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法人サポーター会員による提供記事です】新しいタイプのディーゼルエンジン車に乗っている人にとって、燃料となる軽油とともに欠かせないのが「アドブルー(AdBlue、ドイツ自動車工業会)」と呼ばれる液体です。

尿素SCRシステムを採用したディーゼル車には「軽油」の給油口とは別にアドブルーの注入口が設けられている(フォルクスワーゲングループジャパン株式会社の案内ページより)

最近は一部のガソリンスタンドでも取り扱われるようになりましたが、まだまだ広く販売されるまでにはいたっていません。この液体を大量購入し、安価で提供しようという取り組みを港北区内の事業者が始めています。

バスやトラックを中心に「軽油」を燃料として使うディーゼルエンジン車は、ガソリン車よりも燃費が良く、産業用として多く使われてきたこともあって、日本では税金が低率に押えられ、ガソリンよりも安価で販売されてきました。

一方でディーゼルエンジンは、排気ガス中からノックス(NOx=窒素酸化物)と呼ばれる大気汚染物質を多く排出するため、厳しく規制する動きが日本を含めて世界的に強まっています。

新しいディーゼルエンジンを積んだトラックにアドブルーは不可欠な存在となりつつある(いすゞ自動車の案内ページより)

そんななか、排気ガスを浄化する新たな技術として生まれたのが「尿素SCRシステム」。その名の通り、“尿素”を使って排気ガスを浄化するシステムで、浄化に使う専用の尿素水にアドブルーという名が付けられたものです。

この尿素SCRシステムを採用しているのは、比較的新しい大型トラックやバスが中心ですが、近年では「ハイエース」の名で知られるバンや、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)型の四輪駆動車である「ランドクルーザー」の新モデルでも導入。また、アドブルーの商標がドイツで管理され、欧州で広く浸透している背景もあるのか、「メルセデス・ベンツ」の車種にも多く採用され、フォルクスワーゲンも採用車の日本販売を始めています。

尿素SCRシステムのエンジンが搭載された車は、車種によって異なるものの一例をあげれば、軽油100リットルに対し、おおむね5%程度分(5リットル)のアドブルーが必要。燃料とは別にアドブルーを入れておかなければ、エンジンがかからない仕組みとなっているため、運送や輸送に関わる事業者はもちろん、ハイエースやランドクルーザー、さらにはディーゼルエンジンのベンツ所有者にも不可欠な存在となりました。

製造業者と直接取引し安価販売を模索

この「アドブルー」の取り扱いに乗り出したのが、樽町3丁目で全国チェーンの「車検のコバック港北樽町店」をフランチャイズ運営する株式会社マルシンコマースです。

「アドブルーを何とか安くしたい」と語る株式会社マルシンコマースの水柿敏雄社長

「アドブルーを何とか安くしたい」と語る株式会社マルシンコマースの水柿敏雄社長

「軽油やガソリンほど巨大な需要はなく、輸送費もかかるためか、アドブルーの価格はまだまだ高い状態。多くの量を必要とする中小の運送業者などではコスト増も懸念されつつあります」と同社社長の水柿敏雄さん

現在、ガソリンスタンドなどでアドブルーは1リットル120円から140円程度と、軽油と同程度の価格帯で販売されていることが目立ちます。通信販売では、輸送料が含まれているためか、さらに高値となっている店も。

消費する軽油に対して5%程度の量しか必要がないとはいえ、それでなくても高騰しつつある軽油に5%の“税金”がさらに付加されるようなもの。燃料費と人件費の高騰で利益幅が削られつつある輸送・運送業者にとっては、死活問題にもなってきます。

「車検のコバック港北樽町店」にもアドブルーを置いている

「車検のコバック港北樽町店」にもアドブルーを置いている

そこで同社は、JIS認証のアドブルーを製造する1社である丸山化成株式会社(千葉県八街市・松浦陽平社長、アドブルー認証・JIS認証=2019年1月下旬取得済み)と直接取引。「大量に購入して輸送費を抑えれば、1リットルあたり60円以下にはできるはず」(水柿さん)として、独自にアドブルー取り扱いを始めました。

「当社の本業は『車検』を行う自動車整備業のため、アドブルーを取り扱うこと自体に大きな利益は期待できませんが、逆にぎりぎりまで利幅を削っても経営に影響はありません。樽町をはじめ、港北区内には中小の運送事業者が多く、何とか安くしたいし、できるはずです」と水柿さんは力を込めます。

「尿素SCRシステムを初めて実用化したのは日産系の企業でしたが、かつて近所(区内)に日産自動車の著名な技術者の方が住んでおられまして、10年以上前から尿素SCRシステムやアドブルーの可能性と重要性を教えていただいていました。それだけに、私自身も少しは普及や啓発に貢献したい」(同)と今回の取り組みに踏み出した背景を明かしました。

すでにタンク単位で買ったアドブルーを車検のコバック港北樽町店にも設置しており、「事業者の方だけでなく、アドブルーが必要なディーゼル車に乗っておられる方にも安価で販売できる体制を整えます」と水柿さん。

アドブルーの入手で困った時は、コバック港北樽町店に相談してみるのも手といえそうです。

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【参考リンク】

安心の尿素水(AdBlue(R))供給体制(いすゞ自動車によるアドブルー供給説明ページ)

ディーゼルエンジンの排気をクリーンに保つAdBlue(R)(フォルクスワーゲンによるアドブルーの説明)

法人サポーター会員:株式会社マルシンコマース~車検のコバック港北樽町店提供)

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