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マスク飲食」や「マスク会食」を提唱した“元祖”とされる神奈川県では、取り組みを進める飲食店を認証する制度を新たに設け、特に優れた「完全実施店」に対しては、営業時間の短縮要請の対象から外すことも検討していくといいます。感染防止と経済活動の両面を考えて始めた対策をさらに浸透させる考えです。

神奈川県では昨年夏ごろから「マスク会食」や「マスク飲食」を提唱し、飲食店向けのPOPなども配布してきた(県の特設ページより)

飲食時にもマスクを付けることを求める動きは、昨年(2020年)8月ごろ、「Go To トラベル」や「Go To Eat(イート)」といった外出を推奨する形の経済対策が行われていたなかで、神奈川県内でも感染者数が上昇し、外での会食と感染予防を両立させる対策の一つとして、県が打ち出したものでした。

昨年夏の段階で黒岩祐治知事は、「このマスク会食今まであまりなかった言葉でしょうけれど(中略)、マスクをつけたまま会食をするといったこと、皆さんに徹底していただくと、自粛しなくても営業停止しなくても済みますよ、それを進めてください」(2020年8月12日、知事記者会見)などとして、マスク会食という言葉を使っています。

国も飲食時のマスク着用を訴えるようになった(内閣官房の特設サイトより)

神奈川県内でも浸透するまでに時間はかかっているものの、会食が多くなる昨年末には、国がマスク飲食を推奨するポスターを作ったり、最近では爆発的に感染者数が増えた大阪府が義務化を検討したりする動きもあり、県外でも広く知られるようになりつつあります。

県はあす(2021年)4月20日(火)から来月5月11日(火)までの期間に「まん延防止措置(正式名称:新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置)」を横浜市や川崎市、相模原市に適用することにあわせ、「マスク飲食実施店」の認証制度を新たに設けることを発表したもので、4月16日の新型コロナウイルス感染症対策本部会議で明かされました。

昨年5月から神奈川県が独自に始めた「感染防止対策取組書」の掲示は、県内約8割の飲食店が登録しているという(県特設サイトより)

この認証制度は、県内に約5万ある飲食店のうち、8割が登録する県独自の「感染防止対策取組書」(港北区内では飲食店884店(件)が登録=3月14日現在)を発展させるものだといい、マスク着用を飲食店におけるドレスコード(服装規定)化したり、マスク飲食をルール化したりすることを目指す内容。

同取組書に登録し「マスク飲食」に取り組んでいる店舗のなかから、自らの申請や利用者からの推薦によって県が実際に現地調査を行ったうえで、認証を行う制度だといい、認証店になるには、アクリル板の設置といった基本的な感染対策と、9項目におよぶマスク飲食への対応を求めています。

マスク飲食実施店が行うべき取り組みは多いが、県の認証や表彰で浸透させていきたい考え(4月16日、県対策本部会議の資料より)

認証店のなかで特に優秀な店舗は県が表彰を行うほか、飲食店へ営業時間の短縮を要請する場合も対象外とすることを検討しているといいます。

ただ、一部の店舗だけを時短の対象から外すことには、現在は国が難色を示しているといい、「(マスク飲食に対して)それだけの取り組みがされているということであれば、時短要請対象から除いても、そこで感染が広がることはないのではないか。どれだけの実績を出ているかということを、国にデータとして示ししながら調整をしていきたい」(4月16日の県対策本部会議で政策局・髙澤幸夫局長)という段階です。

機会あるごとに飲食時のマスク着用を訴えてきた黒岩知事は、「われわれの新たな独自策であるので、ぜひ(店舗にとって)インセンティブ(動機)となるような形で進めていきたい」と話し、今回の認証制度を活用して店舗側の協力を得ながら、マスク会食やマスク飲食を県内で浸透させていく考えです。

【関連記事】

<自粛の夏>8/22(日)まで「まん延防止」延長、マスク飲食店のみ酒類提供(横浜日吉新聞、2021年7月9日、その後にマスク飲食実施店の除外が実現)リンク追記

「マスク飲食」認証店が予想より拡大、日吉・綱島など港北区内も29店(横浜日吉新聞、2021年6月28日)リンク追記

神奈川県、休業要請の解除で「対策チェックリスト」、感染者接触をLINE通知も(横浜日吉新聞、2020年5月27日、「感染防止対策取組書」は最初の緊急事態宣言解除後に取り組みが始まった)

【参考リンク】

神奈川県知事メッセージ(令和3年4月16日)(神奈川県、「マスク飲食実施店」認証制度についても)

神奈川県「感染防止対策取組書」の公式ページ(登録店の検索も可能)

飲食時の新マナー「マスク飲食」の紹介ページ(神奈川県)