新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト

菊名駅近くに障害児・障害者向け重要な拠点施設が完成しました。

菊名4丁目の綱島街道沿い、菊名記念病院の隣接地で多機能型拠点「び・すけっと菊名」が来月(2024年)4月1日にオープンします。

菊名コミュニティハウスや菊名町公園に隣接した綱島街道沿いに完成した多機能型拠点「び・すけっと菊名」(3月27日)

多機能型拠点は、たんを吸引する喀痰(かくたん)吸引や、チューブやカテーテルを通して栄養剤を注入する経管(けいかん)栄養、人工呼吸器の使用といった「医療的ケア」を必要とする重症心身障害児者向けの施設。

医療的ケアを必要とする障害児者向けのサービスを一体的に提供する拠点として、横浜市が2012(平成24)年から整備を構想し、現在までに栄区桂台中や都筑区佐江戸町、瀬谷区二ツ橋町で地元の社会福祉法人が開設。

市内各所から30分程度で自動車によるアクセスが可能になるよう計6カ所に設置する計画とし、今回の菊名は4カ所目で、主に港北区と鶴見区内からの利用を想定して設けられました。

市内4カ所目の多機能型拠点となる「び・すけっと菊名」でも医療的ケアを必要とする障害児者向けにさまざまなサービスを提供する(パンフレットより)

び・すけっと菊名と名付けられた今回の多機能型拠点は、港北区内を中心に福祉施設の運営や地域ケアプラザを運営受託する社会福祉法人横浜共生会(新吉田町、村松紀美枝理事長)が設置。

菓子の「ビスケット」のように愛される施設にしたいという思いや、利用者の助っ人になるという“Be 助っ人”を意識し、公募で名称を決めたといいます。

菊名記念病院(写真左奥)に隣接していた「横浜市医師会看護専門学校」の跡地に建てられた(3月27日)

かつて「横浜市医師会看護専門学校」(2018年3月閉校、菊名町公園・菊名コミュニティハウス隣接地)が置かれていた1620平方メートル超の敷地を使い、3階建ての建物を建設。駐車場は20台分を設けました。

「び・すけっと菊名」は3階建ての建物となっている(パンフレットより)

施設内の1階に設けられた「生活介護室」は広い(3月27日)

1階には事務室と館内でもっとも広い「生活介護室」を置き、2階は医療機能を備えた「診療室」をはじめ、「医療型短期入所室」や「日中一時支援室」に加え、2泊程度の宿泊が可能な「ショートステイ」のエリアを設置しています。

2階は医療機能も備える(3月27日)

ショートステイができる部屋が複数設けられ、台所や浴室などもある(3月27日)

3階は地域向けの「地域交流室」と、屋外に出られる「屋上ガーデン」が設けられました。

4月1日のオープン後は、生活介護や短期入所(2泊3日程度)、医療型日中一時支援医療型特定短期入所などの事業と支援相談を中心に開始し、訪問看護や居宅介護事業の展開も順次予定。また、診療所の外部開放や、地域交流室の貸し出しも計画しているといいます。

3階にある会議室的な「地域交流室」は地域への開放も予定(3月27日)

高台にあるため、屋上からは新横浜方面まで建物に遮られることなく眺められる(3月27日)

当面の送迎範囲は港北区鶴見区内とし、2区の医療的ケアを必要とする利用者を優先する予定です。

人口の多い2区を主な対象とし、神奈川区も至近という位置に置かれたため利用希望者が多くなることが予想されているという同施設は、周辺在住の重症心身障害児者と家族にとって欠かせない重要な拠点となりそうです。

4月1日に運用が始まるバス停「菊名記念病院前」(菊名方面行車線のみ)を降りると「び・すけっと菊名」は目の前にある(3月27日)

なお、4月1日から同施設至近の綱島街道沿いに「菊名記念病院前」(現時点では菊名方面車線のみ)のバス停が新設され、鶴見駅西口方面からの「鶴01系統」(臨港バス、菊名駅行)と市営「41系統」(新横浜駅行、川向町折返場行)、横浜駅西口方面からの市営「59系統」(新綱島駅行)が停車する予定です。

2024年4月2日訂正)臨港バス「鶴01系統」については4月1日時点で「菊名記念病院」に停車していません。現時点では市営バスの2路線のみのバス停となっています

【関連記事】

・【過去記事】菊名の看護専門学校は解体、1600平方メートル超の「市有地」活用方針に注目(2018年5月25日、び・すけっと菊名はこの跡地に建設)

【参考リンク】

び・すけっと菊名「短期入所のお知らせ」(横浜共生会)

び・すけっと菊名の場所(グーグルマップ)