“ふるさとの森”づくりで絆を深めてきた横浜国立大学と流通大手のイオンが、連携協定締結で、さらなる「地域貢献」を目指します。
横浜国立大学(横浜国大・横国大、保土ケ谷区常盤台)とイオン株式会社(イオン、千葉市美浜区、吉田昭夫社長)は、今週(2025年)11月10日午後、社会貢献と相互の発展に資することを目的とした「包括連携協定」を締結。
バリアフリー、脱炭素、防災といった様々な社会課題の解決や、インクルーシブ教育を基にした人材育成などに取り組むことでの、地域における持続可能な社会の発展を目指すことになりました。
イオンにとって、大学との連携協定締結は、2011(平成23)年にベトナムのホーチミン市人文社会科学大学とパートナーシップを締結して以降8校目。
マレーシアのマラヤ大学(クアラルンプール)や中国の清華大学社会科学学院(北京市)、日本国内では地元・千葉市の神田外語大学(美浜区)や高知大学(高知県高知市)など、日本のみならず、出店を進める東南アジア諸国連合(ASEAN)の大学との連携も深める取り組みを行ってきました。
イオンは、今から60年ほど前の1960年代、当時ジャスコ(現イオン)の社長だった岡田卓也氏(現在のイオングループ名誉会長)が、三重県四日市の自宅の庭に植えた南天の実が咲かなくなったことに疑問を抱き、1991(平成3)年から、新しい店舗がオープンする際に、それぞれの地域に自生する樹木を植える活動を行う「イオンふるさとの森づくり」活動をスタート。
植物生態学で知られる同大学の故・宮脇昭名誉教授が指導し立ち上げた同プロジェクトは、昨年(2024年)4月に横浜高田地区に新規オープンした「そよら横浜高田」(高田西1、イオンリテール株式会社)でも行われるなど、現在まで引き継がれる社会貢献事業となっています。
この日の締結式に臨んだ渡邉廣之副社長によると、現在、同社では、同大学の卒業生が「数十名」勤務しているとのこと。
同大学が推し進めるインクルーシブ教育の一環として、同大学附属横浜中学校(南区大岡)の1階にある理科室を改修するプロジェクトについて、イオン側が「ユニバーサルデザイン」の知見からアドバイスを実施、来月12月中にも完成披露する予定とのことです。
今回の連携協定締結について、同大学の梅原出(いずる)学長は、「本学には台風科学技術研究センターがあり、台風を科学するだけでなく、最終的には人命をどう守るか。特に災害時に弱者(妊婦、子ども、高齢者など)をどう避難させるかというカスタマイズした防災を考える際に、イオンの皆様の活動と連携できると考えています」と、今回の協定締結により想定し得る連携内容について語ります。
また、国際面についても、海外の子どもたちへの支援、特に障害を持つ子どもたちへのケアといった側面について、海外での事業展開を行うイオンとの情報交換を行いながらの活動の可能性についても言及します。
渡邉副社長は、「特にフィリピンやベトナムなど、ASEAN地域では、台風の被害や水害が多発しており、私どもの建物がどのような状態であるべきか、雨水処理などの課題があります。学術的な研究データに基づいて、地域ごとの対応を考えていく中で、横浜国大の皆様のお力添えをいただくことができれば」と、気候変動問題にも起因する研究成果による現地での課題解決にも今回の協定を活かしたいとの想いを熱く語っていました。
民間企業が実現しにくい課題解決に大学などの学術機関が協力し、また大学内ではなし得ない未来の人材育成と「社会での活躍の場」としての民間企業の力を活用する動きを推し進める“新たな一歩”としての両者の取り組みが、これからも各学校や企業のモデルケースとしても注目を集めることになりそうです。
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【参考リンク】
・【プレスリリース】イオン株式会社と横浜国立大学が包括連携協定を締結(横浜国立大学)
・横浜国立大学とイオン株式会社との連携協定締結について(イオン株式会社)
・イオンの植樹活動(イオン株式会社)
・宮脇昭名誉教授の遺した「森」という研究資源(横浜国立大学)







