小学生が発案し昨年(2023年)12月に新登場した「まちのパン」の第2弾を新たに発売。小机エリアでの話題となっています。
横浜市立小机小学校(同)の小学3年生が「総合的な学習の時間」の授業の一環で、「小机まちプロジェクト」と銘打った地域の名物パンを生み出す取り組みにチャレンジ。
小机駅から徒歩約15分の横浜上麻生道路沿いの泉谷寺交差点にも近い手作りパンの店「ときわや」(小机町)を経営するパン職人の常盤豊隆さんが、第1弾に続きアレンジし商品化。
「小机いちごちょうちんパン」と、準絶滅危惧種のサクラソウを守る活動を行う同小学校の取り組みから誕生した「サクラソウデニッシュ」の2種類のパンを新たに各350円(税込、価格は仕入れにより変動)で先月(2024年)1月20日(土)から発売しています。
昨年、第1弾で誕生していた「竹とうろうあまっちゃパン」(280円)も継続して販売、「小机小スペシャル」と銘打ち、店頭であわせ販売しています。
2つの新作パンは季節の材料としてのイチゴを使用していることから、「可能な限り作っていきたい」と常盤さん。
安定した大きさのイチゴを入荷できる場合は、2つの新作パンの製作・販売を続けていく意向とのことです。
「サクラソウ」は新横浜公園とのプロジェクトから
かつて、小机周辺の鶴見川に生息していたというサクラソウを復活させるというプロジェクトが2009(平成21)年からスタートし、小机小学校もこの活動に参画。
現在もサクラソウの自生の手助けを行う活動として実施しているといいます。
今年度(2023年度)も3年生の児童が、4月に4年生からサクラソウの株を引き継ぎ、5月から7月までサクラソウについて詳しく調べる活動を実施。
7月からの夏休み中もそれぞれが株を枯らさないために各自の自宅に持ち帰り、毎朝、水をあげるなどの世話を続けてきたといいます。
そして今年1月29日には、新横浜公園での植樹をおこない、今月には来年の新3年生への引き継ぎにて「想いも継いていく」とのことです。
今回の新作パン「サクラソウデニッシュ」には、そういった児童たちの「サクラソウ」への想いが込められているといい、パン職人の常盤さんも、「サクラソウなど自分では思いつかないものを見ると作ってみたくなりました」との感想を述べています。
地域に根差す小机小学校と、「社会とつなぐ」役割を果たす地元の手作りパン店のあたたかな交流。
2016(平成28)年から、横浜市教育委員会が主催する職業体験・起業や企業との交流などについて学び、社会で生きていくための力を育むキャリア教育「はまっ子未来カンパニープロジェクト」でも、今回のコラボレーションについての発表を2月中に行う予定とのこと。
また、同じく2月中に開催予定の土曜参観でも、保護者に向けて、これまでの学習を発信する予定となっており、さらに現在、PR活動として、これらの「ご当地パン」を主人公にした絵本を制作していると3年生担任の萩原知里さんは説明します。
地域まちづくりの新たな可能性を秘めた小机小学校と地域店舗の数々のチャレンジは、これからも多くの人々からの注目を各シーンで集めることになりそうです。
【関連記事】
・「小机」らしい名物パンが誕生、まちのパン店と地元小学生が初コラボで(2023年12月22日)
【参考リンク】
・2年 生活科「まちを たんけん 大はっけん」(同)※2年生による同店への訪問活動も
・横浜市港北区地域の研究~「シリーズわがまち港北」第123回 サクラソウの復活 -小机が花盛り-(公益財団法人大倉精神文化研究所)