「地域の縁側(えんがわ)」としての利用増を――新たなSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の立ち上げは、利用者増につながるのでしょうか。
港北区内で5つの横浜市「地区センター」の運営を行う一般財団法人こうほく区民施設協会(菊名6、小島清代表理事)横浜市菊名地区センター(同)では、先月(2023年)5月18日にインターネットのSNS・ツイッター(Twitter)を新規開設。
5月26日からは横浜市日吉地区センター(日吉本町1)でもツイッターを新たに立ち上げるチャレンジを行っています。

横浜市菊名地区センターの公式ツイッター(写真・リンク)
両施設での立ち上げについて、同協会の事務局長を務める平本雅典専務理事は、「子育て世代や働いている世代の方に施設をご利用いただく際、スマートフォン(スマホ)を活用したインターネットやSNS上での口コミが大きな力を発揮しているのが現状と感じてきました」と語ります。
「早くこの(インターネットやSNSの)輪の中に、私どもの情報も入れるようにしたいと準備を進めてきました」と、今年1月に協会内にツイッター開始に向けてのプロジェクトを立ち上げたといいます。
インターネット検索でヒットした市内8区18館の地区センターのツイッターのプロフィール欄や発信内容をチェックしたうえ、実際に見本となる1施設の視察に出向きます。
「準備から実施に向けた流れや実際の発信内容、フォロワー数や情報発信を行うにあたっての注意事項なども確認することができました。とても有難く思っています」と視察先の懇切丁重なる対応があってこその立ち上げだったとの想いを抱いているといいます。
同プロジェクトは、視察を経て、過去3カ月間の視察先のツイート(つぶやき)内容についても細かく分析。
さらには、市の施設として市広報課が設定している「運用ポリシー」も踏まえて、準備が整った地区センターからの立ち上げに至ったと説明します。
3人中「2人が初めて」、日吉では文化祭募集も
プロジェクトに参画していた菊名地区センター館長の中山真一さんは、「ツイッターの立ち上げ以降、3人体制でのつぶやきを行っていますが、そのうち2人は、初めてのツイッターとなります」と、担い手が初めて向き合うツイッターに多くを学びながらの運用であると明かします。
それでも、「ルールをきちんと定めたこともあり、思っていたよりハードルも低くつぶやくことができているかと思います」と中山さん。
特に5月21日(日)に行った「子どもあそびと菊名カフェ」イベントのツイートの反響が大きかったこと、またテニスコートや、卓球の個人利用時の空き状況など、「その日・その時のこと」をつぶやけることに“手応えを感じる”と、その発信がしやすくなったことを喜びます。

横浜市日吉地区センター(写真・リンク)でもツイッターを新規開設。現在、秋・10月に予定されている「文化祭」の参加団体募集についてもつぶやいている
現在、日吉地区センターでは、今年10月8日(日)と9日(月・祝)に行われる予定の「文化祭」の参加団体募集もツイッター上で呼び掛けており、利用者増はもちろん、新たな地域活動への担い手獲得というステップへの足掛かりとしても今後の運用に期待感を持つことができそうです。
なお、両館のほか、同協会が運営する綱島・新田も含む4つの地区センターで、2021年2月(2022年4月以降は篠原も含む5館)より、来館などにより受け付けていた予約や利用(抽選)申込ができるシステムをインターネット上でも提供しており、好評を博しているといいます。
4つの地区センターの利用人数も、約48万人(2022年度)と、約76万人の利用があったコロナ前(2019年度)までの約63.2パーセントに留まっているといい、「各種団体がコロナ禍での休止を経て、その復活を遂げることができていないことが背景にあるようです」と、再び元の利用者数に戻るまでの道のりは険しい道のりが予想される状況となっています。
「施設の維持費も物価・燃料高などから厳しさを増している状況。多く皆様のご利用が必要です。商店でも、仕事でも、学校でも、家でもない。多く皆様にとっての“地域の縁側(えんがわ)”として地区センターをより一層ご利用いただければ」と平本専務理事。
利用者を呼び戻す手段としてのインターネットやSNSを活用した情報発信は、他館にとっても「待ったなし」の状況といえるだけに、その立ち上げが日々待たれます。
(※)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です
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【参考リンク】
・運営施設のご案内(同)※各地区センターへのリンクも
・横浜市菊名地区センター公式サイト(同)※ツイッターもトップページに掲載
・横浜市日吉地区センター公式サイト(同)※ツイッターもトップページに掲載