新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト

地域の文化財を火事から守りたい――港北区では、今年も新羽の西方寺(さいほうじ)で「文化財防火デー」に伴う消防訓練を行います。

横浜市消防局では、市内の国・県及び市指定・登録などの文化財90件を対象としての「第70回文化財防火デー」における防災訓練を、今月(2024年)1月21日(日)から30日(火)まで実施しています。

3年ぶりの実施となった2023年開催時の様子(新羽町・西方寺、1月26日)

3年ぶりの実施となった2023年開催時の様子(新羽町・西方寺、1月26日)

「文化財防火デー」は、1949(昭和24)年1月26日、奈良県斑鳩(いかるが)町の法隆寺金堂に描かれた壁画(7世紀、国重要文化財)が、火災で焼損したことがきっかけとなり制定。

毎年、全国各地でこの日を中心に、文化財を守るための消防訓練が行われています。

消防車両が西方寺に乗り入れての訓練が行われていた(2023年1月26日)

消防車両が西方寺に乗り入れての訓練が行われていた(2023年1月26日)

市内では今年(2024年)は12消防署14カ所で実施される「主な防災訓練」としてのスケジュールが発表されており、特に「文化財防火デー」当日の1月26日(金)には、7カ所で訓練が行われる予定です。

港北区内では、新型コロナ禍の影響で2021年と2022年の2年間は訓練を行えませんでしたが、昨年(2023年)は西方寺など2カ所で実施。

今年も、あす1月26日(金)11時から約30分間の予定で西方寺の境内で行われる予定となっており、港北消防署員港北消防団員が参加し、文化財関係者による通報、初期消火、避難誘導、文化財の搬出などの訓練を行うとともに、 地域住民による初期消火訓練を実施。

また延焼防止を想定しての、消防署員や消防団員による総合防災訓練を実施する予定とのことです。

「第70回文化財防火デー」横浜市内での主な防災訓練実施一覧(横浜市の記者発表資料)

「第70回文化財防火デー」横浜市内での主な防災訓練実施一覧(横浜市の記者発表資料)

今年1月1日に発生した能登半島地震でも、石川県輪島市の観光地で大規模火災が発生するなど、地域での防火・防災力に対する地域住民の意識も高まっていることから、例年にない緊張感と実践的な対応力の向上、また認知の拡大についても求められる訓練となりそうです。

【関連記事】

・【前年記事】地元の文化財を守りたい、新羽の西方寺で3年ぶり「消防訓練」で放水も(2023年2月6日)

・【前年記事】綱島の文化財「飯田家住宅」を守りたい、消防・地域ぐるみで初の防火訓練(横浜日吉新聞、2023年3月29日)

新綱島の「池谷家住宅」が歴史的建造物に認定、幕末生まれの古民家(横浜日吉新聞、2024年1月25日)※港北区内の「横浜市認定歴史的建造物」や「文化財(一般建造物)」についても掲載

【参考リンク】

文化財防火デーに合わせ防災訓練を実施し、自助・共助の意識を高めます(横浜市記者発表資料)

文化財防火デー(文化庁)

アクセス(西方寺公式サイト)