創建1300年を祝う「宮神輿」が完成、奉納式でその姿を地域の人々に初めて披露しました。
聖武天皇が即位した奈良時代の724(神亀元)年に師岡一帯を拓いたとされる全寿仙人が創立したといわれる師岡熊野神社(師岡町、石川正人宮司)は、今年2024年で創建1300年という歴史的な節目を迎えています。
これを「地域ぐるみ」で祝し、さらなる地域コミュニティを創出・醸成していくことを目的とし、師岡熊野神社総代会や氏子会、師岡地区連合町内会などが協力して「千三百年祭奉祝行事祭礼委員会」を運営しています。
先月4月29日(月・祝)に同神社境内にて、「師岡熊野神社 創建千三百年奉祝祭~宮神輿納受・奉納式・感謝式」が行われ、新しい「宮神輿(みこし)」が神社に到着。
同委員会や招かれた来賓、地域の人々や訪れた観光客など約200人が「宮神輿」の完成と到着を祝い、神社に奉納される様子を見届けました。
昨年(2023年)来より千葉県市川市の有限会社中台製作所(1848年創業)で製作が行われた「宮神輿」。
同神社の参拝者が身支度を調える場所であったという神奈川区の大口の地を、宮神輿の奉納に向けて、最後の仕立を行う場所として選んだといい、「株式会社田代鉄工所(神奈川区神之木町)のご厚意で、本社工場をお借りし、神輿の仕立を行いました」と、同委員会の委員長で同神社氏子総代表の鈴木聡さん。
鈴木さんは、「1300年間のうち、おそらく1000年以上の間、大口という場所は熊野神社の参拝者を受け止め、そして参拝に送り出した地でした。宮神輿もそれに倣(なら)おうという奉納者の思いの表現でした」と、“最後の仕立”を大口で行った理由を説明します。
1月21日には、宮神輿を飾る「瓔珞(ようらく)」の裏面にイニシャルを刻印するイベントも師岡町内在住者らを対象とし企画開催されており、到着した宮神輿を参加者が眺めながら、イニシャルの場所を探し記念撮影を行うシーンも見られていました。
この日は神事としての「奉納奉告祭」や、1990(平成2)年に奉納されて以降活躍してきた「町神輿(みこし)」の制作者・田中利男さん(有限会社田中建具店、師岡町)への感謝状の贈呈、55年ぶりに復活した「師岡お囃子(はやし)の会」による演奏や獅子舞の披露、記念撮影の時間など、約3時間にわたる式典の時間を共有していました。
なお、来月6月2日(日)10時から13時まで、「宮神輿お披露目渡御」が師岡町内で行われる予定とのことです。
(※)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です
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・【前年記事】師岡熊野神社と地域ぐるみ「祭礼」は今週末、最後の“町みこし”にも注目(横浜日吉新聞、2023年8月16日)
・【過去記事】<レポート>子ども・大人みこしの声が街に響く、師岡熊野神社で3年ぶり祭礼(2022年8月25日)
【参考リンク】