べられる美味しいつけめん」を志向し、都内18店と千葉・埼玉に7店、川崎に1店を展開。横浜初の店舗として開いたのが「キュービックプラザ新横浜店」でした。
“毎日食べてほしい”という思いは価格にも現われており、メインメニューである「つけめん」(並)は税込650円。「中華そば」(並)は同550円、「油そば」(並)にいたっては同490円に設定されており、ラーメンに800円から1000円くらい払うのが当たり前という方向の店でないことがわかります。
並つけめんは、のり、焼豚、メンマと載っていて、トッピングがなくても寂しい感じはありません。中太の麺をスープにからませて食すと、濃厚とあっさり、魚介と豚・鳥スープを混在させた絶妙な味わいで、するすると食してしまいました。
麺を食した後は、“そば湯”のようにテーブルに置かれた「魚介出汁(だし)汁」でスープを薄めて飲むという同チェーンならではの「名物」に満足度が倍増。蕎麦店のような感覚もクセになりそうで、650円という価格も好感が持てました。
一方、先月27日にオープンしたもう1店は、同月に運営会社「力の源ホールディングス」が株式上場して話題となった「一風堂」。ぐるめストリートの店は、駅の“大家”であるJR東海傘下のジェイアール東海フードサービスが運営者となっています。
1985年に九州・福岡で創業したとんこつラーメンの一風堂は、1994年に「ラーメン博物館」へ関東初出店を果たしたのを契機に、都内を中心に全国へ店を広げていきます。現在では全国に81店舗を擁するとともに、海外ではアジアを中心に13か国で63店を展開し、現在では売上全体の2割が海外店舗によるものだといいます。(数値は2017年3月株式上場時の資料より)
全国展開の足掛かりとなった新横浜へ再び戻ってきた一風堂ですが、キュービックプラザ新横浜店は、カウンターテーブルも含めて木目調の洒落た店内。女性や家族連れの利用を存分に意識しており、ぐるめストリートでも、そうした客層に好かれている様子です。
メインのとんこつラーメン「白丸元味」は税込790円、「赤丸新味」は同850円。平日11時から15時まではラーメン価格に100円をプラスすると「博多ひとくち餃子(ハーフ)」と「ライス」が付くランチセットもあります。テーブルには、とんこつラーメンには欠かせない紅ショウガに加え、一風堂名物の「辛モヤシ」も置かれ、ついつまんでしまうことも。
“原点”である白丸元味を注文すると、深い丼になみなみと注がれた白いスープは、どこか上品な味わい。深みがあるのになめらかなスープに細い麺がよく合っていて、替え玉(税込130円、小玉同80円)を頼んでしまいたくなる気持ちになります。定期的に食べたくなるラーメン、という言葉が当てはまりそうです。
「つけめん」と「とんこつラーメン」で定評のある新たな2店。実際に食してみると、安定感のある飽きない味や絶妙な価格設定が多くの地域で支持を集め、多店舗展開ができていることに納得させられるのではないでしょうか。
- 新横浜&周辺エリアのグルメレポートは記者が個人的に訪れているなかで、「ここは!」というお店についての情報を紹介するとともに、個人としての所感を述べていく連載です。バックナンバーはこちら。なお、日吉・綱島・高田エリアの記事は「横浜日吉新聞」をご覧ください。
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【参考リンク】
・「舎鈴」キュービックプラザ新横浜店(「食べログ」のページ)
・「一風堂」キュービックプラザ新横浜店(「食べログ」のページ)